よくある質問集

こんにちは、ぜんこうです。ここでは、過去答えた質問の中から、これからも来そうなものをピックアップしました。

日本史学習の基本

Q.日本史の勉強で黄色本を読んだあと山川教科書を読んで勉強しているのですが、山川をやってもやらなくても同じではないかと思ってあまり教科書を読む気が起きません。なぜ日本史では教科書で勉強するのが重要なのでしょうか。
A.教科書は必要なことをかなり凝縮して書いています。そのため単独では勉強できず、参考書がその行間を埋める役目を果たします。特に黄色本は行間を埋める参考書として素晴らしいと思います。確かに黄色本で必要な理解はよく獲得できると思うのですが、あくまで入試の出題範囲は教科書なので、「教科書を理解しながら読めるか」、つまり自力で行間を補って教科書を読むことができるか、というのを確認しなくてはなりません。
つまり教科書は理解度を測る基準であり、教科書に立ち戻る作業をしていない知識はおぼつかないものである可能性が高い、というのが私の考えです。

Q.網羅ワークのおすすめはありますか?
A.ウイニングコンパス使ってたので、ウイニングコンパスなら間違いはないと思います。網羅型ワークはそんなに当たり外れがあるものでもないので、他のものを持っているならそれでもかまいません。

Q.教科書や参考書を読んで、内容を身につけたり論述で使えるものを身につけるにはどうすればいいですか?
A.覚える気で読むしかないですね。苦手なところは自分で手を動かして整理するとか。それか、実力強化書で塚原先生がおっしゃっていたように音読も有効かもしれません。

Q.年号把握用の問題集は必要ですか?
A.時系列把握用に年号を使うのはいいですが、年号暗記に専ら時間を使うのはあまり意味を感じません。

Q.文化史が覚えられません。
A.文化史理解の要点は
①自分でまとめること
②歴史の中にあるものだと意識すること(単独で覚えない)
です。①は何でも言えることですが、自分で配置を考え、手を動かしてまとめることで記憶はより定着します。②は、文化にも背景となる政治的・社会的動向があるのですから、それを意識することです。

Q.日本史の論点をやっていて、その場では納得しても数日経つと忘れてしまいます。
A.読んだ内容を定着させるには、①忘却曲線に則り、翌日、1週間後、1ヶ月後にそれぞれ復習する、②論述を解く中で周辺知識の確認を行い、何度も目に触れさせる、の二つがあります。

Q.年代整序が苦手な場合、年代暗記の参考書を読むのと教科書を何周もするのとどちらがいいですか?
A.解かなければならないのが相当細かい、悪問と言ってもいいような問題でなければ、年代暗記よりも流れを頭に入れた方がいいと思います。数十年・数百年単位で異なる並べ替えなら、頭の中に流れが入っていれば難なく答えられますし、数年単位で異なる並べ替えなら、因果関係でわかったり、年代が常識になっているような重要な事項だったりします。

Q.一問一答と、ウイニングコンパスを解くのではどちらがいいでしょうか。
A.ウイニングコンパスですね。書いて覚えるほうが記憶に残るので、推奨しています。ちょっとした確認なら一問一答でもいいと思いますが、主軸に一問一答をおくのはあまりうまくいく気がしません。もちろん個人の意見です。

Q.山中先生の黄色本と実力強化書の違いはなんですか?
A.前者は基礎〜上級レベル、後者は中級〜難関レベルといったところです。前者も論述に使えますが。また前者は「近世文化」「中世社会」というような章がありテーマ史的なまとめかたをしていますが、後者は時期ごとの区切りで、同時代性に着目します。どちらがいいかは自分で選んでください。

Q.ただよび日本史の通史講座はどうでしょうか。
A.その時代を理解するために必要なシステムの説明が中心という印象です。理屈を理解することで知識が繋がっていく授業ですので、初手で見るよりも、バラバラな状態でもいいのである程度知識を入れてから視聴すると効果が高いでしょう。

Q.中学レベルの知識に穴があります。そこから始めるべきですか?
A.はい。まあ「詳説日本史ガイドブック」を見ながら詳説日本史を読むというのもアリでしょうが、まずは中学の教科書を一読してほしいですね。

Q.山川の一問一答はどのレベルまで入れればいいですか?
A.☆2でだいたいは大丈夫だと思います。

Q.ノートまとめはどうですか?
A.時間はかかりますが、その分の成果が出ることは確かです。悪い勉強法とは思いません。まず一回やってみて、他科目との兼ね合い等で難しいと判断したら切り替えてください。

