見出し画像

【SNK】忍者でゴザル【SNK】

 忍者……それは我が日本が誇る文化的ガジェット。高レベルの忍者は素手で敵の首を飛ばし、全裸でも平気でドラゴンのブレスに耐えるという……。
 ことほどさようにすさまじい存在であるところの忍者を保有する我が国のゲームメーカーが、それを作品に登場させない合理的な理由があろうか? いや、ない!
 当然のようにSNKでも、新日本企画時代からゲーム中に忍者を登場させてきた。『サスケvsコマンダー』がその嚆矢といえよう。
 そこで今回は、特に格ゲーに絞って、とびきりイカすSNK忍者軍団をご紹介しよう。ちなみに今回はADK勢はナシ。ADKの作品は非忍者キャラを数えるほうが早いくらいだから(いいすぎ)。

 さて、まずはすべての始まり、『餓狼伝説』シリーズ。
 このシリーズに参戦している忍者はふたり。不知火流忍術の不知火舞と、アンディ&舞の弟子に当たる北斗丸である。アンディ自身は不知火流骨法の使い手であって忍者ではなく、このふたりから教えを受けている北斗丸は、骨法と忍術の両方を使いこなすということになっている(もっとも、骨法要素は空破弾だけだが)。

 次は『龍虎の拳』シリーズ。
 こちらの忍者もふたり、如月流忍術の如月影二と、同じく如月流を学んでいたが、破門されたことを契機にみずから不破流忍術を立ち上げた不破刃である。何の予備知識もなくこの両者の技を見せられた人間は、彼らの使う忍術が同じだとはとても信じられないだろう。
『外伝』のストーリーモードを見るかぎり、続編は日本が舞台になるようだったので、もし実現していれば世界忍者大戦が勃発したかもしれないと思うと、返す返すも惜しいシリーズを亡くしたものである(いい方!)。

 そして忍者の巣窟、『サムライスピリッツ』シリーズ。
 まず初代には、伊賀忍軍頭領の服部半蔵と、半蔵のコンパチで通常技が共通なのになぜか流派は甲賀流(+ガルフォード忍術)というガルフォード、そして一応はガルフォードと同じ師匠を持つアースクェイクの3人がいる。侍といえるキャラが覇王丸、右京さん、十兵衛の3人しかいない一方で忍者も3人……かなりの忍者密度。
 その後、『天サム』では風間忍軍の風間蒼月、風間火月が追加された。兄は「そうげつ」なのに弟と妹は「かづき」に「はづき」というところにほのかな闇の香りを感じなくもない。
 さらに『蒼紅』では、父の跡を継いだ服部真蔵(天草に身体を乗っ取られてたおにいちゃん)があらたな服部半蔵として登場し、同時に伊賀忍軍という名前のモブ忍も使用可能だった。総勢7人、江戸時代は忍者の時代といっても過言ではなかろう。

 一方、幕末が舞台となる『月華』シリーズ。
 こちらには如月流の始祖とおぼしい斬鉄が登場する。ただ、この時点では如月流という名前自体は存在せず、斬鉄は自身の流派を単に「忍術」としており、その死後に孫の三太が二代目斬鉄を名乗ることになる。

 そしていよいよみんながあこがれる『風雲』シリーズ
 この魅惑のシリーズには、ゴズウ、メズウの兄弟忍者に加え、彼らの首領でもあるジャズウのコピペ三人衆が登場する。以前も触れたが、お手本のようなコンパチキャラ群である。
 メジャーなものにたとえれば、この3人はいわばこんな感じ。

画像1
強さでいえばジャズウ=ランドロス、死んだカズウはラブトロス?

 さて、最後は『KOF』シリーズ。対戦格闘タイトルはほかにも『武力』があるのだが、そもそもあれには忍者が登場しないからね。
 各タイトルの人気キャラが一堂に会する『KOF』なら、さぞや多くの忍者キャラが参戦しているに違いない! と思うかたもいるかもしれないが、実は『KOF』オリジナルの忍者は、『MI2』に登場したナガセと、『XIV』に登場したバンデラス・ハットリしかいない。
 ナガセの格闘スタイルはニンジャアサシンアーツ(+バトルディスクシステム)で、そのベースになっているのは、200年以上前にジヴァートマが闘った服部半蔵の伊賀流忍術である。
 片やバンデラスは、厳密にいうと忍者ではない。ニンジャにあこがれる身体能力のすごいブラジル人が、勝手にブラジリアン忍術と称して立ち上げただけの、何のバックボーンもない流派である。しいていうなら、あやかり忍術……みたいな?

 とまあ、こうしてSNK格ゲー忍者軍団を駆け足で追ってきたわけだが、微妙にコンパチ率、モーション流用率が高いように感じるのは気のせいだろうか。
 そんな負のイメージを払拭するためにも、複雑なシステムを半分にカットした『ニンジャマスターズ』の続編を希望したいところである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?