はじめてのインハウス体験記~で、あなたは社内で何をするひとですか~

これは法務系 Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/8576)8日目の記事となります。世古修平先生からバトンを受取ってしまいました、恐縮です(いつも勉強させていただいてます)。

 気付くと2020年のLegal Advent Calender記事以来のnote更新です。前回は「電子署名について」というクソニッチな記事を書いていましたが、今回はもうちょっと普通なやつです。
 筆者(弁護士資格持ち。企業法務系法律事務所での業務をだいたい4年くらい経験)がだいたい2年くらい会社の中で働いてみたので、その感想をつらつら書いていこうと思います。問題意識は「外部法律事務所に相談ができる環境で自分が社内にいることの意味はどういうところにあるのか」とか、まあそんな感じです。
 以下の内容は、書いてみると、すごく当たり前のことを書いている気がして、真新しいことは何もないと思うのですが、折角の機会なので言語化してみた次第です。舌足らずなところもたくさんありますが温かい目で見てやってください。
 なお前提情報として、弊社の業種は金融関係です、とだけ。


雑草という名の草はない

 前提として、自分は自分を「弁護士資格を持って、企業の法務・コンプライアンス部署で他の社員と同じ仕事をしているひと」と定義しています。「インハウスロイヤー」は「企業内弁護士」と訳されるとおり「(法律事務所でなく)企業に所属する弁護士」という意味っぽいんですが、「どんな役割が期待されるのか」は企業によって異なるように思います。後で述べますが、自分の場合、弊社の中で外部弁護士への相談リソースが豊富なこともあって、いわゆる「外部弁護士の内製化」的なことは期待されていないと理解しています。
 なんでこんな留保を付しているのかといえば、一口に「インハウスロイヤー」といっても、会社の規模や業種によって、弁護士資格を持つ社員が会社から期待される役割はおのずから異なり得るわけで、十把一絡げに論じるには適さない、と考えているからです。
 雑草という名の草がないように、インハウスロイヤーという名の職業はない。
 ですから、以下に述べることはあくまで筆者の乏しい体験に基づく要領を得ない感想文であるということをご了解いただけると幸いです。

「え、じゃああなたには何を相談できるんですか」

 仕事中、私が実際に言われたセリフです。なんでこんなこと言われるんでしょうね。
 まず大前提として、弊社、たいへん恵まれていることに外部法律事務所への相談リソースがとても豊富です。なので、事業部門の照会事項についても「それは〇〇事務所に確認してもらえますか」と外に振ってしまうことはそれなりによくあります(ドメスティックのみならずクロスボーダー案件が多いのでそもそも日本法の話ではない、という背景も勿論ありますが)。
 一方で、よその部署からすると、「ひつじ太郎さんって弁護士なんですよね、ひつじ太郎さん対応してくださいよ」という気持ちを抱くのも、それはそれで無理からぬところがあります。「お前が答えないなら、お前はいったい何のためにこの会社にいるんだ」ということで(そこまで言われたわけではないですが)。
 まあしかし外部法律事務所になんでもかんでも聞けるということになると、あえて弁護士資格を持った人間を社内に置く意味ってなんなんでしょうね? きっと世の中で散々語り尽くされたテーマなんだろうと思います。自分はその問いに答えを持っていませんが(誰か教えてください)、自分なりに自分の存在意義を考えてみると、大きく2つの価値が思いつきます。

①そもそも外部法律事務所に相談すべきポイントであると気付く、発見することができるかどうか
②外部法律事務所に相談をする際、正しく問題意識を伝え、こちらの求めている水準・方向性の回答を適時に引き出せるような聞き方ができるかどうか

問いを立てる力と、問いを問う力

 ①も②も「何を当たり前のことを」とお𠮟りを受けそうなのですが、この二つを欠いていると、どれだけ潤沢に外部への相談リソースを持っていても宝の持ち腐れになります。で、自分は割とこの①と②でそれなりにお役に立てている気はしています。
 なお言うまでもないですが、これらは別に弁護士資格が無くてもできることではあります。ただ、あえて言えば、法律事務所での実務経験が役に立っている面は大いにあるんじゃないかと思います。「資格」そのものというより、「法律事務所での実務経験」あるいは「司法試験をパスする程度の能力・素養」の方にだってちゃんと価値があるよ、ということは伝えていきたい。

