Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

2018 Winter & Christmas Selection(12月1日~12月25日

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする
「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が
それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る
「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」

詳しい放送内容はこちら
D-03 usen for Cafe Apres-midi
http://music.usen.com/channel/d03/



橋本徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー) Toru Hashimoto

12月ならではの心温まるロマンティックな気分や華やいだ街並みをイメージしながら、今回もメロウ&グルーヴィーで心地よい楽曲を中心に計34時間分を新たに選曲した。

金・土・日トワイライトタイムの特集は、いよいよ12/26にリリースされる僕の最新コンピ『Free Soul ~ 2010s Urban-Breeze』と連動して、その収録曲や収録候補だった曲を中心としたアーバン・ミュージック名作群に、クリスマス・ソングもブレンドした“2010s Urban-Mellow Winter & Christmas”。クリスマスにまつわる名曲は、選曲全体にもちりばめているが、その中で特に惹かれているのは、チェット・ベイカーを愛するロンドンの若きシンガー・ソングライターで、僕は10月の来日公演にも足を運んだBruno Majorが昨年末に発表した「I Think It Must Be Christmas」。次点はKhruangbinの限定7インチ・グリーン・カラー・ヴァイナル「Christmas Time Is Here」だろうか。最近ソフト・ロック色を強めている(!)タイラー・ザ・クリエイターの新作クリスマスEPも捨てがたい。

ニュー・コンピ『Free Soul ~ 2010s Urban-Breeze』には、カマシ・ワシントンやトム・ミッシュからミシェル・ンデゲオチェロやMndsgnやDamian Lemar Hudsonまで錚々たる顔ぶれが名を連ねているが、ブラジル勢3組のエントリーと並んで、Sunni Colon〜J. Lamotta Suzume〜Pip Millettといったメロウ・フィーリンなソウル・ミュージックの充実も特筆すべきだろう(極めつけはSamphaとカーティス・メイフィールドの架空デュエットに胸を打たれるEverything Is Recordedの名作「Close Not But Quite」を収めたことだが)。その中でもナイジェリアに生まれ今はイースト・ロンドンで暮らす、マッシヴ・アタックもいち早く惚れこんだUKブラックの新星Azekelは、このコラムでもEPが出るたびに大推薦してきた、まさしくブライテスト・ホープだ。今回のWinter & Christmas Selectionには、ネオ・ソウル×UKベース・ミュージックという感じの傑作ハイブリッド・ソウルが並ぶ(モーゼス・サムニーやフランク・オーシャンのファンにも薦めたい)待ちに待ったファースト・アルバム『Our Father』から、半数以上の曲をセレクトしているが、『Free Soul ~ 2010s Urban-Breeze』には、Joe-Armon Jonesも参加した「Don't Wake The Babies」とどちらも好きすぎて悩みまくった末、絶品メロウ・グルーヴ「Good Wine」をエントリーしている。

V.A.『Free Soul ~ 2010s Urban-Breeze』
Bruno Major「I Think It Must Be Christmas」
Azekel『Our Father』

Puma Blue『Blood Loss』
Ady Suleiman『Acoustic』
Phony Ppl『mō'zā-ik.』
Smino『Noir』
Joji『Ballads 1』
Georgia Anne Muldrow『Overload』
Neneh Cherry『Broken Politics』
Matt Deighton『Doubtless Dauntless』
David Crosby, Becca Stevens, Michelle Willis, Michael League『Here If You Listen』
I Am Robot And Proud『Lucky Static』
Sam Wilkes『Wilkes』
Makaya McCraven『Universal Beings』
Stefon Harris & Blackout『Sonic Creed』
Marcus Strickland's Twi-Life『People Of The Sun』
Eric Harland Voyager『13th Floor』
Omar Sosa & Yilian Canizares『Aguas』
Dos Mas Uno『Reflejos』

