もしも中国が親日だったら

中国と言えば孫子の兵法とか六韜とか合従連衡みたいな高度な情報戦略を駆使するイメージがあると思うが案外そうでもないんじゃない?

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赤い折れ線グラフが、日本人の対中好感度。御覧の通り1980年代は「中国に親しみを感じる」という人が平均して70%を超えてました。今じゃ考えられないほど日本が中国と相思相愛だったわけです。

それが、天安門事件を境にドーンと落ち込んだ……と思いきや、それでも50%前後で踏みとどまっていました。まあ、なんだかんだで、「大東亜共栄圏」的なものにまだまだ夢見る人は多かったのだと思います。

そんな、脳みそお花畑な日本人が、天安門事件に対する中国制裁の輪に加わらず、逆に天皇陛下を訪中させて、中国の国際社会復帰の手助けをしてあげた上に、さらにせっせどODAを貢いで中国の先進国入りの手助けをしてあげたにも関わらず、中国は日本に対する恩を反日教育や「レイプ・オブ・南京」のような反日プロパガンダという仇で返してくれたわけです。

2000年代には、小泉政権に変わったことが契機となり、30%代まで下がりました。小泉氏が靖国参拝を繰り返したことで、それにいちいち抗議してくる中国に対する嫌悪感が高まったように思います。この時代は「政冷経熱」と言われ、政治的には冷え込んでいましたが経済活動は活発に行われ、むしろ日本と中国の経済的な結びつきが強まった時期でもありました。一方で、中国では反日デモが頻繁に行われ、中国では政府が認めたデモしか行われないことから「官製デモ」とも呼ばれ、これも日本人の対中感情を悪化させました。

そして2010年、民主党の菅直人内閣の時に、尖閣沖で漁船衝突事故があり、中国への好感度は最低レベルまで落ちてしまいました。故意にぶつけてきたとしか思えないような映像や、その後の中国政府のレアアース禁輸や民間企業の社員4名を言いがかりとしか思えないような理由で拘束するなど、およそ先進国にふさわしくない子供じみた対応で、日本人のほとんどが中国の異質さに気付いてしまいました。

その後も、度重なる領海侵犯や、レーダー照射事件(後に韓国もやらかしましたが、元祖は中国です)、台湾への圧迫、ウイグルでの人権弾圧、香港の民主活動家らに対する不当逮捕、その他、取り上げたらキリがないほどの問題をあちこちで起こし、今や欧米は完全に中国を敵視するようになりました。

ですが、中国はそういう自覚がないのか、近年になって日本にすり寄ろうとしています。例えば抗日ドラマを禁止してみたり、閣僚の靖国参拝に対しても以前ほどうるさく言って来なくなりました(近年はむしろ韓国のほうがうるさい)。そうは言っても相変わらず領海侵犯は繰り返していますし、むしろ近年はその激しさは増しているので、我々から見れば中国の日本に対する態度は支離滅裂なのですが、たぶん彼らは支離滅裂だとは思ってません。

1980年代には非常に高かった対中好感度がここまで下がった原因は、北京政府の強権的な政治手法が大きな要因ですが、それだけではなく、1990年代から2000年代にかけての反日煽動の影響も少なくなかったと思います。

中国は、反日煽動によって何か得られたのでしょうか。

ぶっちゃけ、せいぜい国民の不満を逸らすことができたとか、その程度じゃないですかね。中国はそもそも強権的な国ですので、国民の不満を逸らさなくても、力で押さえつけてしまうという方法もあったはずです。

2010年前後の中国は、割とアメリカにすり寄ってたイメージがあります。々戦勝国同士、仲よくしよう的な。米中(+おまけで韓国)で日本を叩いて幸せになりましょう的な。

もしかして、アメリカと仲良くすれば太平洋の西半分を中国に譲ってくれるとでも思ってたのでしょうかね?

70%もあった日本の対中好感度をわざわざ底辺まで下げて中国が得たものって何だったんでしょう。国民を戦車で押しつぶしてもニコニコして握手してくれる日本、アフリカみたいにお金をバラまかなくても、逆にお金を貢いでくれる日本、そんな平和ボケの馬鹿な日本に今さらすり寄るくらいなら、最初から反日煽動なんかやめておけばよかったのに。

もし胡錦涛が靖国参拝してたら、日本人は馬鹿だから天安門事件のことなどすっかり忘れて、日中親善ムード一色になって、気が付いたら日本は中国に幸せのうちに飲み込まれていたでしょう。中国に飲み込まれた後は、「釣った魚に餌はやらない」。結婚するまでは優しかった夫が結婚した途端に豹変するように……。

中国のおかげで日本も少しは目が覚めたようです。我々は江沢民に感謝しないといけないかもしれないね。

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