 上記①に関しては、個人的には、いわゆる取引法務(ディール、トランザクションもの)だけでなくコンプライアンス業務の方でも価値を発揮しているような気がしています。ややこしい法令(金商法とか個情法とか)を紐解き、自社の事業における適用関係、留意点を適切に把握し、その内容を非専門家も含めて腹落ちできるよう説明していく、というのは、言葉にすると容易そうに見えるのですがいざ社内でやってみると結構難しいです。しかし、社内でこれを仕切れないと必要な対応が漏れて事故が起きます。その意味で、コンプライアンス業務においては特に専門家を社内に置くことにのニーズが高いと感じています(弊社は金融系で規制業種なので猶更そう感じるのかもしれません)。

 ②に関しては、なんとなく思うこととして、「聞いたことに答えられるだけ」の力だと、その価値ってたぶん今後AIが発達していくと逓減していく気がしています。そのため、今後はむしろ「問題を適切に問う能力」も問われるようになるんじゃないかな、と。この点に関して、「法律事務所にいて相談を受ける側に立ったことがある」というのは、依頼する側になってみても役に立っていると感じています。「相談を受ける側からするとこういう情報が欲しいよな」というのがイメージできるので、依頼の際にもその観点でいろいろ情報を集めたりメールを書いたりできる……と少なくとも自分ではそう思っています。
 個人的には、外部法律事務所の中でゴリゴリ働くのもいいんですが、「発注する側」を経験するのも有意義だと思っています。お世話になっております、金曜夕方のご依頼で申し訳ないんですがこちらの件お願いします。月曜朝までで大丈夫です! ……冗談はさておいて、やっぱり、「問いを立てて、問いに対する道筋をつけて、それを会社としての判断や意思決定に落とし込んでいく」一連のプロセスはやっぱり外部にいると味わいにくいので、そこはインハウスならではの面白さということになるんではないかと思います。

 要するに、なるべく自分で調べて回答できることは自分でやりたいのですが、現実的にリソースが足りなくて手が回らないこともよくあるので、「自分で全部対応することが自分の存在意義ではないよね」と自己正当化を図っているわけです。

ビジネスとの距離が近い……ホントに?

 インハウスロイヤーになる理由付けとしてよく、外部法律事務所よりもビジネスとの距離が近いから、という趣旨のことをよく聞きますし、自分もかつては似たようなことを言っていた気がしますが、いざ中に入ってみると意外と近いようで遠いです(もちろん企業によるし人によりますが)。
 部署と部署の間の壁って意外とあるんですね(でもこれは弊社特有かもしれません)。
 あくまで今の会社にいる限りの置いての個人的体感に過ぎませんが、法律事務所にいても企業内の法務部にいても、構造的に「他の人がやっているビジネスに助言する立場」であることは変わりが無くて、事業部門との距離などというものは程度問題にすぎない(外部法律事務所よりは情報を得やすい立場にはあるけども)のではないかという気がしています。
 これは何が良い/悪いということではなくて、企業における事業部門と法務部門の役割分担という組織設計の問題である、というのが現時点での自分なりの捉え方です。もっといえば、組織として法務部門にどのようなレゾンデートルを付与するのかという根本的な問題かもしれません。個人的に思うのは、ビジネスにより密着した法務も、少し距離を置いて社内全体で横串を通して鳥瞰できる法務も、どっちも必要なんじゃないかなあという気はしていますが、それを踏まえてどれくらいの人員をどう法務部門に割くかはひとえに組織としての意思決定ですし、会社の規模でも全然違うでしょうから、なかなか「これが正解」とは言いにくいですね。