Q.タテとヨコの視点を獲得するにはどうすればいいでしょうか。
A.いろいろな教科書や参考書を読んでみることです。たとえば『実力強化書』は同時代性を意識した書き方を、山中先生の黄色本はテーマごとある程度まとまっています。こうした書き方の違いから新たなつながりを発見することは可能ですし、日本史の論点であれば頻出トピックに絞ってそうした視点を獲得できます。

共通テスト

Q.共通テストの基礎問題復習には演習→解説読むが妥当でしょうか。細かい知識を入れるのはコスパが悪いと感じています。
A.共通テストだけの日本史利用ですか?なら難関私大の細かい問題や教科書にない知識を覚えるなんてことは一切不要ですよ。試行調査の問題を見たり、予想問題集で形式演習を積んで、センター過去問で知識を確認してください。

Q.共通テストは資料を読み取るだけと考えているのですがどうでしょうか。
A.今年の共通テストは見ましたか?読み取る「だけ」とは言えないと思いますよ。そうでなくても、共通テストは「思考力だけ」を問うているのではなく、暗記に終始しないための問題なので、知識があることは前提で、知識+思考で答えを出します。知識がないと正確な考察は不可能です。だからこそ一つの基準にセンター8割を提示しています。

東大対策

Q.東大日本史の復習はどのようにするのがいいでしょうか。
今は、解く→添削に出す→返ってきた添削と赤本、野島先生の解説を見る→教科書の該当箇所を見る→もう一度完璧な答案を書く、という風にやっています。
A.いいと思います。強いて言うなら、添削が返ってくるまで答え合わせはしていないということでしょう。解いている時の頭の動きが記憶に残っているうちに赤本や野島先生の解説で答え合わせをして復習と反省をしたほうがいいです。

Q.過去問が時間内に解き終わりません。
A.二次60~70で解き終わるのは普通に難しいですよ。もし点数が安定していないならまず時間無制限で問題を解き、十分な実力をつけてから時間を気にしてください。実力をつけないことにはスピードと点数は両立できません。時間かければ点数取れるようなら、良問で経験積めば速くなります。

Q.ちくま新書の講義シリーズや大学への日本史を読んでいます。受験対策としてどうですか?
A .好きで読む分には、大学受験レベルの知識があれば理解し難いところは少なく、良いと思います。ただもっぱら東大日本史の点数を上げるために有用かというと、『詳説日本史』『新日本史』『論点』や過去問を使った方がいいと思います。東大日本史でヤマを張ろうと思ったらキリがないので。一応もう一度言っておきますが、興味があって読みたいのであれば、それは素晴らしいことで、『大学の日本史』や『講義シリーズ』を選ぶのはいいと思います。しかし、点数を上げるためだけの参考書として使うのはあまり推奨しません。

Q.模試に向けて論述の練習を急いでしたほうがいいですか?
A.模試で高得点を取るために背伸びをして対策するのはあまり意味がありません。秋の冠模試までに過去問に入ることを目標に、今は論述の練習をしましょう。

Q.東大特進の山中先生の授業について教えて欲しいです。
A.過去問解説と、荘園制や近世流通経済、近代国際関係などの複雑な事象を図で表して説明する時間からなります。とても分かり易いですよ。

Q.まず解くべき過去問の年次、残すべき年次を教えてください。
A.最新年度のものは、解いていなかったら解いてみてください。演習用に「残したいなら」直近10年の中から選ぶといいです。

Q.習い次第、第一問→第二問...とやっていってもいいのでしょうか?
A.おそらく、時間制限付きの演習ができないけど大丈夫かという質問意図が少しは入っていると思うのですが、最初は時間を気にせず考える訓練を積むのでバラバラでやっても一向に問題ありません。

Q.90年代の過去問の優先順位はどうですか?
A.日本史学習に限って言うなら、優先度は最近10数年の日本史過去問>良質な予想問題>(他科目の学習)>90年代の過去問だと思います。そもそもあまり力がついていない段階では昔の過去問やってもあまり意味はないですし。

Q.資料文が読み取れなくて困っています。
A .まずはnoteの東大日本史の理論シリーズをご覧ください。資料文読解に通底するコツとか方法論はなく、共通して言えるのは東大日本史の理論シリーズくらいです。東大日本史は頭の動きを見るための試験という側面が強いので、そもそもそうした方法論を打ち出すことが難しいんですよ。
過去問を解いて、複数の解説に触れ、解答例に触れる中で、資料文が解答作成のためにどのような役割を果たしているのか認識して、解説している先生の頭の動かし方を再現できるようになる、そんな地道な作業の中で自分なりに何かを掴んでください。
資料文を使うときにどういうことをしているかを伝えるのはできますが、それを再現可能にするには受験生の皆さんの努力にかなり依ってくるんですよ。

