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「あいちトリエンナーレ」に行ったら、「表現の不自由展・その後」に入れたけど、この記事には書いてないよ。

最初に言っとくと、この記事は「あいちトリエンナーレ」の、しかも「愛知芸術文化センター」の「表現の不自由展・その後」以外の作品を見て感じた事しか書いてません。あしからず。

11日に、入れたらラッキー。入れない前提で「あいちトリエンナーレ」に行ってきました。一応、表現に片足以上突っ込んでいる者として、行っとかないと後悔するような気がして。

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マスメディアの取り上げ方が偏っていたりすると感じる時があるので、一応説明しておくと、「あいちトリエンナーレ2019」は愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、四間道・円頓寺、豊田市美術館・豊田市駅周辺という4つのメイン会場で100以上にわたる作品が展示されたり、行われたりしている国内最大規模の芸術祭で、問題になっている「表現の不自由展・その後」(以後、不自由展)はそのうちの1つの展示です。
だから、不自由展を見ることができなくても、触れることのできる作品は山ほどあるわけです。実際、僕は愛知芸術文化センターに展示されている作品ですら、スタミナ切れで、全てをきちんと見切れなかった。なので文章の熱量も途中でプツンと切れるかと思いますが、ご了承ください。

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まず大前提として、SNSで写真も動画も投稿OKです。逆に「投稿してください」というお願い。今の時代に即した、当然の試みだと思います。

愛知芸術文化センターについてすぐ抽選のリストバンドをもらいに。

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後は、野となれ山となれ。
抽選まで時間があったので、ゆっくり他の作品を見ることにしました。
抽選発表はホームページでもしていたので、時間が来ればその場で確認できるし。

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ピエロが

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たくさんいたり

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オブジェが並んでいたり

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壁には手のような、足のような

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よくよく見ると、一部のものにだけ輪郭がある

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輪郭がある

などの、現代アートと呼ばれる作品群を観賞。
作品には一見しただけではわからない、作者の意図があったりします。
それは、複雑化した社会を表すような、作者の深い部分に繋がるものだと思います。

例えばピエロたちの作品は

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オブジェたちは

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読んでもらうと分かる通り、実は映像作品とセットです。オブジェだけでは完全じゃない。映像作品は薄暗く陰鬱でゆっくりとした繊細な時間の続く作品でした。

そして輪郭のある写真は

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の、「2と3、もしくはそれ以外(わたしと彼女)」という作品です。

それぞれ、作品だけを見るのではなく、意図や文脈を知ってからの方がより深くその作品を味わえる。現代アートとはそういうものなのだろうと、今回改めて感じたのです。いや現代アートに限らず、ゴッホの絵だって、ゴッホの人生を知ってる方がより深く味わえるし、だからこそ残された手紙が書籍になったりしているのではないだろうか。演劇も、僕は作者個人を知っている方が見ていて面白い。もしかしたら、それらの見方は作品そのものの価値ではないと言われることもあるかもしれないが、作品の味わい方なんて自由なわけで、そもそも作品そのものの価値なんてものは、作品と受け手の間にしか生まれず、広く万人に共通しえる作品の価値なんてものはないんだと思う。一つの芝居のチケット代が、ある人には安すぎて、ある人には高すぎるのだ。そういうものだ。価値なんて、あるようでない。

さて、僕が一番心を揺さぶられた作品。

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ラストワーズ / タイプトレース

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人の遺言が、しかも人の意思を再現した状態で展示されています。

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タイピング音が鳴り響く薄暗い空間に設置されたモニターには、実際にその人が打ったであろう速度で文字が並んで行きます。時には立ち止まったり、時には後ろに下がったり、突然突き進んだり。最後の時を迎えた(というテイ)人たちの思いの文字、言葉にあふれている空間。
ひとつひとつの文章をしっかり読まなくても、僕はその思いに当てられ、涙があふれそうになってその場を去りました。
しかし、あの空間の印象はしっかりと僕の心に刻まれ、今、キーボードを打つ原動力となっています。誰かに伝えたい、知って欲しいという力を沸き起こさせるのです。

たぶん、もっと辛くなる人もいれば、何も感じない人もいる。そんなもんなんだと思います。作者の意図を知らなくても心を揺さぶってくるものもあれば、意図を全て知っても何も感じないものがある。それが、その人の「今」なんだろうと思います。自分の今を知るために、たくさんの作品と出会って、自分の心の動きを実感する。それがアート作品や演劇や音楽と触れ合う、数多くあるうちのひとつの意味なんだろうなって思うのです。

「表現の不自由展・その後」の話は、次の記事で…。

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