Dinner-time 土曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00
Brunch-time 月曜日10:00~12:00
Brunch-time 火曜日10:00~12:00
Brunch-time 水曜日10:00~12:00
Brunch-time 木曜日10:00~12:00
Twilight-time 月曜日16:00~18:00
Twilight-time 火曜日16:00~18:00
Twilight-time 水曜日16:00~18:00
Twilight-time 木曜日16:00~18:00
特集 金曜日16:00~18:00
特集 土曜日16:00~18:00
特集 日曜日16:00~18:00



本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) Yoshiaki Honda

華やかなクリスマス・ソングではないけれど、今年のクリスマス・シーズンの1曲は、スフィアン・スティーヴンスの新曲「Lonely Man Of Winter」。寂しげな曲で歌詞は調べても理解できないけれど、何となく言いたいことは伝わってくる。アコースティックなヴァージョンとソフトでドリーミーなエレクトロニックなヴァージョンがあって、どちらも気に入って聴いています。スフィアン・スティーヴンスは2種類のクリスマス・ボックス・アルバムが有名ですが、「Lonely Man Of Winter」もおすすめですよ。

Sufjan Stevens「Lonely Man Of Winter」

Lunch-time~Tea-time 木曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 金曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 土曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 日曜日12:00~16:00



中村智昭 Tomoaki Nakamura

デンマーク出身のギタリストであるヤコブ・ブロは昨今ECMからの一連の作品でさらなる注目を集めているが、本作はそれ以前の2013年にビル・フリゼールやリー・コニッツらを迎え『12月の歌』と題されてリリースされたアルバム。全体はいわゆるクリスマス然としたものではなく冬のために描かれた8編の詩世界のようであるが、それでも本セレクションの深夜に選んだ「Zygaena」は恋人たちにも優しい、心がほっこりと温まる楽曲だ。時計が深夜0時をまわり、イルミネイションの灯りが消え街が穏やかに寝静まる頃、ようやく僕たちの親密な時間が始まる。

Jakob Bro『December Song』

Dinner-time 月曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 火曜日0:00~2:00



添田和幸 Kazuyuki Soeta

今年もJohn LegendやPJ Mortonなど良質なクリスマス・アルバムが届けられましたが、リリースに驚いた大ヴェテランLes McCannの新作を選んでみました。御歳83歳になるそうですが、しゃがれた可愛らしい歌声で歌われる「Let It Snow」や「Baby It’s Cold Outside」などのスタンダード・ナンバーに心温まる一枚です。

Les McCann『A Time Les Christmas』

Dinner-time 火曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00



中上修作 Shusaku Nakagami

年々降雪量が減少しているという。特に温暖化が進む都市部で顕著ではあるものの、雪景色を臨む機会が減ってきているのは確かだろう。夏と冬を糊していた春と秋が徐々に短くなり「四季」の概念すら危ぶまれている昨今、突然の大雪はあるかもしれないが。この原稿を書いているのは11月初旬(つまり学祭シーズン)なのだが、四半世紀前の大学生だった頃は皆コートを羽織っていたし、路上の氷でスッテンコロリン、なんて光景をよく目にした。つまり冬を司る風景がそれだけ減っているのであって、時代の移ろいといえばそうなのだが何か物足りない。しかし我々は記憶を「美化」するという優れた装置を有している。通勤時に急ぎ脚を止めて眺めた都会の雪景色すら、忘れることのできない心象風景へと昇華させているのではないか。そんな映画のエンドロールのような雪の記憶にはクロード・ソーンヒル楽団の「Snowfall」がよく似合う。3分という短い時間の中に僕たちが憶えている冬の風景が全て詰め込まれており、冬を冬以上に演出してくれる、大事な一曲。