とはいえ社内にいる方が

 「ビジネスとの距離が意外と近いようで遠い」などと書いてしまいましたが、とはいえ外部法律事務所にいるよりは近いのは間違いないです。
 「法律事務所で働くことと、企業の中で働くことに、どれくらい違いがあるのか」という点について、「意外と似ている部分がある」という趣旨のお話を書きましたが、一方で決定的に違っている部分もあると思っています。やはり「外からアドバイスする」のと「中でアドバイスする」ことは大きく違う、と思っています。うまく言語化できていませんが、おそらく「社内の一部署としてなんらかの判断をする必要がある」場面にコミットするかしないかは大きく違うと思います。法務・コンプライアンス部門は当然ビジネスジャッジをする部署ではありませんが、当然ながら社内の一機能を担う部署としてなんらかの「判断」は必要です。法務・コンプライアンス部門としての「判断」ですね。
 外部法律事務所は助言をたくさんしてくれますが、どこまで行っても「外部」の人たちなので「判断」はしてくれません。「データベースは結論を出せない」という言葉もありますけれど、外部法律事務所に結論を出してもらうことはできない、それは自分たちで「判断」をしなければならないというのは改めて実感したところです。
 たとえば、外部法律事務所から得られた回答を1から10まで全部採用するのか、それとも自社の固有事情に応じて取捨選択ないしはアジャストをするのか(法的にその余地はあるのかの見極めも含む)、事業部門にはどの程度の粒度で説明をするか、かみ砕いて説明するとしたらどういう仕立て方にするか……様々な検討と「判断」がそこには介在することになります。
 「ここの解釈って当局のガイドラインを読む限りAっぽいですけど、実務的に妥当なラインを考えるとBの方向性で行くこともありえるでしょうか」みたいなことを聞いて、外部法律事務所から「本来的にはAなので保守的に行くならAにすべき、ただしBという整理もありえなくはない」と言われたときに「AではなくBでいきましょう」というのも一つの「判断」ですし、それを検討したり外部の弁護士といろいろ議論したりするのも結構楽しいです、個人的に。 
 あと、もう一つ思うのは、弁護士というのは個別の法的問題に対する回答を与えることについてはスペシャリストですが、0から作り上げていくような仕事、たとえば「会社で新しいことを始める際に、何が論点かを洗い出し、こちらの漠然とした問題意識に対して具体的な道筋をつける手助けをしてほしい」というお願い(むしろコンサル的な働き方?)をすると、アウトプットに結構有意な差が出るように思います。ぶっちゃけて言えば、弁護士でも皆が皆そこまで得意なことではないんだな、という実感があります(ただし、「それはこちらのインプットの仕方が悪いからだ」という要因もありうることは肝に銘じなければなりません)。
 逆にいうと、社内で論点の洗い出しや整理を仕切ったうえで、必要なピースを埋める作業を特定したうえで外部法律事務所に委託する、みたいなことができればそれはそれで社内にいる人間としての価値に繋がるんじゃないかとも思います。

サラサラな血液になろう

 法律事務所で働くことと、企業の中で働くことを比べたときに、似ているなーと思う部分もあります。
 たとえば、アソシエイトもヒラ社員も、仕事のフローが「依頼を受けて、(必要に応じ)外に発注して、上司の決裁をもらって、回答する」なのは同じだなあ、と感じました。
 自分は前の事務所ではクロスボーダー案件をやっていたのでよく海外の現地法律事務所に仕事を発注していましたが、企業の中にいて外部法律事務所に仕事を依頼する際も、やることは基本同じです(そういう意味では、前職でlocal firmに仕事を依頼しまくった経験は、外部法律事務所への発注の仕方やクオリティコントロールを学ぶのに役立ったかもしれません)。

ざっくりした仕事のフロー図。法律事務所でも企業内でも意外とやることは似ている。

 こういう仕事のフローの中で、個人的に一番重要なのは「滞らない・滞らせない」だと思っています。自分は所詮ヒラ社員ですから、「クライアントから聞いた内容」「外部法律事務所から聞いた内容」をきちんと整理したうえで、上司にスッと決裁をもらえるかどうか、を常に意識しています。これがちゃんとできると仕事が滞りなく流れます。
 仕事が滞りなく流れるというのは重要です。「俺たちは血液だ、滞りなく流れろ、酸素を回せ、"脳"が正常に働くために」ってやつです。上長の下に複数の担当者がいるという構造である場合、当然、上長のところにはそれぞれ担当者からたくさん案件が上がってくるわけで、それゆえに上長は多忙を極めています(中間管理職の疲弊という大きな問題につながっている気もします)。したがって、ひとりひとりの担当者の案件で"滞り"が起きる=すなわち上長の時間を余分に取ってしまうと、その間他の担当者の案件処理が止まります上司の脳と体は1つしかないがゆえに)。
 そうならないように、一ヒラ社員としては「必要な情報は集めてきちんと整理する」「必要な資料は過去のメールも含めて添付して流れと全体像が1通のメールでもわかるようにする」「上長が気にしそうなポイントはあらかじめコメントをつけて『カバーしてますよ』と見せておく」といったようなことは必然的に意識せざるを得なくなると思います。サラサラな血液にになりましょう。
 これは法律事務所だろうが企業だろうが同じようなことなんだろうと思っています(というか別に法務とも関係ないですね。仕事の取り回し方みたいな一般論になってしまった……)。