Q.教科書は山川の他に持っておくべきですか?
A.詳説日本史の他に新日本史は持っていていいと思います。特に古代分野。

Q.東大日本史は教科書を読み込めば十分ですか?
A.それができれば十分ですが「教科書を徹底的に読み込む」というのがそもそも難しいので、時間があれば先日レビューした「面白いほどとれる本」(山中先生黄色本)を買うことをおすすめします。

Q.論述になると文が稚拙になってしまいます。
A.新高3の方だと思いますが、初期段階としてはむしろいいと思います。文が稚拙ということは自分の言葉で書いているということでしょう。最初から安易な飾りに走ることは危険です。稚拙な文章でもいいので、まずは要求から外れない解答を作る訓練をしてください。先生方の解答を見て文章の訓練をするのは、その後で全然かまいません。

Q.他大の論述や早慶の問題はできるのに、東大の論述ができません。
A.知識はあり、資料文の反映で躓いていると見受けられます。東大日本史は知識だけでは問いに答えられないということを再認識しましょう。

Q.『詳説日本史研究』は必要ですか?
A.詳説+新が最もいいかなと思います。研究は、詳説には無い、良い記述は多いですが、細かく分量が多いです。過去問を解いた時の参照用に買うという役割ならばいいと思います。

Q.二人の先生で解答の方向性が異なる時、どちらを優先すべきか迷ってしまいます。
A.納得できた方を優先しつつ、両方の考え方ができるようになっておくとよいです。軸を定めつつ、思考に幅を持たせるということですね。こういう質問ができている時点で大丈夫とは思いますが、正しいと思ったものだけを尊重して後は下がる、いわゆる「信者」にだけはならないよう気をつけてください。

Q.字数が足りないときはどうされていましたか?
A.①背景知識に関する記述が足りていない、②資料文を使いきれていない、③問いに答えきれていない、の3つの可能性を考えます。無理に知識を入れたり、論理をこじつけることはしないほうがよいです。

Q.『東大日本史問題演習』の利用方法を教えてください。
A.①まずは過去問です。解いた過去問で、『問題演習』にも扱われているものがあったらその解説も参照してください。②直近15年ほどやったら、『問題演習』に取り上げられている昔の過去問もやってみてください。③それが終わったら予想問題です。これだけやれば十分過ぎるほどだと思います。

Q.東大日本史は知識より考える力が重要だと考えているのですがどうでしょうか。
A.東大日本史は「思考力だけ」を問うているのではなく、暗記に終始しないための問題なので、知識があることは前提で、知識+思考で答えを出します。知識がないと正確な考察は不可能です。だからこそ一つの基準にセンター8割を提示しています。
しかし、そのやり方でも日本史に関しては東大生の下中位くらいは取れるでしょうし(知識を入れることを重視しないとそのくらいで頭打ちを迎えます)、それでもいいから他科目に時間をかけるという戦略は、リスキーで推奨しませんがナシではないです。

東大以外

Q.早慶志望の浪人生です。記憶のメンテナンス方法(現役時の知識を落とさない方法)で迷っています。(※8月に受けた質問です。)
A.記憶のメンテナンスということなら、①網羅型ワークをやる②新しい教科書や参考書を買って、別の文章・視点から記憶の再定着を図る、があります。すでに読み込んだ教科書を何度も読むのは、効果がないとはいいませんが読み飛ばしがちになってしまいますので。
②の場合、読んで深める日本史実力強化書やナビゲーター日本史がおすすめです。早慶レベルの知識にも対応していると思います。

Q.早慶レベルの単語が載っている一問一答はなんですか?
A.東進ですね。これに載っていない単語が出たら、他の受験生もわからないと見ていいと思います。星何までやるかは、過去問を解く中で調節してください。

Q.慶應文学部の日本史対策と、おすすめ参考書を教えてください。
A.教科書本文より一段上の知識と、用語の意味を理解できているかが肝要です。インプット自体は『読んで深める日本史実力強化書』あたりが最適でしょう。アウトプットは、東進の一問一答を使うといいと思います。普通の使い方だけでなく、時間があれば逆一問一答(単語の説明を試みる=問題文を当てる)なんかやると力がつくと思います。