Claude Thornhill & His Orchestra feat. Dany Polo『Snowfall』

Dinner-time 水曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00



髙木慶太 Keita Takagi

クリスマス・アルバムではない作品の中にクリスマス・ソングを見つける楽しみというのが確実にある。ビル・エヴァンスなら『Trio 64』に「Santa Claus Is Coming To Town」が、ボブ・ドローなら『Devil May Care』に「Blue Xmas」がといった具合に。どちらも肩の力が抜けていて、なんとも素敵なのだ。クリスマス・シーズンに聴くボサノヴァも悪くないと思わせてくれる、マイケル・フランクスの「Christmas In Kyoto」もこのタイプ。「黄桜」なんてフレーズも飛び出して、さりげない遊び心がたまらない。深い時間には、Stina Nordenstamのオリジナル・クリスマス・ソング「Soon After Christmas」が無性に聴きたくなる。儚げなウィスパー・ヴォイスは、聖夜そのものの儚さにも似て感じ入ってしまう。今年はどんなクリスマス・ソングに出会えるだろうか。選曲家にとって、それが何よりのクリスマス・プレゼントなのだ。

Stina Nordenstam『Memories Of A Color』

Dinner-time 木曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00



FAT MASA

1995年冬、ひとつ歳上の片想いしていたレコード店の女性に、ロジャー・ニコルス作の楽曲を当時人気のR&Bシンガー、Akikoが歌い、12インチ・シングルでリリースされると薦められ、ふたつ返事で購入した。心の中では、僕の家(六畳一間の下宿 ※女人禁制)で一緒に聴きたい! と思いつつも言い出せず、後日、組んでいたオリジナル・ラヴのコピー・バンド(当方ドラム)のライヴに来てくれた彼女にドラムを褒められ、有頂天になってやっと自宅デートを取りつける。しかし、せっかく来てくれたのに怖じ気づき、告白もできずに終わり(泣)、ロジャニコ作Akiko、「Sweet Christmas」の久石譲の切ないストリングスが僕の心に響き慰めてもらった、思い入れのある一曲。本人のロジャニコのテイクは1995年と2012年とふたつありますが、今回は2012年テイク。未だにアナログ盤を手に入れてませんが、いつか必ず手に入れて、大切な人と一緒に聴きながら、昔の下宿の小さな恋の物語を思いつつ(笑)クリスマスを過ごしたいです。

Roger Nichols & The Small Circle Of Friends『My Heart Is Home』

Brunch-time 金曜日10:00~12:00



三谷昌平 Shohei Mitani

昨年リリースされたアルバム『A Song For Every Moon』の楽曲がこの「usen for Cafe Apres-midi」でもすでにレギュラー化しているロンドン拠点のシンガー・ソングライター、ブルーノ・メジャー。今年のWinter & Christmas Selectionでは彼が昨年末にシングルとしてリリースしたクリスマス・ソング「I Think It Must Be Christmas」をピックアップさせていただきました。美しいピアノに導かれる彼の優しいギターとエモーショナルなヴォーカルが聴き手を暖かく包み込んでくれる素晴らしい作品です。皆様、楽しいクリスマス・シーズンをお過ごしください!

Bruno Major「I Think It Must Be Christmas」

Dinner-time 金曜日18:00~22:00



渡辺裕介 Yusuke Watanabe

毎年恒例クリスマスな選曲。クリスマス選曲が終わった瞬間から1年間クリスマス選曲は始まります。CDやレコードを購入するときにタイトルにChristmasもしくはXmasの文字があると嬉しいのであります。今年は、お恥ずかしながら15年ずっとDJバッグに入れている大切なレコードRandolph Bakerの『Reaching For The Star』というフロリダ・ソウルLP。アプレミディ選曲にもよく収録するモダン・ソウルA面2曲目「Wanted To Leave」の素晴らしさばかりに気を取られ(一般的にはディスコ・ファンクなA面1曲目「Getting Next To You」ですが)B面2曲目に「Christmas Song」! 針を落としてびっくり。「なんて素晴らしいモダン・ソウル・クリスマス・ソングだぁ!」、半泣きになるぐらいせつないミディアム・テンポ。次回アプレミディ・クリスマスCD制作するならぜひ収録してほしい究極のソウルフル・クリスマス。
それでは皆さま素敵なクリスマスをお過ごしください。

