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Dirty TesterとバキバキQAに込めた想い

はじめに

こんにちは。もし会えなかった時のために、おはよう、こんにちは、こんばんは。Dirty Testerであり、2024年からバキバキQAを名乗っているごまずんです。自分の異名を自分でつけたのですが、それに込めた思いを一度も文書化していなかったので、ここで文書化してみようかなと思って記事にしようと思います。

Dirty Tester

Dirty Testerの背景

大阪の第三者検証で死ぬほど燻っていた私は、「テストエンジニアではなくテスターだ」と呼ばれたことに対してやばいくらい劣等感を持っていました。
一方で、インド人とのコミュニケーションをする中で、「QAエンジニア」や「テストエンジニア」という言葉が通じず、「テスター」という言葉だと通じるという事情もあり、あくまで自分は「テスター」であるということを拭えないでいました。

ダーティハリーに思いを寄せて

2019年ごろだと思いますが、その頃から「テスターではなくQAエンジニア」という風潮が主観で広がっており、「バグを出す」テスターではなく、「QAエンジニア」として開発者と協調していこうという風潮が見られました。
第三者組織で第三者検証をしている私には、どうしても「開発者への忖度」にみえてしまい、自分のバグだしテスターの仕事を肯定する必要がありました。
そんな中でアイデアしたのが「ダーティー」という単語でした。
元々のニュアンスは"不潔"とか"超汚い"とかそんな意味だと思いますが、「ダーティーハリー」の無法ながらも自分自身の信念を貫き通しながら正義を全うする姿に、開発者への忖度なしにバグを出す私自身のあだ名として「Dirty Tester」という言葉をつけることにしました。

キラキラQAになれない自分

Dirtyというネガティブな言葉を使ったのは、キラキラQAに対するアンチテーゼでもあります。
当時のキラキラQAというのは、モダンな開発な中でモダンなプラクティスを使って、モダンに働くことで、すっきりさっぱり楽しく働こうぜ、という風に見えていました。
しかし、私はそんな環境ではありませんでした。
泥臭い現場の中で自分にできることを行い、そんな中で泥を被ってでも自分のできることを増やしていく、どんなに汚れてでも成長していきたいという気持ちと覚悟を決めて、Dirtyという単語を使ったのでした。

チーム名としてのDirty Tester

Dirty Testerというのは私の異名ではありますが、実はチーム名でもあります。
大阪のテスト会社で腐っていた私の成長したいという欲望に伴走してくれた2人を含めた3人のチーム、これも「Dirty Tester」と呼んでいます。(Dirty Testersだろというツッコミは置いといて)
こちらではチームでのテスト開発、チームビルディング、ふりかえりなどについて研究、実践を行うチームで、たった一人では決して今に繋がらなかったと感じている私自身とても愛着のあるチームです。
今はDirty Testerでアウトプットしているのは私だけですが、いつかチームとしてのDirty Testerが世に出るかもしれません。

今では「テスター」という言葉に誇りを持つようになった

少し話が飛んで現在、「テスター」という言葉に自分は誇りを持っています。
それは自分のスキルのスコープを示すのではなく、「テスト」という専門性に対して優れているということを示しているだけと思うようになったからです。 (自信過剰かもしれませんが)

またアジャイルテストの文脈では品質全般に責任を持っており、海外ではQAという言葉もあるとはいえ、日本でいう「ただのテスター」という呼び方ではなく、もっと広い専門性を表す言葉として「Tester」という言葉が使われていると知りました。

私はソフトウェアテストの専門家として、最もシンプルに、端的に表す言葉として「テスター」があり、それに相応しい行動を常に行うことで「テスター」をアップアップしていくことをやりたいと感じました。

まだまだ力不足かもしれないですが、「テスター」という自分に対して今は誇りを持って、日々少しでも「テスター」に近づけるように仕事をしているというのが現在地になります。

