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銀塊〜お金の成り立ちについて〜

お金の成り立ちについて。

貨幣とは、取引の世界で共有されている単位を前提にして、その単位により計測した数量を表章するモノで、取引の世界でそういうモノとして信用されたものです。

たとえば銀の重さのオンスを単位として、1オンス、2オンスといった数量を表章(たとえばその数字が刻まれている、あるいは重さを容易に量ることができる)する銀塊があるとして、取引の世界でその銀塊が取引者の目前に表れた時には特に疑われることなく1オンス、2オンスといった数量の銀塊として信用されているならば、そういう銀塊は貨幣です。

そうであれば、この銀塊は、その通用力が法定されていなくても(法定の通貨とはいえなくても)貨幣として交換に使用される資格を持つことになります。
そして銀塊は現実に交換に使用されました。

貨幣の始まりとは、このように取引の世界で数量の表示について信用のある物体を交換に使用することだったと考えられます。

一部の学者が言うように、ある物体が全く理由なく突然に交換に使用されるようになった、いわば貨幣としての資格が天から社会に降ってきたように考えるのは、単なる思考停止だと思います。
貨幣が使用されるための資格とは、神秘ではなくて信用です。

「通貨を輪転機で刷り続けても社会が使用続けている限りはだいじょうぶ」と単純に思っていると、知らないうちに法定通貨以前の貨幣としての信用が溶解してしまうかもしれないと思います。

#貨幣 #通貨 #finance #経済 #economics

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