Randolph Baker『Reaching For The Star』

Dinner-time 金曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00



富永珠梨 Juri Tominaga

「極上のミッドナイト・ファンク」と称される、テキサス州ヒューストン出身の3人組バンド、クルアンビン。60〜70年代のタイ音楽や東南アジアのポップ・ミュージックに影響を受けた、メロウでエキゾティックなサウンドが魅力のファンク・バンドが奏でる、心地よいグルーヴに包まれたクリスマス・ソングをご紹介いたします。
1965年にアメリカCBSでTV放映された『スヌーピーのメリークリスマス』のサウンドトラックとしてヴィンス・ガラルディ・トリオが制作した、今なお世界中で愛され続けているクリスマス・アルバム『A Charlie Brown Christmas』の中の一曲、「Chrismas Time Is Here」を、原曲の持つ愛らしさや、ピースフルな雰囲気を損うことなく、クルアンビンらしさをちりばめ、スウィート&ノスタルジックに仕上げた珠玉のカヴァー。
サウンドもさることながら、本家に全く引けを足らない、ジャケット・アートワークの素晴らしさにも、すっかりノックアウトされました。数量限定でリリースされた、スペシャル・グリーン・カラー・クリア・ヴァイナルの7インチ、そしてクルアンビン・オフィシャルYouTubeチャンネルにて公開されているミュージック・ヴィデオ(ジャケのアニメイション・ヴァージョン)のキュートなことといったら! 初めてこの曲を聴いたときは、まるで大好きな人から一足早く、最高のクリスマス・プレゼントを贈られたような、そんな夢見心地な気分でした。キャンドルの柔らかな灯りのように、心をふわりと温めてくれる、とてもリラックスしたクリスマス・ナンバーです。どうぞ大切な人とゆっくりお楽しみください。Merry Christmas! 皆さんにとって、素敵なクリスマスになりますように!

Khruangbin「Christmas Time Is Here」

Brunch-time 土曜日10:00~12:00



小林恭 Takashi Kobayashi

テキサスのバンド・トリオが奏でる、音を聴くだけでは時代や国籍など全くわからない脱力系エキゾティック的クリスマス・サウンド。メロウでリラックスした雰囲気を感じていると、見たことがない雪降る南国の風景を想像してしまう。
LAのビート・メイカーBathsによるアンビエント・プロジェクト、GEOTIC。この曲は前作同様に全曲素晴らしいニュー・アルバム『Traversa』からピックアップしたメロウなヴォーカル入りアンビエント・ハウス。繊細で美しいコード進行と彼の柔らかな歌声が初冬の季節にとても似合い、優しいサウンドは慌ただしい日常から精神を解放させてくれる。

Khruangbin「Christmas Time Is Here」
GEOTIC『Traversa』

Dinner-time 土曜日18:00~22:00



ヒロチカーノ hirochikano

早いもので、もうクリスマスですね。今年もこの季節まで大切にキープしていたクリスマス・ナンバーを一挙まとめてお届けします。そんな中からまず初めに紹介するのは、Autumn Selectionでも紹介したお気に入りのシンガーKina Grannisの「Let It Snow」。暖炉の前のソファでリラックスして奏でられたナチュラルな声とギターに、ほっこり心温まることでしょう(二人の微笑ましい楽曲のライヴ風景を収めたYouTube動画も必見です)。また、V.A.アルバムでは、アコースティック・ギターの聖地ナッシュヴィルのSSW系アーティストによる2010年のクリスマス・ソング集『Music City Unsigned Family Christmas』が超お薦めです。Jenny & Tyler、Aaron Light、Amy Stroup、Holley Maherらの無着色で心のこもった手作りのクリスマス・ソングを、今回のセレクションの中に4曲選びました。他にも今年はSSW系のオリジナル・クリスマス・ソングの好トラックと数多く出会えましたが、その中でも特にTom Rosenthalの素朴なギターとコーラスが味わい深い「Christmas Quiet」が心に残りました。そして、毎年選曲のラストは、僕の一番好きなクリスマス・ナンバーで締めくくっていますが、今年はスウェーデン出身のエレクトロ・ユニットEmber Islandの、可憐な歌声の中にどこか切なさが感じられるAlexandraのヴォーカルが際立つミニマムなアレンジが素晴らしかった2017年ヴァージョンの「Merry Little Christmas」をお贈りします。

