知らないもの

「申し訳ありませんが、あなたを迎え入れることは出来ません」

韓国行きが決まってから数日、複数の農家さんへ住み込みボランティアの要望をメールしているが、返答は全てコレである。
そりゃそうだ、いきなり見ず知らずの日本人から連絡がきて「はい、歓迎します」と返してくれる所はそうそう無いだろう。

とはいえ、全く無謀なことをしているわけでもない。
Workawayというサービスがあり、つまりは「ボランティアの対価として、ホストに食事と寝床を提供してもらう」というものなのだが、そのサイトを通して連絡しているのだ。
ところが韓国を含め、東アジア各国にあるボランティア要望の大半は「子供に英語を教えてほしい」である。
片言の英語で出発する身としては、とてもそんな要望には応えられない。さらに韓国語もわからないとなると、出来そうなのは身振り手振りで教えてもらう数少ない力仕事くらいだ。

迎え入れられない理由として、ホストの方々は優しい言葉を綴ってくれる。
「とても嬉しいのですが、受け入れ人数が満員です」
「今はオフシーズンなので…また御縁がありますように」
しかし、こうも断られ続けると、それだけではない理由を勘ぐってしまう。
特に日韓関係は歴史的にも複雑で、国家単位はもとより個人間でも簡単に距離を縮めることは難しいのかもしれない。

だが、そんな疑念を払拭する為に世界を周ってくるのだ。
先入観にとらわれ、確かめてもいない事を盲目的に信じていては勿体ない。
知らないものを知ることで、自分の世界は広げられるはずなのだ。

ホストの方々から来るメールには、最後に必ずこの一言が綴ってある。

「あなたに良い機会が巡ってくることを願っています、素晴らしい旅を」

2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。