「男は活躍しなくてもいい!」「女性は活躍すべきだ!」…女性が不幸になるのでは?

なぜ、政治の世界に女性が少ないのでしょうか。それは、永田町の価値観が、男性(特に、専業主婦を志向する父権主義的な一握りの男性, *5)中心だからです。有権者の半分は女性なのに、不公平だと思いませんか。

理論飛躍がひどすぎませんかね。専業主婦を志向しているのは、男性ではなくむしろ女性のほうです。

しかも、女性は上昇婚志向が強いことがよく知られています。低収入の女性が少しでも高収入の男性と結婚したいと考えるのはわかります。しかし高収入の女性であっても、自分よりも高収入の男性を選ぼうとする傾向が非常に強い。そのため、高収入の女性は未婚率が高いことも知られています。

よって、男女の賃金格差が解消した場合、現在よりもさらにひどく少子化が進むことは想像に難くないですが、それはまた別の議論ですので、本題に戻ります。

有権者の半分は女性なのに、不公平だと思いませんか。

まったく思いません。なぜなら女性の有権者も男性候補者に投票しているからです。選挙権も被選挙権も、どちらも男女平等にあります。しかし、権利というのは、義務ではありません。権利は必ず行使しなければならないという性質のものではないのです。別に投票に行かなくても良いし、選挙に立候補しなくても良いのです。そして、被選挙権を行使する女性が、男性よりも少なく、選挙権を行使する女性も、あえて女性に入れる人は少ないというだけの話です。

もし、女性候補者に投票する女性が多かった場合、女性の候補者が少ないということは、女性候補者にとってはむしろ有利に働きます。例えば、同じ選挙区に自民党から2人、立憲民主党から1人が立候補してた場合を考えましょう。どこの新聞社も「保守分裂」と書くでしょうし、自民支持層の票が分裂すれば立憲民主党の候補者が有利になるのは自明です。それと同じ理屈で、同じ選挙に男性候補者が2人、女性候補者が1人だった場合、女性候補者が有利になる、はずです。ですが、そうなっていないのは、要は有権者は候補者の性別を気にしていないということです。

普通の一般家庭で、家族が選挙に立候補すると言った場合、ほとんど場合、家族から猛反対にあうでしょう。落選したら数百~数千万円のお金がパァーッと飛んで消えていくわけです、それだけ政治家という職業はリスクが高い。こういうハイリスクなギャンブルを好むのは、だいたいが血の気が多い男性だと相場が決まっています。

以前の私の記事でも、女性の起業家や投資家が少ないという話をしました。

女性の起業家や投資家が少ないということは、要は女性はリスクを取りたがらない傾向にある、ということです。もちろん全員とは言いませんよ。女性でもパチンコに嵌る人もいますし、芸能人になって一発当ててやろうって人も大勢います。でも全体としてはリスクを取りたがらない傾向が強い。

政治家なんても、まさにリスクの増し増し二郎ラーメンみたいな職業なわけですから、女性が忌避するのは当然なわけです。男性だってまともな人は忌避しますから。

誤解のないように言っておきますが、男性はリスクを取りたがるというわけではないです。男性だってリスク回避タイプのほうが圧倒的に多いです。ただ、女性と比較した場合、男性のほうが、リスクに果敢に挑んでいくタイプが多いというだけです。

政治家になるような人はだいたいみんなどこか頭のネジ緩んでるんですよ。だって、街中に自分の顔写真をペタペタ貼り付けるわけでしょ。ヤバない?そんなことされるの、政治家以外じゃ指名手配犯くらいしかいませんよ。指名手配犯は好きでそうなってるわけじゃないので、事実上、政治家のみでしょ。あとは芸能人くらいか。まともな人はそんな小恥ずかしい真似できませんって。

「”男だから”仕事で評価されて高収入を得なければならない」という男性の思い込みは、周囲の女性を不幸にします。ひいては社会全体を不幸にします。「”はじめのうちは”能力が見劣りしようが、数合わせだろうが、男女の経済的地位を等しくする」という姿勢の意味を、ねじ曲げて受け取らないでいただきたいな、と心から思います。

これ、誰に言ってるんでしょう。「仕事で評価されて高収入を得なければならない」なんて思ってる男性、いないとは言いませんが、そう思ってない男性だって山ほどいるでしょ。ただ、そういう人のほとんどは結婚してないだけで。現在、男性の生涯未婚率が24%、つまり男性の4人に1人は一度も結婚してないんです。この数字、過去に一度でも結婚したことのある人は含まれてませんから、現時点で独身という男性まで含めたら、もっと多いはずですよね。

つまり、男性に高収入を期待しているのは、男性ではなく女性なのです。

この人自身もこう体験談をつづっておられます。

私は20代前半で同年代の夫と結婚しました。子供のいない20代のうちは、正直夫に出世を期待していました。「お仕事がんばってね」とニコニコしながら、出世欲のない夫にヤキモキしていました。仕事で失敗した夫を慰めながら、内心不安になったりしていました。夫にとってはプレッシャーだったかもしれません。

出世欲のない男性。男性に出世(=高収入)を期待する女性。

これが現在の平均的なモデルです。「”男だから”仕事で評価されて高収入を得なければならない」なんて考えている男性が平均モデルでないことくらい、ご自身の夫を見ていれば分かりそうなものなのに、なぜ自分の夫だけが例外で、世間の男性はみな「”男だから”仕事で評価されて高収入を得なければならない」と考えているはずだ、思ってしまったのでしょう。

この筆者さんは、結果的にこうした平均モデルから脱却することはできたようですが、これについては筆者さんのほうが例外で、多くの場合、「出世を望まない男性」と「男性に出世を求める女性」は結ばれませんので、そうなると、平均モデルから脱却できないまま、いつまでも男性に出世を求め続ける愚かな女性がのさばることになります。そして「社会全体を不幸」にしているのは、まさにそうした女性たちです。


ところで、「女性の政治家が少ないのは不公平」というのは、男性にとって?それとも女性にとって?どちらでしょうか。

一般的には「女性の政治家が少ない」=女性差別、という文脈だと思いますが、「男性だからといって別に出世しなくていい」というのであれば「女性も別に出世しなくていい」わけであり、女性政治家が少ないのは、男性に出世を強いている女性による男性差別、という見方だって、可能っちゃ可能なわけです。

別に私はそれを主張したいわけではありませんが、「政治家の数を男女平等にするべきだ」と言って女性に出世を強いることは、果たして女性にとって本当に良い事なのだろうか?と疑問を持たずにはいられません。

ジェンダーギャップ指数なんて、むしろ低い方が女性は幸せなのかもしれませんよ。


追記 6/19

誤解のないように書いておきますが、私は女性議員を増やすことに反対しているわけではありません。クオータ制のような不公平な制度を導入してまで男女同数にすることに反対しているだけです。私は過去に女性議員を増やすための提言を行ってますので、ぜひご覧になってください。


追記 6/20

追記というほどではないですが、こちらの記事も読んでいただけると幸いです。



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