見出し画像

私が「わざと」書かなかった項目

私のポートフォリオに「あるもの」がないと気づいた人はいるだろうか。
まあポートフォリオに載せたい情報は人それぞれなので
もちろん人によって違うものだと思うが
この「あるもの」についてはわざと載せないようにした。

希望文字単価である。

これまで、採用担当としてポートフォリオを見てきた中で
希望文字単価が載ったポートフォリオはたくさん見てきた。

正直、採用担当の立場からすればどちらかというとありがたいものだ。
「お仕事お願いしたいです。文字単価はこれくらいで…」
「〇円以上は受けていないのですみません。」
みたいな無駄なやりとりをしなくて済む。

だから「元採用担当の自分が欲しかったポートフォリオ」とタイトルにつけた記事では、何となく書くことがためらわれた。
希望文字単価の記載をしていないのは採用担当のためではなく
単純にライターとしての私側の「わがまま」だから。

でも、希望文字単価は、ライターのチャンスを奪うものだ。

そう考えている。採用目線でだ。
例えば、文字単価が希望の0.1円でも低いあなたの希望ジャンルのお仕事があったととき、その採用担当が希望単価の記載を見てスカウトを諦める可能性がおおいにある。
採用担当には時間がない。ポートフォリオで確実な実力がはかれない以上「単価交渉しなければいけない」人よりは多少能力が劣っても「確実に引き受けてくれそうな人」を選ぶ。
少なくとも私はそうだったし、そういう人は多いと思う。

そもそも、希望文字単価ってそんなに単純に決められるものだろうか?

私の場合、やりたい仕事なら多少安くてもやりたいし
自分の苦手なジャンルの仕事なら高くてもあんまりやりたくない。

それに1時間で1記事(2000字くらい)文字単価2円の仕事と
同じ文字数でも一週間みっちりかかる文字単価10円の仕事なら
前者の方が随分割がいい。

さらに、記名かどうかとか、掲載先のネームバリューとか
納期感とか、編集からのFBとか、仕事の「報酬」にはいろんな要素がある。
その中の1要素に過ぎない文字単価は
引き受けるか左右するほどのものじゃないんじゃないだろうか。

逆に、希望文字単価を書くメリットは「安い仕事の連絡がこなくなる」という点だが、そんなもの来たって無視すればいいのだし、そもそも度を超えて安い仕事を頼むような輩はご丁寧にポートフォリオの隅々までは読んでくれない。

じゃあ希望文字単価じゃなくて
「普段これくらいで仕事してますよ」を書くのは大丈夫なのか?

大丈夫かどうかでいうと大丈夫だ。
でも書くなら「こういう系なら安くても受けたい」とか
「こういうのはあんまり受けたくない」とかそういうとこまで書かないと
希望文字単価と同じようにとられてしまう。
そんなことまで書いてたらごちゃごちゃしてしまうので
私は単価に関することはまるっと書かないことにした。

それに、自分が想像しうる「ジャンル」は意外と狭くて
引き受けたいジャンルも、話を聞かなきゃわかんないことも多い。
だから広く構えて、断るラインを自分で決めておく。

私の場合、成長できなそうな仕事はしない。
ときめかない仕事はしない。そんな感じだ。ざっくりでいい。

なお余談だが、断るときに文字単価を引き合いに出すのはいいと思う。
「リソースが~」とか「苦手分野で~」とかより話が速いし
「やりたくないのでやりません」よりは相手を傷つけない。

以上採用担当目線ではあるけど採用担当のためではあまりない
ライターのためのポートフォリオこぼれ話でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?