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私はまだ絶滅していない

「ざんねんないきもの事典」を読んで泣いた話。

これまで縁がなかったけれど、初めて手に取ってみたら、
思いがけず泣いてしまった。

論理的に考えると、あまりにも非合理的で
不条理とさえ思える生き方をしている動物たちがいっぱい出てくるけれど、
彼らはそれで生存競争に勝ち残って種を存続させてきたわけで
人間がどう思うかなんて余計なお世話だ。

むしろ人間側のガラパゴス的な論理で「こう生きなければならない」みたいな
型にはまった発想こそなんて貧しいんだろうと、
目から鱗と涙がボロボロ落ちた。

人間には想像もつかない形態や性質で
この世界をサバイブしている生き物がこんなにいるとは
なんて素敵なことだろう。

たとえば簡単なところで、夜行性の動物は昼間は寝ていて夜に活動する。
彼らにとってはそれが自然の摂理であり、いわんや悪いことではない。
でも人間の世界では、朝は早く起きて、昼間は働いて、夜は適切な睡眠をとるのが
ほとんど唯一の正解みたいにされている。
どうしても朝起きられなかったり、夜眠れないときもあるのに、
昼夜逆転というだけでまるで犯罪のような響き。

あるいは体型にしてもそうだ。
人にはそれぞれ体質があって、その人にとって最も健康な体重というのは
本来人によって違うものだ。
それがただ、「平均」という範疇から外れているというだけで、
「痩せすぎ」とか「太りすぎ」と自動的に認定されてしまうのは
まったくもってナンセンスな話。

ざんねんないきものたちの話を読みながら、
人と同じようにできない、生きられないことに、
すごくストレスを感じていたんだなと気づいた。

その他大勢から見たら多少いびつな姿かたちや生き方をしていたとしても
自分はまだ絶滅していないし、
「ざんねん」だろうが何だろうが
自分なりのやり方で生きていきたいと思う。


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