補足:「ただのテスター」も高い専門性がある

文章の中で、「ただのテスター」という言葉に対してフォローがなかったので記載します。
「ただのテスター」というのはしばしば「テスト実行手順書を元にテスト実行だけしている人」という意味合いで使われており、IVECでも最低レベルに位置しています。が、実際には高い専門性が求められます。
「文章を読む力」「問題を発見する力」「問題を言語化する力」
私自身、「テスト実行者」としてそこそこの専門性を持っていると自負していますし、テスト実行は大好きで、それについて誇りも持っています。
これらについては後日、何かの形で発信していきたいと思っています。

日本における「テストエンジニア」という言葉の特別な意味

一方で、日本における「テストエンジニア」という言葉の特別な意味についても言及しておきます。
元々日本では「ただのテスター」という「テスト手順書に基づいてテスト実行だけに手を動かす人」というニュアンスが含まれるものだったらしいです。
そんな中で、電通大の西先生といった方々が、「ソフトウェアテストも専門性があり、高度なエンジニアリング技術が求められますよ」ということを伝えるために「テストエンジニア」という言葉を生んだとのことでした。
私は「テスター」ですと名乗ったばかりですが、一方で上記の経緯にも敬意を払って「テストエンジニア」としての自分も肯定していきたいと考えています。

補足:Dirty Testについて

ちなみに、ダーティテストという言葉も存在します。
「実践的プログラムテスト入門」に以下の記載があります。

プログラムが正しく動かないことを実証するためのテスト。すなわち、ソフトウェアを破壊するように設計したテスト。

実践的プログラムテスト入門、ボーリスバイザー、1997年、p8 

バキバキQA

バキバキQAの背景

Dirty Testerである私は、とうとうテスト会社を卒業して、「QAエンジニア」として事業会社に就職することになりました。
一方で、「QA」という言葉については引き続き疑問を持っていました。
それは、「テスターではなくQA」という言葉が、テスターに対して差別的なニュアンスを含んでいるのではないか、という点です。
転職面接の都合上、相手に合わせて「QAエンジニアになりたいです」と言っていた私ですが、その実、QAエンジニアとテスターの違いがわからない状態でありました。

バキバキ童貞との出会い

そんな中、2023年に個人的に超バズってたのが「バキバキ童貞」でした。
バキバキ童貞は色々ネタバレを避けますが、「童貞である」ということをブランディングしている一方で、本人は「童貞じゃなくなりたい」という明確な目標を持っており、その確たる思いはQAでありながら、QAを弱みとして捉えて、そこから飛び出したいと感じている私のQAに対する認識の構造に通じるところだと思っていました。

いつかQAと呼ばれなくなるためのバキバキQA

私は「QAさん」と呼ばれ続けることを望んでいません。
私の目指すところは「フルスタックQA」であり、言葉を変えれば「品質保証の分野に専門性があるエンジニア」を目指したいと考えています。
そういった点がバキバキ童貞とのシナジーを感じて、バキバキQAを名乗ることにしました。
また、「バキバキ」という言葉のニュアンスも気に入っています。
個人的な感覚ですが、「バキバキ」という言葉には、それに集中して「キマっている」という印象を持っています。
自分自身で「バキバキQA」という言葉を使うことで、「QAという業務に視野狭窄してしまいバキバキにキマっていないか?」という問いをいつでも投げかけられるのではないかと感じています。

実は結論ぶっちゃけなんでもいいです

ここまで長々と書きましたが、今は正直なんでもいいと私は思っています。
私のありたい姿としては、会社が思い描いている製品による顧客のハッピーを最大化すること、それに対して手段を選ばず実行することです。
なので、それがテストであればやるし、コードであれば書くし、人を管理するならするし、組織やルールや人の越境をして、手段を選ばずとにかくやっていくことが私に必要だと思っています。
「テスター」「QAエンジニア」という言葉で自分の業務のスコープを狭めるのではなく、あくまで目的を達成できているか?を重視していきたいなと思っています。
仕事を通じて自己実現するのは私は苦手なのです。

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