ある人のベジタリアンに関する話を聞いて「なるほどな」と思ったこと。

　その人によると、動物の胃腸というものは、そもそも肉を消化、吸収するのに向いていないのだそうだ。
　その例としてライオンを挙げていた。肉を主食とする百獣の王ライオンは、なんと一日20時間も寝てるんだとか。それは大量の肉を消化するのにエネルギーを使う為で、一日の大半を寝て過ごさないと狩りに使うエネルギーを確保できないそうだ。ある意味本末転倒とも言える。いや、実働４時間で後は寝て過ごせるのなら、むしろ本望だろうか……。
　一方、ライオン達に狩られる立場である草食動物達は、当然そんなに寝てばかりではいられない。シマウマに関して調べてみると、一日たった２時間程度しか睡眠をとらないという事実が分かった。草だけ食べて一日２時間しか寝られず、常に天敵に命を狙われ続け長距離を移動する……そんなシマウマは、スタミナがあると間違いなくいえるでしょう。きっとメンタルも強い。多分。
　そうなると『肉を食べないとスタミナがつかない』という考えはむしろ逆だといえる。草を食べるシマウマは動き回り、肉を食べるライオンは寝てばかり。

『肉を食べないとパワーが出ない』なんて事もよく言われるが、それに関しても疑問を呈していた。
『じゃあゴリラはパワー無いんですか？』
　ゴリラの生態は不明な点が多いとされているが、少なくとも飼育下にあるゴリラは肉を食べない。にも関わらず、そのパンチといえば、頑丈な展示場のガラスにヒビを入れるくらいに途方も無いパワーを持っている。確かに、そう考えると『肉を食べないとパワーが出ない』という考えも正しくないと感じる。

　まとめると、実は動物にとって肉食は『消化にエネルギーを持っていかれる効率の悪い食べ物』であり、日常生活をもっとエネルギッシュに過ごしたいのであれば、極力肉食を避けた方が良いという話になる。

　では、『肉食は悪』なのか。となるとそれもまた違って、確かに草食動物はスタミナがあるが、咄嗟の瞬発力の面では肉食動物の方が上回っている事が多い。そうでなければ肉食動物の狩りは成功せず、彼らはとっくに滅んでいるはずだからだ。
　スタミナがつくのは草食、瞬発力が出るのは肉食。大切なのは、この２つの特性を理解し、その人の発揮したいパフォーマンスに合わせて食事のバランスを考える事だ。

　私はあまり考えずになんでも食べます。面倒臭いから。