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土建屋狂騒曲#3 ICTってなにそれ美味しいの?2【空中写真測量とUAV】

 さて前回はドローン(空中写真測量用)のところまできて力尽きた。
 ICT施工に関しては測量のウエイトが大きい。というより測量技術に集約される。 ここではUAVによる「空中写真測量」とそのドローンの選定について書いていこうと思う。以下ドローンを「UAV」と呼称

 空中写真測量ってなんやねんそれ美味しいの?な人は以下を参照

(国交省HP 空中写真測量(無人航空機)を用いた 出来形管理要領(土工編)より )
 国土地理院はあくまで公共測量を基準とした厳格なマニュアルである反面、国交省の出来形管理要領は幾分緩いのが面白い。

〇空中写真測量とはなんぞや
・UAVによる空中写真測量ははっきり言って枯れた技術
・地面に実座標を紐付けした標定点・検証点を設置
・上空からデジカメを使いオーバーラップ・サイドラップさせた写真をSfM法で解析
・3次元点群データ完成

以上のような技術である。(ザックリーwww)

 上記図はオーバーラップ、サイドラップのイメージである。各基準が明記されているので注意が必要である。解析ソフトは有名どころだとmetashapeか。枯れた技術である分、ツールは豊富であり、比較的安価である。

 詳しく書き始めるとアホみたいな文字数になるので、以下は本測量法の実際実施して感じたメリット・デメリットである。比較対象はTLS

〇メリット
・安価
・容易 飛ばすだけ
・死角が少ない
・色彩豊か、見た目よし
・ツールを選択する幅が広い
・ネット上で情報盛りだくさん
〇デメリット
・日照条件、地盤条件、地形により精度が安定しない。
・広大な施工範囲になると評定点等の設置が大変
・勾配のきついのり面や擁壁の測量は苦手(というかそういった箇所はTLSを併用)
・植生× 丸禿にしよう
・飛行を制限される地域だとそもそも原則使用不可
・拭えない墜落のリスク

 以上である。機体やソフトにより大して金がかからない選択肢もあるので、是非検討してみてほしい。ただしPCは高スペックなものを準備すること。ちなみに精度基準は起工→100mm 出来形→50mm 以内である。

〇UAVってなんぞや
 いよいよ本題のUAV(ドローン)である。
 UAVも様々なメーカがあるが、ここでは中華製のDji https://www.dji.com/jp を基準として記載していこう。
 そもそも国産高いねん・・・ Djiといっても高額なセンサー類やカメラレンズは大体日本製かアメリカ製(FLIR等)である。

 ドローンの選定は羽の枚数で区別する。クアッド(4枚)、ヘキサ(6枚)、オクト(8枚)で、枚数が多いほど大きく、沢山積めて、沢山飛べる。値段も倍ばいんである(古)
 結論をいうと空中写真測量に供するドローンはクアッドコプターの中型機で十分である。産業用としてはヘキサが目立つし欲しいが、はっきり言って巨大でめんどくさいし手に余る。

 写真はDjiのインスパイア2である。入門用としては最適ではないだろうか。これより小型だと不意の突風での過度なふらつきや飛行時間、カメラの性能が十分でない可能性が出てくる。機体・カメラ・ジンバル・補器類で250万程度で、まさに入門機といえよう。大体25分飛ぶ。25分では追い付かない現場もあるため、替えのバッテリーは準備しておこう。4セットあれば十分足りるだろう。うちにはさらに2機UAVがあるが、これよりも小型のものである。


 ICTの花形といえるUAVであるが、様々な機体・測量方法が提案されている。いきなりLS積んだUAVを買うのもいいが、結局飛ばすのは人間である。安全確認を行うのも、責任を負うのも、裁かれるのも人間である。
 重量物を飛行させる、という行為は本来危険であるということを念頭に機種選定をすべきかと思う。そもそも安いといっても数百万はする。TSに羽を生やさせて飛ばしているようなものである。この危機感を実際に操作する社員に教育し、関係講習参加や知識の涵養もさせなければならない。


 そういえば近くの零細土建屋がこの間、うちの真似をして同じ機種構成のドローンを購入して頑張っている が、慣れない機体をワンオペでかつ、本来飛行制限がかかる高圧電線下・上を飛行させていた。非常に危険で無知な飛行のさせ方である。
 ハードは金を出せば揃うが、人間はいきなり何でも出来るようになったりはしない。段階的向上という言葉を知らないようである。
 ノウハウ・意識の向上は猿真似では出来ない。南無~


 さて次は施工機械について書こうと思うが、機械はなんでもいいんじゃね?状態


南無~

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