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バルセロナのもう一人の天才建築家

スペインのバルセロナといったら、やはり一番初めに出てくる名前はサグラダ・ファミリアで有名なガウディ。

実はバルセロナには、ガウディと同じ時代を生きた天才建築家がもう一人。

ガウディより2歳年上のルイス・ドメネク・イ・モンタネル。

多くの点でガウディと異なっていたドメネク。

貧しい家に生まれたガウディに対して、ドメネクは上流階級の出身。

僅か2歳しか違わないのに、建築学校では教授として、ガウディに講義したこともあるドメネク。

その後 ドメネクは学長になり、政界にも進出。

当時のバルセロナでは、豊かな経済力を背景に、「モダニズム」と呼ばれる芸術復興運動が隆盛。

建築分野では華やかな装飾が特徴となり、代表的なのがドメネクの建築。

政治家でもあった自身の使命は、美しい街造りと感じたドメネク。

ドメネクの最高傑作とされているのが、

カタルーニャ音楽堂

コンサートホールにもかかわらず、ゴシック的な美しさを追求。

壁も天井も一面色鮮やかなステンドグラスに囲まれた大ホール。

ガラスを多用することで、遮音性や音響効果には劣りますが、見事な建築美の音楽堂ということです。

そしてもう一つ代表的な建築が

サン・パウ病院

総面積14万5000㎡の大きな病院。

建築家ドメネク最大のプロジェクトで1902年着工。

「芸術には、人を癒す力がある」と信じたドメネク。

病院のあらゆる場所に花や天使の彫刻。ステンドグラスやタイル。モザイク装飾には、黄色やピンク色を多用。

全て患者の気持ちを和らげ、精神的苦痛を除いてあげたいというのがドメネクの願い。

敷地内には小さい建物を分散させて、新鮮な空気、光、土、緑を確保。それが患者の治療に何より大切と考えたドメネク。

機能的な面も優れていて、小さく分散された建物は地下で繋がっていて行き来自由な構造。

残念ながら、病院完成前に亡くなったドメネク。その後父の想いを引き継いだ彼の息子が、7年後に病院建築を完成

ガウディと比べると、何故か知名度がイマイチみたいですが、ドメネクの建築「バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院」は、1997年に世界遺産登録されてます。

いつかバルセロナに行く機会があれば、もちろん両方とも見学したい。

でも どちらか一つなら私は「サン・パウ病院」へ行ってみたい。

どんな病気であれ、そこにいる人は何かしらの不安を抱えているはず。

患者に安らぎを与えることが治療の近道。

患者さんに優しいすごく素敵な考え。

病気になって入院しなければならなくなったら、やっぱりこんな優しい病院がいいなあ。。。



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