人望が欲しい

 突然ですが皆さんは人望が欲しいですか? 私は欲しいです。いつだって、退職日にどれだけ沢山の人から別れを惜しんでもらえるか考えることに余念がありません
 そういう観点で(どういう観点だ)、自分が心掛けていることは「とにかく相談しやすい人になろう」です。いやこれも当たり前なんですけど。でも、弁護士資格持ってると「こんなこと弁護士さんに聞いていいのかどうか……」みたいなことは結構よく言われます。もちろん中には本当にえらく些細なこともありますが、それでも自分は可能な限り「何でも聞いてください」のスタンスでなるべくニコニコするようにしています。人望が欲しいからです。いえ、半分冗談ですが、サラサラな血液になりたいので、私に質問をしようと考える人が「こんなこと聞いていいのかな」と躊躇う時間はムダです、動脈硬化の原因です。なので、「あの人聞くと親切に教えてもらえるな」と思ってもらえるよう愛想よくしています。
 その結果「外部法律事務所に聞くほどではないんだけどちょっと聞きたいこと」という細々としたニーズを喜んで拾いに行くことになりますし、まああまりにも箸にも棒にも掛からぬ質問が増えると疲弊しきってしまいますが、今のところそういうことはあまりないのでなんとかやれています。時には思わぬ形で勉強になることもあります。
 ただ、これはあくまで一個の理想論でして、現実には「なんでコマーシャルな話をこんなことこっちに聞いてくるんだ」とか「もうちょっと自分の部署の中で上長とか先輩とか聞ける人に聞いてくれ」ということがあるのも事実ですので、「なんでもかんでも聞いてください」だけではためにならないのもまた事実……。むずかしい。

足腰は鈍っていないか?

 法律事務所にいた頃と比べると、文献を調べてじっくり時間をかけて検討する、ということが減りました
 理由はもちろん明白で、外部法律事務所に気軽に聞けてしまうからですね。
 さっき「問いに答えるだけの力なんてAIが発達したら価値が減るよね(ヘラヘラ)」みたいな安直極まりないことを書きましたけど、誤解のないようにしておくと、仮にそうだとしても「自分で調べずになんでもかんでも外に聞けばいい」と考えているわけでは断じてないです。
 自分自身で明白に「これはバリューがない」と考える仕事の一つが、「メッセージを右から左へ受け流す"配達人"になってしまうこと」なのですが、自分で考えるアタマを常に持っていないとこの状態に陥るリスクが高まります(「外部法律事務所がこう言ってます」というだけのひとに存在意義はあるのか、という話です)。
 したがって、適切に質問する能力に加えて、返ってきた回答を吟味する(+必要に応じ追加質問をする)能力もまた重要なわけですが、これらの能力は自分で考えないと衰えるものではないかと思います。こういう問題を自分は「弁護士としての足腰が鈍る」と表現をしています。
 自分の現状は「ポイントを洗い出して、細部の検討やリサーチは外注」という形になることが多いのですが、油断すると本当に足腰が鈍る気がして怖いです。意外とインハウスから法律事務所に戻る方も散見されるのですが、もしかすると、その背景にはこの問題も含まれているのかもしれません。「弁護士としての専門性が損なわれるんじゃないか」みたいな話ですかね。
 これについてはもう割り切りの世界ですが、自分は「社内で物事をうまく整理して説明していく」ことだって立派な能力だと思っているので、「外部リソースはどんどん活用する、ただし内容の目利きをする能力だけは失わないように」というのが自分なりの落としどころです。そうすると今後のキャリアは引き続きインハウスの方がいいのか、とかも悩ましいところです。

「最終的にはご判断ですが……」?