Kina Grannis 「Let It Snow」
V.A.『Music City Unsigned Family Christmas』
Tom Rosenthal「Christmas Quiet」
Ember Island 「Merry Little Christmas」

Brunch-time 日曜日10:00~12:00



吉本宏 Hiroshi Yoshimoto

“Gathered Together!”、 お気に入りのレコードを持ち寄って開くパーティーのオープニングに聴きたい、ワシントンDCのプロデューサーBee Boisseauの変名プロジェクト、MrBawsawのナイス&スムースなパーティー・ミュージック。メリー・クリスマス。

MrBawsaw『Happy Holidays MrBawsaw』

Dinner-time 日曜日18:00~22:00



高橋孝治 Koji Takahashi

今年も街がイルミネイションで輝くクリスマスの季節がやってきました。「usen for Cafe Apres-midi」のコンセプトのひとつに、季節の移ろいを音楽で演出するというものがあるのですが、リスナーの方々がそれを一番ストレートに感じてもらえるのが、このウィンター&クリスマス・セレクションではないでしょうか。選曲を始めた当初はクリスマス・ソングをそれほど所有しておらず、4時間の枠を自分なりのクリスマス色に染めるのにとても苦労した思い出があります。しかし16〜7年選曲に携わっているおかげで、4時間まるごとクリスマス・ソングだけでセレクトできるライブラリーを保有するまでになりました。しかし時代の空気感を選曲で表現するというコンセプトも併せもつチャンネルなので、クリスマス選曲がマンネリ化しないように季節に関係なく日々このセレクションに向けて素敵なクリスマス・ソングを探しています。そのかいもあって今年も皆様にお届けしたいニュー・ディスカヴァリーなクリスマス・ソングをいくつか見つけることができたので、それらの作品を中心に今回のウィンター&クリスマス・セレクションをご紹介したいと思います。

