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【Story-telling】東大を、もっと心踊る場所にするために(前編)

UT-BASEでは多様なバックグラウンドを持ったメンバーが日々活動しています。本稿は普段は見えにくいメンバー個人に着目し、UT-BASEでの活動内容や活動への思いなどを紹介する連載、"Story-telling"の第14段です!

はじめまして、東京大学 教養学部 教養学科 総合社会科学分科 国際関係論コースの酒巻あす香です。UT-BASEでは、主に他団体さんと連携する渉外や、マネジメントとしての活動をしています。

今回は、3年に進学する私がUT-BASEとともにした経験やUT-BASEへの思いを、前編と後編に分けて説明して行きたいと思います。

まず、前編では私がUT-BASEに入った理由をお話しします。
と言っても、私がUT-BASEに入ったのは、「直感的に入りたい!と思ったから」というところに集約されてしまう気がします。
この直感を分解していくと、大きく以下の2点になると思います。

  1. メンバーが魅力的だった

  2. 理念と自分の問題意識が合致していた

これらに関して、詳しく自分の経験を説明していきたいと思います。


UT-BASEとの出会い

私がUT-BASEのメンバーの方を初めて見たのは入学前、不安でいっぱいの3月でした。海外高校を卒業した私は、久しぶりの日本の学校生活、しかも大学という新しい場に対して漠然とした不安がありました。しかも、その大学が東大だということで、入ったら化け物のように勉強ができる人がたくさんいるのではないかと思っていました(笑)。私はもともといわゆる「試験勉強」が苦手で、東大の中ではマジョリティであろう進学校出身の人に対して少し劣等感を感じていたのかもしれないです。

そのような恐怖は、入学手続きや履修関連のことで絶対間違えてはいけない、という強迫観念に繋がっていきました。しかし、わからないことがあまりにも多すぎて、友達に聞いても「わからないよね」で終わってしまうし、これは先輩の力を借りなければ、とすぐに分かりました。
私立大学はこういう手続きや履修で内部生が圧倒的に有利になる、ということを聞いたことがあり、東大はそういうことはないと期待していたところがあったので少しがっかりしたのかもしれません。結局「進学校出身者≒東大内部生」というようなもので、大して変わらないのかもなぁ、と手続きに間違いがないか毎日気が気でなりませんでした。

そこで出会ったのがUT-BASEでした。
新学期直前に開催されたUT-BASE主催の履修相談会で初めてイベント運営をしていたUT-BASEメンバーをzoomの画面越しに見た時、明るく朗らかでありながらもしっかりとその場を仕切っている姿に「東大にはこんなに素敵でしっかりした人がいるんだ」と衝撃を受けたことを覚えています。

「私もこんな大学生になりたい」

単純にこう思ったのを今でも鮮明に思い出します。

UT-Basecamp

そんな私が次に出会ったのがUT-Basecamp(*1)でした。「あのUT-BASEが主催してるゼミなら絶対参加したい!!」と思ったからです(笑)。

*1 ・・・ UT-Basecampは、UT-BASEのMissionである「東大生の挑戦・熱中・学びの機会を最大化」、Visionである「東大を世界一の学び場にする」を目指して2021、2022、2023年に開催した自主ゼミ。私が参加した2022年のUT-Basecampの報告書はここでご覧になれます。

もちろんそれだけではなく、東大の入学式でもスピーチをされた上野千鶴子先生にお話を聞く機会や、元々関心を持っていたソーシャルビジネスやメディアに関して議論する機会、そして自分からは絶対に考えないような人工生命などの話題を取り扱っている、という点も私にとっては非常に魅力的でした。

なぜ大学の最初のコミュニティ選びでゼミを選んだのか、不思議に思う人もいるかもしれません。

それは、私は「大学を、勉強をすることによって自分を成長させることに使う場にしよう」と入学前から決めていたからです。
大学は勉強をするためのリソースが揃っています。それを最大限活用することが1番おトクじゃないか、というめちゃくちゃエコノミーな考え方かもしれません(笑)。
高校や受験のための塾で、クラスメイトや友達とよく小論のテーマについて議論していたこともあり、大学に入ってもこれを続けていきたいなとも思っていました。

ありがたいことに選考にも通り、2週間に1冊本を読み予習課題を完成させ、毎週ディスカッションをするという、私にとってはなかなかハードな1Sが始まりました。
内容についても色々と語りたいのですが、あまりにも長くなりそうなので、是非2期のレポートを読んでいただければと思います。

必修が多い1Sでただでさえも忙しいのに、このようなゼミで非常にレベルの高い方とディスカッションをするのは大変でした。それでも続けられたのは、毎回のディスカッションや内容の面白さはもちろん、運営の皆さん(全員UT-BASEメンバーです)が本当に素敵な方ばかりだったからです。

特に前共同代表の1人だった清さんとは「格差」というテーマについて、本当にたくさんお話をさせていただきました。その中で私がもともと情報格差に問題意識を持っていたことや、私がUT-BASEにどれだけ助けられたか、ということをお話しする機会があり、「UT-BASEに絶対合うと思う!」という言葉をかけていただきました。

例えば、手続きなんて、大学生活のほんの一部分でしかありません。でも、その手続きをうっかりして忘れてしまったら、やりたいことができなくなったり、そちらばかりが気になって自分が熱中していることに身が入らなくなるかもしれない。だとしたら、情報の得やすさに偏りがあるのはかなり問題なのではないか、ということは今でも問題意識として持ち続けていることです。

あとは、「東大を世界一の学び場にする」という理念にワクワクした、ということも入りたいと思った理由の一つでした。私は1年生のころ、とにかくワクワクすることに身を投じてみようと思っていたので、このようなどこかビッグなものに憧れを抱いたのかもしれないです(笑)。

冗談はさておき、UT-Basecampという私の1Sを非常に実りのあるものにしてくれたコミュニティを自分でも作ってみたい、という思いがあり、私のこの思いは「東大を世界一の学び場にする」という理念と非常に親和性の高いものでした。私は中学の時に勉強をしていると周りから冷笑され、違和感を持った経験があります。しかし、高校に入ってからは勉強していることを嘲笑するような同級生は1人もいませんでした。少人数で、授業内で生徒の意見を聞かれることが多い授業ではむしろ皆がこぞって手を挙げて、「自分も授業に参加したい!」という積極的な気持ちになれる経験が多かったです。

正直にいうと、私は後者のような環境で勉強がしたいです。「真面目に」勉強をする人が冷笑される環境で、誰が勉強したいと思うでしょう。しかし、実際には大学でも「真面目な側」「そうでない側」という見えない境界線の元に距離を取られるような発言をされたこともありました。楽しんで勉強をしていても誰からも嘲笑されない安全基地を作りたくて、東大でも自分が理想とする学びの場を提供してくれたUT-Basecampという場所を残したい、3期を作りたい、と心から思いました。そして、UT-Basecamp2期の最終発表会では千葉雅也先生の『勉強の哲学』を扱った回で学んだことを生かしながら次期Basecampの構想を2人の仲間と考えました。

そして、紆余曲折あり、1年生の夏休み後半あたりにUT-BASEに正式に入りました。

(後編へ続く)

最後までお読みいただきありがとうございました。
後編もぜひ楽しみにしてください!
UT-BASEでは随時メンバーを募集しております。UT-BASEで「こんな課題に取り組んでみたい」「この活動に関わりたい」「この活動について思うところがある」という方は、ぜひこちらのフォームからご連絡ください。オンラインで気軽にお話しする機会を設けられたらと思います。お話しできることを楽しみにしています!


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