邂逅
2024/4/12
昨夜、日本人女性と出会った。
この宿で見る初めての邦人だ。
その彼女、サトミちゃんは英語が堪能で、海外慣れしている様子だった。
訊くと、オーストラリアに4年程住んでいたらしい。
その時は軽く挨拶して終わったのだが今朝、共用スペースに向かうと彼女も偶然そこにいたので、何と無しに予定を聞いてみると、今日は特に目的も無く、ただ街を散歩するのだという。
私もそのつもりだったので
「もし良かったら、一緒に歩きませんか?」
と声をかけると、意外にも彼女は快諾してくれた。
街中にある何気ない情景。
とりわけ私は人の心の機微や生活の匂いを感じられる瞬間に惹かれる。
サトミちゃんも似た感性を持っているのか、ふと足を止めるタイミングがよく重なり、建物の隙間から覗く洗濯物に目を奪われると聞いた時は少し驚いた。私も同じだからだ。
また彼女の落ち着いた声のトーンはとても心地良く、初対面でありながら気を張らずに居られた。
京都に住み、舞妓や小料理屋に憧れたと彼女は言っていたが、まさにそんなしっとりした様が似合う、それでいながら芯のある人。
それが私の第一印象だった。
結局、私達は約5時間歩き続け、陽も暮れ始めた頃に食事へ。
先日、フーゴと一緒に入ったレストランだ。
これらジョージアの代表的料理として、もう一つ外せないもの。
お腹も満たされ、すっかり暗くなったトビリシの雑踏を抜け、宿へと戻る。
「今日はありがとうね」
そう言ってサトミちゃんと宿の共有スペースで少し休んでいると、玄関のドアがガタゴト音を立てた。
やや特殊な鍵が設置されたそのドアは、確かに開けるのに少しコツを要する。
私達は駆け寄り、内側からドアを開けてあげると、そこに現れたのはなんと日本人女性。
私は目を丸くした。
まさかこの国、この宿でほぼ同時に2人もの邦人女性と出会うとは…。
『繋がる時は重なるもんだ』
そんな経験は何度もしているので、信じられないという程ではない。
しかしその後
更に予想外の展開になる事は
流石にこの時点で当然、知る由もなかった
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。