散文:悲しくて悲しくてとてもやりきれない

人と抱き合うとその体温に安心する。何だか自分のことを心の底から分かってもらえた気がする。相手のことが愛おしくて仕方なくなる。その数瞬後、ぜんぶ嘘な気がしてる。

いつも勝手に裏切られてる。いつも勝手に考えすぎてる。誰のためでなくただ生きてるはずなのに、気付いたら何かのために生きてる。魚が魚であるように、自分が自分であることが難しい。

きっと踏み込むのがいつも遅いのだ。心の底から信じてないから躊躇する。その躊躇いが悲しみを生み、こんな文章を書かせている。どうしてこんな思いを感じなきゃいけないのだろうといつも思う。

世の中には、普通に幸せになることが出来ない人がいる。僕もきっとその一人だ。でも、そういう人のために芸術を作りたい。決して、それで救われる(通じ合える)わけではないと、身に沁みてわかっているのに。


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