Q.慶應文学部の初見史料問題はどうすればよいでしょうか。
A.史料の読み取りが関係しないタイプと、史料から論述のプロットを得て知識も使うタイプと、史料の主旨を述べるタイプがあるようですね。まずは何が求められているのか把握して、どういうタイプの問題か見抜きましょう。対策は、近世・近現代の社会経済・近世の法制を中心に知識をつければ対応可能でしょう。

Q.併願の日本史対策はどうされていましたか?
A.知識面では、学校の授業が詳しかったのでそれで済みました。過去問は5年分くらいやりました。それでだいたい9割5分くらいです。(早稲田文学部)

Q.北大日本史の形式に似ているのはどこだと思いますか?
A.北大日本史の特徴としては初見史料の内容を踏まえた読解・考察型の論述問題が挙げられると思うので、それについて答えます。一番は東京学芸大ですね。史料を使う論述は東京都立大学が思い浮かびますが、史料をトリガーにした知識型論述が多いので少し傾向が違う気がします。名大は、少し難しいところもありますが方針としては北大に似ていると思います。

Q.北大に『日本史の論点』はオーバーワークですか?
A.北大ならいいと思います。論点レベルの知識整理は必要です。

Q.北大日本史論述の対策法を教えてください。今は短文論述問題集を暗記しつつ理解を深めるという形でやっています。
A.まずは知識型論述を固めて欲しいのでまずはそれでいいと思います。知識型論述ができるくらい力がついたら読解型・考察型論述に対応できる力も自然に身についているでしょう。そうしたら過去問を中心に演習してください。

Q.一橋志望です。一問一答ではわかっても、論述になるとさっぱり書けません。何をすればいいでしょうか。
A.論述は初学でしょうか?一橋の論述は難しいので、初めから過去問は大変です。まずは論述問題集を、教科書等を見ながら解いて論述の書き方を身につけてください。やりながら身につくものはあるので、教科書の読み込みは必ずしも必要ではありません。

Q.名大日本史はどのくらいの難易度だと思われますか?
A.事象を個々に暗記しているだけでは取れず、正確な知識と、知識同士をつなげた理解がしっかりしていて初めて合格点に達する問題という印象です。知識は教科書(学習の基本)、山中先生の黄色本(正確な知識・理解)、日本史の論点(知識同士をつなげた視点)を駆使することをおすすめします。あとは過去問をしっかり解けばいいと思いますよ。過去問DBなら年数もあるし、復習(反省)を都度しっかり行なっていればそれが尽きることはないでしょうから。

Q.名大日本史は何型論述ですか?
A.要求されていることは、知識型、読解型、考察型でバランスが良いですが、要求にたどりつくまでにぼやかされていることが多く、要求にたどりつきづらいです。そこで難しくなっています。

私の日本史への考え方

Q.歴史を学ぶ意義はなんだと思いますか?
A.現代を相対化して見られること、ネットやテレビでたまに取り上げられる、歴史に関する怪しい言説に惑わされないことですね。あとは観光の時に楽しさが増すとかですね。

Q.どうやったら日本史好きになれますか?
A.教科書だけを読むのではなく、寺社や博物館に出向いた時に説明を読んでみてください。その中には、高校日本史の知識と結びつくものもあるでしょう。身近なものと歴史が関わっているのを体感すれば、見方が少し変わるかも知れません。

Q.日本史の魅力を教えてください。
A.学問としての話でいいですか?歴史は現在の諸問題や現在も残っている文化、遺産の背景を理解できるので好きです。その中でも日本は生まれ育った国ですので、理解したときの喜びがありますね。

Q.日本史勉強のモチベーションはなんですか?
A.今後のために勉強しなくてはならないという焦りと、疑問を解決するために本を読んで、また新しい疑問が出てくるような状態なのでどんどん次に手が出るという感じです。

Q.受験勉強としての日本史の面白さはなんでしょうか?
A.日本史自体にある程度興味がないと受験日本史も面白くはならないという前提で、「日本史自体が好きだが、受験日本史で点数を取るための勉強が面白くない」という人に向けて。
①基礎知識を入れる段階
知らない単語が多く出てきていると思います。しかし、高校教科書レベルの単語は、近所の説明板や一般向けの歴史の本には出てきます。見える世界が広がります。
②共通テスト・二次試験の問題
入試問題は大学教授が作成しており、多くの場合歴史学との関わりが見られます。そういう視点で見てみると面白いのではないでしょうか。

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