まずは今年の初春セレクションのときに出会い、感動した勢いで本人の運営するサイトからCDを10枚くらい爆買いしてしまった中の1枚(笑)、イリノイ州出身のライアン・オニールのプロジェクトであるスリーピング・アット・ラストの『Christmas Collection Volume One』より、無伴奏のアカペラから徐々にクラシカルな演奏が加わることによって、街を神聖な雰囲気に包み込む「The First Noel」を今年のクリスマス・セレクションのオープニングとしてスタート。そしてこの時期の自分内定番ソングであるアイアン&ワインの「Flightless Bird, American Mouth」を挟み、もう一度スリーピング・アット・ラストのクリスマス・アルバムより、心の奥に儚げに響くジョン・レノン「Happy Xmas War Is Over」のカヴァーをセレクトしました。
23時台からは、3年前にリリースされていたのですが自分は今年初めて知った、デイドリーマーというチルウェイヴ系のアーティストによる「Christmas Time is Here」のメロディーを下敷きにしたというまどろみ系インストゥルメンタル・ナンバー「My Christmas」をイントロに、以前カヴァー・ソング特集をしたときにウィーピーズの「World Spins Madly On」をカヴァーしていたことでその存在を知った、ジョシュア・ハイスロップが昨年リリースしたクリスマス・アルバム『O Holy Night』から「Winter's Night」や「Love Is Christmas」といったジェントリーでアコースティックな響きを持つ作品をセレクト。23時台中盤にはヴァージニア州はリッチモンドを拠点に活躍するコリン・ヒーリーとキャロライン・マックからなるユニット、コリン&キャロラインの可憐なクリスマス・ソング「Wish List」や、ニュージャージー州ハズレット出身の Rich Andruskaによるプロジェクト、クラウズ・アンド・ソーンズのカントリー・テイストでハッピーな響きを放つ「Jingle Bells」、それに続いて2年ほど前からクリスマス選曲で使用している、こちらも元気でハッピーなマイク・ヒューズの「It's Xmas Time (But I Don't Care)」、そしてディレクターの本多くんも購入したと言っていた昨年リリースされたクリスマス・コンピレイション・アルバム『Indie Christmas 2017』に収録されていた、スノウ・コーツのこれまたハッピーな雰囲気を持つその名もズバリな「Happy Christmas Song」などを続けることで、楽しく笑顔が零れる街の雰囲気を表現してみました。
24時台は、この時期の選曲では定番化しているエレクトロニカ系レーベル、City Centre Officesを主宰するThaddeus HerrmannとChristian Kleineのユニット、ハーマン&クラインのドリーミーでどこかノスタルジックなインストゥルメンタル・ナンバー「Catch A Snowflake」から、それぞれ出身地の異なるコリー・ネルソン、アラン・トーマス、ネイサン・ミラーの男性3人からなるユニット、キャノピー・クライマーズの優しいピアノの演奏に誘われてしっとりと歌われる「The Christmas Song」や、ユタ州をベースに活動するオルタナティヴ・ポップ・ロック・バンド、フォーリン・フィギュアスのクリスマス・バラード「Christmas Dream」、オーストラリアの兄妹デュオ、アンガス&ジュリア・ストーンの片割れであるアンガス・ストーンのソロ作品より、ジョニ・ミッチェル「River」をカヴァーした作品などをセレクト。「River」のカヴァー作品はスコット・マシューズのヴァージョンも例年この時期にセレクトしていましたが、今年見つけたこの作品もとても素敵なカヴァーですね。他にはロンドンをベースに活動するDJ兼プロデューサーのJimmy Hickmottによるプロジェクト、ポーラー・ベアズ・キャン・ダンスのハッピー・クリスマス・チューン「At Christmas」や、カナダはヴァンクーヴァー出身のアーティスト、キム・グレイの2014年作「Santa Knows (I've Been Bad)」、ワシントン州出身のインディー・フォーク・バンド、ワイルダーの2015年リリースのクリスマスEP『Wyld About Christmas』より選んだ「Silver Bells」なども、自分の選曲では今年初めてお披露目するクリスマス・ナンバーです。

最後に直接選曲とは関係のないお話ですが、今年5月に日本で劇場公開されたウェス・アンダーソン監督のストップモーション・アニメイション映画『犬ヶ島』を観ていたら、劇中にグレッグ・レイクの名作クリスマス・ソング「I Believe In Father Christmas」(今回のセレクションにはU2によるカヴァー作品を収録)のメロディーが使われたインストゥルメンタル・ナンバーが流れていました。しかしエンドロール・クレジットをチェックしても、その中にグレッグ・レイクの名前を見つけることができなかったので、映画観賞後にこの映画のサウンドトラックを調べてみると、その作品は50年代に活躍したエディー・ソーターとビル・フィネガンが率いていたスウィング・ジャズ・バンド、ソーター・フィネガン・オーケストラが1952年に発表した「Midnight Sleighride」だということがわかりました。なんと驚いたことにグレッグ・レイクの「I Believe In Father Christmas」はこの作品を引用したものだったのですね。ウェス・アンダーソンの映画を観るたびにその独特のセンスに感嘆するのですが、彼のおかげでまたひとつ今まで知らなかった 大好きな作品の新たなトリヴィアを発見することができてとても嬉しくなりました(笑)。

Sleeping At Last『Christmas Collection Volume One』
Iron & Wine「Flightless Bird, American Mouth」
Daydreamer「My Christmas」
Joshua Hyslop『O Holy Night』
Polar Bears Can Dance「At Christmas」
Kim Gray「Kingfisher Bluez Christmas Single 2014」
Clouds And Thorns「Jingle Bells」
Mike Hughes「It's Xmas Time (But I Don't Care)」
Herrmann & Kleine『Our Noise』
Canopy Climbers「The Christmas Song」
Wylder「Wylder About Christmas」
V.A. 『All You Need Is Love』

