なぜプロ野球選手は代理人を着けないのか2

 ファイターズの秋吉、大田、西川がノンテンダーFAになったのはみなさんご存じでしょう。その際稲葉GMはこうコメントしたそうです。

 昨年も、「ノンテンダーの村田透投手と再契約した例があるように、ファイターズとの再契約の可能性を閉ざすものではありません」

 しかし、秋吉が独立リーグのチームと契約したことを思うと、ファイターズからの再契約のオファーはなかったと察することができます。

 もしノンテンダーFAの通告を受けた三選手が代理人を着けていたら、「FAにするのはわかった、ところでファイターズの再オファーは?もし再オファーがないなら、戦力外通告と変わらない」と代理人が反論したでしょう。だから、プロ野球選手は代理人を着けた方がいいと思うのです。

 三選手は「自分たちは会社員ではなく、個人事業主なのでまともにビジネスの話ができるように代理人を着けないといけない」というプロ意識が欠けていたと言われてもおかしくありません

 選手会の意見書にこうあります。

「現在は代理人利用が少しずつ認められるようになっているものの、代理人交渉を行った選手をトレードで放出したり」といった点も主張した。

 これが真実ならファイターズは酷いチームで、「ちゃんとしたビジネスができないチームには入りたくない」と今どき珍しいドラフト指名拒否が出そうなものですが、選手全員が代理人を着けたら、選手全員を放出するのは不可能なので、代理人を着けたら放出するという恐怖政治はできないでしょう。

 現状として、代理人は弁護士資格を持つものに限られるという規則があるので、選手は代理人を着けづらいと中島大輔「プロ野球FA宣言の闇」にありますが、MLBのように「選手会が認めたら代理人になれる」ようにした方がいいでしょうね。そうしないと、「野球を仕事としてする以上、ちゃんとした交渉ができないNPBではやりたくない」とMLBに行く選手が増えるばかりだと思うんですよね。これはNPBにとっては不幸なことでしょう。

 「代理人を着けていないから、いくらでも丸め込むことができる」とフロントに舐められないようにするためにも、選手は代理人を着けた方がいいと思います。

 

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