罫線を甘く見てはいけない

ノート強化月間、今日は罫線の話。
「横罫しか使ったことがない」「とりあえず罫線があれば良い」という方も多いですが、私たちの思考はかなり罫線の影響を受けていると思うのです。

ノートにおけるAとB その2

前回のAとBは判型のお話でしたが、今日は罫線のAとBを。
学生時代、クラスにはA罫派とB罫派がいたと思うのですが、みなさんはいかがだったでしょうか。
ちなみに私はB罫派でした。
A罫は罫線の幅が7mm、B罫は6mmです。
横罫で主流のはこの2種ですが、実はもっと種類があります。

A罫=7mm
B罫=6mm
C罫=5mm
U罫=8mm
UL罫=10mm

C罫、U罫、UL罫はあまり見かけないかもしれませんね。
UL罫の10mm幅と聞くとちょっとびっくりしてしまうかもしれませんが、日記を書いたり、文字にルビをふったり、注釈を小さな字で書きたしたりといった使い方をする方に人気の罫幅です。
しかし、ノートの罫線の種類は横罫だけではありません。
高校生くらいまでは当たり前のように横罫ノートを使うことが多いですが、大学生以上になると使い方によって自分の好きな罫線というのが定まってくるようです。

大人に人気の方眼罫

私の周りで愛用者が多いのが方眼罫です。
線が全て実線のものと、方眼の四隅に点だけが打たれているドット方眼とがあります。
この2つをベースにアレンジされたタイプもあり、ミドリのMDノートの方眼罫は原稿用紙のような雰囲気があって人気です。

方眼のサイズは5mm方眼が多いようですが、4mm、3mm、6mmなどもあります。
人気のほぼ日手帳はこだわりの3.7mm方眼ですね。
ノートのサイズや字の大きさ、使っているペンの太さなどで使いやすい方眼サイズは変わって来ますが、共通するのが字も図も書きやすいということではないでしょうか。
また、文章だけ書くという方でも、ブロック分けがしやすかったり、行頭を揃えやすかったりというメリットがあります。

方眼罫が好きじゃないという方から多く聞く意見は、何も書いていなくても紙面がうるさく感じるというもの。
確かに、細かく縦横に線が入れられているので、「まっさら!」という印象は薄いかもしれません。
そんな方におすすめなのが、ドット方眼です。
方眼の4角に点が打たれているだけで、線が引かれていません。
線は引かれていませんが、図を書く時や、行頭を揃えたい時にはドットを頼りにできるので、使い勝手は方眼罫とほぼ同じです。
それでいて、紙面がすっきりとしています。

マニアが憧れる縦罫

小学校の頃に使っていた国語のノートのように、縦に罫線が引かれた縦罫ノート。
今は横書きが主流になっているので、もう何年も縦書きはしていないという方も多いのではないでしょうか。
縦書きは苦手…という声も聞きますね(私も縦書きは苦手です)。
しかし、日本語の形の美しさが一番発揮されるのが縦書きです。
美文字ブームもあり、ペン習字を習う方が増え、インスタグラムなどで美しい縦書きの文字を見る機会も増えました。
小日向京さんのように、味のある連綿でノートを埋めることに憧れる書き物好きも多いです(私です)。
横罫のノートを90度倒して使っても良いのですが、縦書きにすると罫幅が狭くてきゅうくつ。
縦罫のノートは罫幅が広くとられているので、ゆったりと書くことができます。
いつか、縦書きで日記を…など、ノート好き、書き物好きが憧れる縦罫ノート。
やはり、作っているメーカーは少ないですが、憧れに手が届く日までなくならずにいて欲しいなぁと思います。

無罫!!!

全く、なーんにも印刷されていない「無罫」。
文字が曲がるから、文字の大きさが揃えられないから、まっすぐに線が引けないから…等の理由で好きじゃないという方もいる一方、無罫じゃないと嫌!という熱烈な支持者もいるのが無罫です。
かく言う私も無罫派です。

私は変なところが細かい性格で、学生時代から「行間をどれくらい空けるか?」と言うことに悩む質でした。
「さっきは1行空けた、内容を考えるとここはさっきよりは空けたいけど、2行空けるとずいぶん離れて見える…」など、そんなに悩まなくてもいいのに…ということを延々と悩んでしまうのです。
これが、無罫のノートだと好きに調整ができるんですよね。
半行分空けるということも可能。
私は絵が下手で、ただの四角すらまっすぐ書けないのだから、見た目の綺麗さを考えると方眼罫の方が向いていると思います。
しかし、方眼罫だとまた「何マス空けるべきか…」という悩みが出て来てしまう。

学生時代のように板書を写すのであれば、「どうしようかな…」と悩みながら書いていても問題はありませんでした。
しかし、社会に出て、さらにフリーランスになって、自分でたくさん考えなければいけなくなった時に、どうやって書くかという悩みで思考を止めることは、大問題でした。
私にとって、まっすぐ書けないことや図が歪んでしまうことは、気になるには気になるけれど、思考を止めるほどのものではなく、そのうち慣れていきました。
しかし、何行目から書き始めよう?とか、ここは何行空けよう?というのは、思考を止めてしまう。
なんとなく、「ノートに罫線がないと書きにくい」と思っていたのですが、実は、私にとっては「ノートに罫線があると書きにくい」だったのです。

ずっと横罫ノートを使っていたけれど、無罫ノートを使い始めたら何かを考えながら図を書くことが多くなったという方がいました。
その方も「ノートは横罫」という思い込みがあり、横罫意外使ったことはなかったそうです。
しかし、勧められて無罫を使ってみたら考えがはかどる。
「人の思考って、結構罫線に縛らるもんですね」とおっしゃっていました。

自分に合った罫線選びを

もちろん、誰でも無罫が良いというわけではありません。
思考を文章化して書いていくという方もいます。
ただ、今までの使い方や、使っているノートを選んだ理由をもう一度考えてみてください。
「そういうものだ」という思い込みで選んでいませんか?
たとえば、こんな例もあります。

思考を文章化して書き出して整理するので、横罫ノートが一番はかどる。
手に入りやすく、書き慣れているA罫ノートを愛用していたが、UL罫を文具店で見かけて面白いと思い購入。
いつも通りに文字を書いても文字の上側が余るので、そこに色の違うペンで注釈やツッコミを書いてみたところ、さらに思考が整理されていった。
横罫が自分にとって最適であることに違いないが、罫幅はA罫ではなくてUL罫が最適だと気づいた。

いつもと違う罫線を選ぶことで、自分の意外なニーズに気づくかもしれません。
ノートマニアはあちこちにいるので、SNSなどで検索してみると面白い使い方をしている方も見つけられます。
自分に合う罫線をもう一度、探してみませんか?

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