 「企業における事業部門と法務部門の役割分担」に言及しましたが、組織内の立ち回りや役割分担もすごく意識しています。これは企業ごとに「法務部門の役割として何を期待するか」「フロントと法務の役割分担」が違うでしょうから、やはりざっくり一括りにすべきでない論点だと思っています。
 弊社の場合、いわゆるディール/トランザクションにおける法務の役割は比較的限定的で、基本的にはフロントの事業部門がメインで進めることとし、法務はバックサポートに徹していることが多いです(ケースバイケースですが、事業部門と法律事務所とでほぼやり取りが完結することもしばしば)。外部法律事務所への相談リソースを豊富にしている分、個別案件に対する社内法務部門の関与度合いを限定的にしている側面はあるのかな、と。
 そういう位置づけですので、事業部門にオーナーシップをもってやってもらう必要があるのと同時に、事業部門から「あれは法務がやれっていいました」と後で責任転嫁されることは避けないといけない、という要請が働きます。別に責任逃れをしたいわけではないのですが、組織なので、線引きは重要です。なので、上で述べた「適切に問題を発見して適切に問う能力」との関係でいえば、論点の整理などはがっつりサポートをしますけれども、あんまり身を乗り出し過ぎると「法務の言いなり(フロントが自分で考えない)」状態になってしまう懸念があるので、そこは気を付けるようにしています。その結果、最終的には「あとはビジネスジャッジですが……」とか「ご判断ですが……」という温度感の回答になるとしても、それは会社組織の中における機能分担の問題なのである程度はもうしょうがない、という割り切り方をしています。

サラリーマンになろう

 これも「インハウスロイヤーに期待される役割」の話と重なりますが、サラリーマンとして雇われている以上はサラリーマンの仕事をしないといけないと肝に銘じています(ここでは比喩的に「サラリーマン」ということばを使っています)。「それは私の仕事じゃないです」はあまり良くなくって、その辺りは可能な限り入社前に目線合わせをすることが望ましい、というのが自分の教訓です(もちろん、入ってから人が変わったりなんだりでそこの目線がズレてしまうことは往々にしてあるでしょうから、一概にはいえませんけどね)。
 自分は冒頭述べたとおり、自分のことを「弁護士資格を持って、企業の法務・コンプライアンス部署で他の社員と同じ仕事をしているひと」と定義していますから、それが自分の置かれたポジションの職務範囲である限りは仕事としてやります。

ワークライフバランスの話

 皆大好きワークライフバランス。個人の体感としても、会社員をやっている方が法律事務所にいた時よりワークライフバランスはとりやすくなったと思います。
 なぜか?
 ひとつ大きいのは「終業時間の概念があるから」です。
 会社員は多くの場合始業時間と終業時間によって労働時間を区切られることになります。そして、終業時間があるということは、終業時間のあとは仕事をしなくてもよいということを意味しています(実情はともかく、本来的にはそうあるべきものです)。夜はのんびりしたい自分にとってはこれは大きかったです。法律事務所にいて、いつまでも終わりなく仕事しないといけないのがちょっとしんどかったので(為念補足すると、これは「労働時間の長さ」とは厳密には別の問題であると思っています)。勿論、これは「労働時間の柔軟さ」とはトレードオフになりますので、どっちがいいかは人それぞれ。家庭の事情でも異なり得るでしょう。平日昼間にちょっと抜けて用事を済ます、というのが気軽にできたという点では法律事務所にいた頃のほうが融通が利いたな、とは思います。
 また労働時間の長さも重要なファクターで、これは労働基準法に守られているのでグッと短くなったと思います。それが自分のキャリアにとっていいのか悪いのかは、これも自分で判断するしかないと思います。長時間労働を賛美するわけでは断じてないですが、経験を積むためには一定の時間や労力が必要となるのも事実なので、そこはもう自分の人生のこととして取捨選択、意思決定していくほかなさそうです。私は体力がないので極力労働時間は短くしたいほうです。体力が余ってるくらいの方が勉強をしたり前向きな業務改善に取り組んだりするのでやっぱり余力ある働き方の方が自分にとっても組織にとってもプラスなんでは?と思わなくもないです。

おわりに

 益体のない話をだらだら書き連ねてしまいました。書いてある内容はどれも当たり前で平凡なことばかりだったと思います。また、一ヒラ社員を想定しているので、レイヤーがもうちょっと上になって管理職とかになるとまた全然違う世界・全然違う考え方が出てくるんじゃないかなと思います。
 とはいえ、基本的に、一撃必殺、会心の当たりみたいなものはあまりなくて、凡事徹底、基本的なことをちまちま積み上げていくしかないのかなー、という気持ちですので、これからものんびりやっていきます。

明日は経文緯武@keibunibuさんです。





 
 


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