Dinner-time 日曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00



山本勇樹 Yuuki Yamamoto

毎年、楽しみにしているクリスマスの選曲。少し肌寒くなってくると、今年は何を選ぼうかと、わくわくするものです。昨年はクワイエット・コーナーのクリスマスCD『Quiet Corner – a collection of christmas music』をリリースし、もちろん今回もその中から、ランチ~アフタヌーン・タイムにぴったりの曲をピックアップしましたが、リリースされたばかりの新作コンピレイション、『Quiet Corner – small folky talk』にもクリスマスの気分を高めてくれる、温かいフォーキーな曲がいっぱい詰まっているので、今回のラインナップに加えてみました。
先日、昨年5月にバー・ブエノスアイレスの「地中海と室内楽」のリリース記念イヴェントでお世話になった、高知のインテリア・ショップのアトラクト・ラルゴさんから、今年もお誘いをいただき、『small folky talk』の試聴会&トーク・イヴェントを開催することができました。無類の音楽好きである、アトラクト社の会長、山原さんが今冬一押ししている、バイオエタノールの暖炉を灯しながら、音楽とトークをお楽しみいただくというスタイルで、ホスト役には福岡のRepublik:の河崎さんをお招きいたしました。オーディオ機器には、バング&オルフセンのフラッグシップ・モデルを使用して、最高の音響と空間で、心地よい時間を過ごさせていただきました。
今回のクリスマスの選曲でも、カフェやレストランはじめいろんなショップで、温かで幸せな雰囲気のお手伝いができれば嬉しいです。

V.A.『Quiet Corner – small folky talk』
V.A.『Quiet Corner – a collection of christmas music』

Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00



武田誠 Makoto Takeda

「usen for Cafe Apres-midi」で選曲にたずさわるようになってから今年で4回目を迎えるWnter & Christmas Selection。僕の担当している曜日・時間帯のトーンを意識しながら、今回もこの季節にしかセレクトできないきらびやかさと冬の空気の透明感のような静けさをたたえた新旧のクリスマス~ウィンター・チューンを、カラフルにコラージュしていくように連ねてみました。今年は、マンフレッド・マンの「God Rest Ye Merry Gentlemen」を一手めに。またこの季節らしい新作では、.michael.とJIm Ghedi & Toby Hayを。特に前者のギターとクラリネットと歌というアンサンブルは、とてもインティメイトでチャーミング。またジャケ写の並びには、このWinter & Christmas Selectionで外せない定番となりつつあるものをからめピックアップしています。
それでは、今年もみなさまのもとへ、どうか素敵なクリスマスが訪れますように。

Manfred Mann『Soul Of Mann』
Guy Blackman『Here Pieces』
Mndsgn『The Rap Vacation X-mas』
Chris Mastheim『The Return Of Christmastime』
Peter Elizalde『Winter Playground Mystery』
Vulfpeck「Santa Baby」
.michael.『Clumb Devotion』
JIm Ghedi & Toby Hay『The Hawksworth Grove Sessions』

Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00



waltzanova

「いちばん好きなクリスマス・ソングは?」と訊かれたら、迷わず「Christmastime Is Here」と答えます。クリスマス・アルバムの定番中の定番、ヴィンス・ガラルディの『A Charlie Brown Christmas』のハイライト(だと僕は信じています・笑)。子供たちの声がイノセント&ホーリーに響く、まさに聖なる夜にぴったりのクリスマス・キャロル。人生レヴェルの一曲と言い切れます。そういえばrelax誌の「Suburbia Suite 2000」でも、マジック・アレックス氏が「もしぼくと一緒にいる女の子がこの曲を気に入ってくれなかったりなんかしたら、最大限に罵倒して(今だったら寒空に)放り出すだろう……」と書いていましたね(まさに同感!)。

