第三者検証テスターのつらさ、そしてよさ
はじめに
この記事はn=1の第三者検証体験です。
今自分はどこかの第三者検証会社にいます。
第三者検証全体がこうではなく、ある巡り合わせにあったテスター一人がこんなふうに思ってたんだなというのを記録するために書きます。
いつ当事者じゃなくなるかわからないので。
この文章を読んで誰かにどうこうして欲しいとか誰かを上げ下げしようとかいう意思はないです。
割とつらかったこと
単価と工数
私はエンジニア生活の2/3くらいを派遣契約で過ごしたため、仕事の良し悪しについてはやっぱり単価と工数で評価されることが多かったです。
残業すればするだけ会社の売上になるので、どんどん残業しましょう。残業しただけ働いたことになるから。という文化でした。
単価が上げていくことは現場責任者や営業の実力に左右され、そう簡単に変わるものでもなく、なかなか自分ではコントロールできなかったので、やっぱり容易く売上を上げていくには残業するしかありませんでした。
業務時間中に開催される研修やシンポジウム参加等は売上を下げることに繋がるので、明確なトレードオフ条件がないと参加が難しかったです。
自己研鑽は休日などに行いましょうという文化でした。
私はそれでも構わないと思いますが、参加しようとするたびに一々上長に「売上減らしてごめんなさい」と頭を下げにいくのが変な感じがしました。
テストの効果効率を上げることや品質を上げることは成果に繋がらない
やっぱり残業時間が正義なので、中でどんな仕事しているかはあんまり重要ではなかったです。品質向上の提案やテストの効率化を提案・実行したところで単価アップに繋がらなければ大きな成果には繋がりませんでした。
※私の場合はたまたまそういった点を評価してくれるお客様に出会ったこともあって、汲み取って営業にフィードバックみたいなこともしてくれました。給料には反映されませんでしたが、、
安い人材をとにかく投入する多重下請け構造
私は無関係な期間もありましたが、BP投入が最も評価されます。
何かにつけてプロパー/BP率を評価されて、BPを投入した分だけ利益が出るので営業頑張ろうとなるみたいです。
営業の思惑に左右される提案
QAに関する提案についても第三者検証の商売として成り立つかどうかが判断基準になります。
例えば自分の会社では難しいテストレベルやテストタイプについてはその現場で必要に思えても、提案や計画には盛り込まないなどのことがあったかもしれません。
現場に左右される業務経歴
基本的に体系的なソフトウェアテストを行なっている現場に関われたらだいぶラッキーでした。
体系的なソフトウェアテストができていれば外注しなくてよかったりしますので、良くないテストマネジメントであったり、いびつなテスト設計をしています。
で、現場はお客さまの言うことを聞くことで精一杯なので、体系的な経験や知識を得るためには自分で勉強して頑張るしかありません。
10年、20年やっているようなベテランはJSTQBとかで整備された知識よりも勘と度胸と経験で頑張るみたいな場合があるので、自分で知識を取りに行かないとそういったベテランと同じ道を歩むことを頑張ろうとしてしまうんじゃないでしょうか。
評価される開発経験、増えるテストの素人
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どこにアサインされても結果を出すのがプロの第三者検証
私の結論は上記の通りです。やっぱりどんな現場であっても、どんなメンバーでも、どんなお客さまでも結果を出していくのがプロの第三者検証なんだと思います。
”品質のプロ"と名乗るのもいいですが、"第三者検証のプロ"と名乗る道もあるのではないかなと思います。
私は、
第三者検証テスターのよさ
よさももちろんあります。思いつく限りたくさん書いていこうと思います。
やる気さえあればドメインに依存しない広い知識が得られる
様々な現場や製品に携わることができるので、一般化する実力さえあれば、様々な経験やナレッジを一般化して、ドメインに依存しない実力をつけることができると考えています。
自社QAだとどうしても社内の文化ややり方に依存した能力になっちゃうと思いますが、第三者検証テスターとしてたくさんの現場を経験していると、どんな製品でも対応できるようになるんじゃないかなと思います。
複数の現場を見たコンサル的な視点が得られるポジションもあり
社内でコンサル試験を受けた時に言われました。複数の現場を俯瞰して、より多くの現場をコンサル的な立場で関わることが第三者検証ではできます。
体系的な知識がある会社であれば、つよつよの人々からバックアップを受けながらコンサルをすることができます。
最近は法人を立ち上げてQAコンサル的な動きをする人が多いですが、事業が失敗するリスクとかを会社が請け負いつつ、コンサル体験を行う経験を得ることができます。
製品や事業がイマイチでもとりあえず働き口がある
お客様から依頼を受ける形でテストするので、変な話、製品や事業がうまく行かなくても、ニーズがあればテストの業務を続けることができます。
また、現場やプロジェクトがなくなっても他の現場にいけばいいだけなので、その辺のリスクがないことが良い点だと思います。
いろんなテストエンジニアと知り合いになれる
第三者検証ということで、おそらくたくさんのテストエンジニアがいると思います。ベテランの人もいれば初心者の人もいますが、やる気さえあれば様々な人と繋がれることができます。
実際に私はいい出会いがたくさんありましたし、そういった出会いが私をQAとして成長させてくれたのではないかと思います。
まとめ
2年目3年目くらいは色々悩んだ時期もありましたが、ある程度実力にも自信がついてきて、第三者検証テスターのつらさはどうでも良くなったきたというのが正直なところです。
第三者検証テスターとして一生過ごすかはわからないですが、第三者検証テスターになれてよかったと私は思いました。
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