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写真詩集

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その時の気持ちを写真と言葉で。いつか一冊に出来たらいいな。
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終わってゆく夏と
一緒に走っている

どれだけ夜が長くて
息が苦しくても
どれだけ転んで
足が傷だらけになっても

か細くも一筋、光っていて
そんな灯火が
そっと目の前を照らしてくれるから
私から、朝は奪えない

夏には死の香りが漂っている。

じりじりと命を枯らし
鳴き喚く蝉。
暑い暑いとアスファルトで
煮えたぎる人間。
日陰に生きながら水も餌もなく
疲れ果てた野良猫。
燦燦と輝く太陽のもとで
枯れてゆく花。

そんな真昼間の出来事をさらって
夜を連れてくる夕焼け。

夏はまだ苦手だ。

好きなように生きるには
なにかと 妥協が必要で

何かを得るためには
何かを切り捨てなきゃいけなくて

好きなものを切り捨てることは
やっぱりどこか悲しくて

だけども、だけども、
世の中はなんにも甘くないから

くらくらと 廻ってしまうよ

綺麗なものをみて「綺麗だね」と
言えないとき。
もうそれは、とても、哀しいこと。

久々にnoteをひらいて、
美しい青色の写真を見た。
涙が零れた。

まだ、前へ進めそうだ、と思った。
ありがとうございます。

生きているんです、
とても忙しない街の中で。

周りの進捗を見たくない、
干渉も報告もいらない。
努力の自慢も、張り合いも、
悪いとこばかり見えてしまうから
私はそっと目を閉じる。

音を立てずに終わらせたいの。

ぱちぱちと弾けて溶けてゆく
1年も経ってなお、わたしは、

わたしは、少しでも、
大人になれただろうか

少女から、女性へ
なったのだろうか

淡い期待は何度も、透明になった

息を切らして走って、走って
青空の下、深緑の草原に倒れて
酸素を思い切り必要としたい

そういうことで生きている、と
実感したい日もある

幸せは不幸の上に出来ている
それと同じく
優しさは残酷の上に出来ている

遠回しに遠回しに傷つけないように
僕らは歩いてきたね
視線が交わることはきっともうない
幸せになって、ね

きっとこれからも
ひとことひとことに一喜一憂して
全部自分のせいじゃないかって気にして
嫌わないでって願いながら
遠くから見ているのでしょうね

密かに想ってくれればいいのにと
期待しながら

もう夏はとっくに終わったのに
泣き方を忘れたまま 金木犀香る季節だよ

揺蕩う魚たちのように
ゆらゆらと揺らめく私の心は
何度 日を巡ろうと
色も想いも形も変わりはしない

この代わりもいない
いつか泡になるまでは

仄かな希望と
微かな期待とが混ざり合った
口約束を
どうか、どうか大切にして

明日 会えたらいいな

大人になってから
大事なものこそ捨てられなくなって

痛いのに 手放せば楽なのに
大切すぎて捨てられない
散って視界から消えるのが怖いのか

いつだってわたしは、さよならがヘタクソだ

ラストチャンスさえ
わたしは、鈍感で

もう気付いた時には
想うことさえ許されない
そんな昔のわたしに戻ってて

手に入らないとは、分かっていても
よく分からない独占欲が支配して

一度味わった幸福感からは
逃げれないということなのね

欲しい時は
手が触れられない距離にいるのに
欲しがられる時は
当たり前かのように突き放すものはなーんだ?

そしてそれは違うと気付いた時に
また触れたいと思っても
もう届かない位置にいるものはなーんだ?