最近はベタですが、定番中の定番、「White Christmas」や「The Christmas Song」が一周まわって心の琴線に響くようになりました。どちらも中学〜高校の頃に好きになって(ちなみに「The Christmas Song」を聴いたのは、竹内まりやの『Quiet Life』のラストにこの曲が入っていたのが最初です)、一時期は「定番過ぎてちょっと……」という思いも抱いていたのですが、僕はやっぱりクリスマスにノスタルジック&ロマンティックなものを求めているんでしょうね。なので、ジョニ・ミッチェルの「River」は良い曲とは認めつつも、ハートブレイク・ソングなのでセレクションに積極的には入れないというのが、僕の個人的なこだわりだったりします。

その「Christmastime Is Here」、今年は2曲をエントリー。まずは、カナダのジャズ・シンガー、バーブラ・リカのヴァージョン。現代的なビートのドラムとエレピが大活躍していて、近年の同曲の中では出色だと思います。そして出たばかりのKhruanbinのヴァージョン。これまたヘヴィー・ローテイションしています。ジャケもかわいいカラー・ヴァイナルの7インチ、さっそくゲットしました。

Winter & Christmas Selectionの問題点は、毎年似たような曲目が並んでしまうことです。やっぱりいつも同じ曲だとリスナーの方も新鮮味がないかな、と思って同じアルバムから他の曲を選んだりしたこともありましたが、これだといまいち自分のテンションが上がらないんですよね。「目先を変えるために二押し、三押しの曲を入れる」のと、「一押しの曲を入れる」のとどちらを取るかといえば、やはり後者です。一年に一回のクリスマス選曲なのだから、waltzanovaお墨付きのディセンバー・セレクションを聴いていただくというのもアリなのでは、という結論に落ち着き、今回はそのコンセプトで押し切りました(笑)。

毎年楽しみな新作クリスマス~ホリデイ・アルバム、今年はジョン・レジェンドとPJ・モートンの2枚が印象に残りました。前者はジャジーなテイストがスパイスのナイス・ミディアム「No Place Like Home」、後者はスティーヴィー・ワンダー・マナーに思わず笑みがこぼれる「The Christmas Song」を選びました。もちろん、どちらもアルバム単位でオススメできる作品です。

そうそう、お昼のクラシックはどうしたのかって? もちろん入れましたよ。バーンスタインとニューヨーク・フィルの『くるみ割り人形』からの「金平糖の踊り」と、「もろびとこぞりて(Joy To The World)」をエントリー、正午の時間が華やかさに包まれると思います。放送期間の12月頭からクリスマスまでは、あっという間に駆け抜けるような忙しさではありますが、家族や友人たちと大切な時間を過ごすことが多くなる時期でもあります。そんな時間にちょっとした彩りを加えることができたら、これ以上幸せなことはありません。

それでひとつ、思い出したことがあったので書き添えておきたいと思います。15時過ぎの時間はいつも、自分なりにスペシャルな時間帯を作ろうと思って曲順を組んでいくのですが、今回その核に置いたのがグレン・フライの遺作となった、自身の愛する曲のカヴァーを中心にしたアルバムからの「For Sentimental Reasons」でした。たまたまサブスクリプション・サーヴィスを夜中にランダムで流していて、耳を奪われた一曲。サバービア〜フリー・ソウルのファンには、弾むようなギター・カッティングがシグネチャーの、ダニー・クーチによるグルーヴィーなヴァージョンが知られていますが、ここではジャジー&ノスタルジックなアレンジで。終わりゆく年の瀬にふさわしい、心に沁みるプレゼントのような一曲です。僕も素敵なプレゼントを期待して、クリスマスまでの日々を過ごそうと思います。

Leonard Bernstein, New York Philharmonic, Mormon Tabernacle Choir『The Joy Of Christmas』
John Legend『A Legendary Christmas』
Khruangbin「Christmas Time Is Here」
PJ Morton『Christmas With PJ Morton』
James Taylor『James Taylor At Christmas』
Cyrus Chestnut『A Charlie Brown Christmas』
World Standard『Silencio』
Glenn Frey『After Hours』

Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

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