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アニメ「ぼっち・ざ・ろっく」が辿り着いたもの(備忘録)

最終回のライブシーンで、ジミ・ヘンドリックス、私が今まで見たロック漫画(TO-Yの「あばよ、GASP」のダイブシーン!!)、ロックビデオ(オフコース1987武道館ライブDVD)、そして馬場康夫さんのホイチョイ映画が即座に頭に浮かんできました。ギタートラブルをインプロヴィゼーションで乗り越えた瞬間、天を仰ぐひとりちゃんを、望遠レンズで山田リョウのさらに奥からとらえたショット。1話から広角レンズを多用してきた「ぼっち・ざ・ろっく」で、溜めに溜めて、エース・イン・ザ・ホールとしての望遠レンズが見事に決まった。と思いました。同時に「映画は音楽が6割だ」という、馬場康夫さんの言葉も改めて同意しました。ひとりパパが言ってた「ライブ中に壊すなんて興奮しちゃうなあ」「破壊専用ギター」のバックは完璧ジミ・ヘンドリックスでした。良い思想を持つアニメ作りに良い音楽が入ったら、鬼に金棒です。ソニーCD900STヘッドホンで聞くと感動倍増です。録音を担当したタバックさん、ありがとうございました。音楽の録音で使われたモニターヘッドホンはやはりCD900STなのでしょうか。
私が今まで「ハマった」と言える音楽、アニメ、実写映画は実に限られていますが、それがまるでパズルのピースのように合わさって、花開いた。手前勝手な感想ですが、自分の趣味に本当にぴったりなアニメが2022年に登場するとは思わなかった。そのアニメをたった二つの会社、アニプレックスと芳文社さんがリスクを背負って作ったのも素晴らしい賭けだと思います。

今、オフコース1987武道館ライブDVDと、ぼっち・ざ・ろっくのライブシーンを繰り返し比較して見ています。カメラワークがどちらも素晴らしい動画なので。

最後に、このアニメは大塚康生さんに見てもらいたかった。大塚さんが繰り返し言ってた「シンプルな少ない線でいいから、キャラクターを動かす喜び」を、ぼっち・ざ・ろっくは見事に見せてくれた。きららアニメなのに、あえて線を抑えて、動かしやすいキャラクターデザインにしたと、どこかで聞きました。その着眼点が勝因だと思います。アラン・ケイが言うように、着眼点がIQ80に相当するのです。

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