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2023年を振り返る

 2023年の暮れを皆様いかがお過ごしでしょうか。今年も28日に仕事納めを無事終えました。去年は本の整理整頓を中心にいろいろと片付けや部屋の模様替えを行っていたのですが、今年は日を分けて少しずつ大掃除をしていたため、年末を比較的のんびりと過ごしています。

 ただ、昨年も申し上げましたが、年末は稼ぎ時ということで普段以上にお仕事をされている方、医療、介護など人の生命、健康に携わるお仕事、電気、ガス、水道、交通関係などのインフラ、警察、消防など公益性が強く、交代制で休みを取ることを余儀なくされている方がいるからこそ、社会が回っています。その方々に想いをいたしながら、2023年のnote記事を振り返りたいと思います。


note記事を振り返る

① 朝鮮人差別・偏見に対する記事

 2023年は関東大震災から100年ということで、新聞を中心としたメディアでも、関東大震災時における朝鮮人虐殺に関する言及が一定程度あったと考えています。ただ、朝鮮人虐殺について、真相の追及、とりわけ国家が朝鮮人に対する民衆の不安を扇動したこと、その責任を回避し続けることへの責任追及を行うことなどについて、世論に訴えるまでには至っていなかったとも感じました。その記事が、「差別・偏見を続ける私たち-関東大震災朝鮮人虐殺から100年に想う-」になります。

 残念ながら朝鮮人虐殺に対する責任追及の問題があいまいなのは、私たち一人ひとりの中に在日韓国・朝鮮人への差別、偏見があるにもかかわらず、この問題に対して無関心、冷淡であることに由来すると考えています。そうした想いを記事にしたのが「差別が持つ本質的な恐ろしさー浦和レッズ差別横断幕事件」の(前編)(中編)(後編)になります。私たちが100年前と同様に朝鮮半島出身者に対する差別、偏見を続けているという事実から目をそらし続けた結果が、当時浦和レッズに在籍していた李忠成選手への差別横断幕につながっていると言えるでしょう。

② 若年棄権層に関する考察記事

 政治分野においては、「若年棄権層に関する考察」のと、以上を踏まえた若年層の政治への積極参加に何が必要かを考察した記事に一番力を入れたという想いがあります。これらの記事は、現在の棄権層はバブル崩壊当時の若年層とその後の世代がその後年を重ねても、政治に失望しているため棄権し続けるという三春充希さんの主張-私はnote記事でこの説を「特定世代若年層棄権継続説」と仮称しました-に対する批判的考察の記事になります。

 私は、三春さんの主張の根拠である「衆議院議員総選挙全国意識調査調査結果」のデータ解釈に対する疑問があること(※1)、三春さんの主張と異なり、若年層はどの世代も年齢を重ねるごとに投票率が上昇していると読み取れること(※2)などから、若年層の棄権は政治不信によるものではなく、政治に対する関心が低いために棄権をしている「若年棄権層政治意識変動説」のほうが可能性が高いのではないかとの結論に至りました。(※3)以上を踏まえた上で、私は、若年層の政治意識の向上のためには、学校における生徒の自治活動を政治教育実践の場として意義づけること、若年層が政治に接触する機会、場をいかにして設けるかが必要ではないかと述べました。(※4)

 三春さんの投票分析におけるインフルエンサーとしての影響力は大きいものがあり、三春さんを慕い敬服する人たちにとっては、政治の専門家でもない人物の批判は素人の独断でしかないと判断されるかと思います。また、私は三春さんに対して誤ってメッセージを読み取ったことでご迷惑をおかけしたことをnote記事でお詫びしたこともあり、(※5)その事実を知っている人からすればなおさら観があることは否めません。

 ただ、以上を踏まえてもデータを踏まえた解釈について、根拠とそれに基づく実証性から問題があると判断した場合、それを主張するのも専門家に対する礼儀だと私は考えます。専門家が不適切な判断をしたままで分析をし続けることは、専門家にとっても、専門家の判断を支持する人たちにとっても問題が大きいからです。もちろん、専門家に批判をすることは批判をする側もその批判が妥当ではないという厳しい反論を受けることを覚悟することが前提になります。これらの記事は、緊張と覚悟に基づいて執筆した記事とも言えるでしょう。

③ 政治全般に関する記事

 ②以外の政治についても全般的にいろいろと記事にして参りました。今年は統一地方選挙ということもあり、「統一地方選挙に思うこと」を書きました。私たちにとって一番身近であるはずの地方政治ですが、地方選挙は国政選挙と比較した際に投票率が低い傾向にあります。①~⑤は、こうした地方政治に対する関心の低さについて、どのように考え、行動すべきかという視点から考察した記事になります。

 また、少子化問題について、少子化を巡る政府の対応、現状の課題などをまとめた「少子化にどう向き合うか」を記載しました。この問題は現在進行形の問題であり、専門家の間でも原因と対策を模索している状況ですが、引き続き少子化問題に関する記事を発信し続けていきたいと考えています。

来年2024年に臨むこと

 このほか、図書館に対する焚書の問題、アスリートの人権問題、note記事執筆へのスタンス、十五年戦争下における日本人の認識に対する問題、政治に対する雑感、アルベルト・シュバイツァーの植民地主義、アフリカ観への疑問、信仰に対する私の想い、TBSラジオ澤田記者のジャーナリズム精神、イスラエル・パレスチナ紛争をめぐる聖書解釈に対する疑義のほか、日常の出来事などなどを掲載して参りました。もちろん、これらの一つひとつについてもすべて大切な記事だと考えています。ただ、強いて私が選ぶとしたら、小見出しに挙げた①、②、③となりました。読者の皆さんはどのように思われますか。

 来年2024年は、地方政治、少子化問題に言及したいと考えていますが、アルベルト・シュバイツァーの植民地主義、アフリカ観の問題を軽視する識者に対する批判的考察、台湾について総統選挙も含めた日本人が抱きがちな戦略論的台湾観に対する批判的考察などを取り上げたいと思っています。また、ともすると堅苦しい記事ばかりになりがちなので、私の趣味である旅行記なども取り上げたいと思っています。

 記事を続けられるのは一重に読者の皆様の温かいご支援、コメントなどがあってのことです。コメントは必ずしも私と見解を同じくするものでなかったり、批判的なご意見をいただくこともあります。しかし、それらも含めて自分にとって様々な価値観を知るいい機会となっており、私にとってありがたいものとなっております。改めてこの場を借りて私の拙い文章にコメントを寄せてくださる方々に対してお礼申し上げたく存じます。

 来年2024年も皆様と一緒にnote記事を作成したいと思います。よろしくお願い申し上げます。 

投稿時間変更のお知らせ

 次回2024年1月6日の記事より、投稿時間を毎週土曜日の午前7時から午前11時の間に変更させていただきます。よろしくお願いします。

私、宴は終わったがは、皆様の叱咤激励なくしてコラム・エッセーはないと考えています。どうかよろしくご支援のほどお願い申し上げます。

脚注

(※1) 「衆議院議員総選挙全国意識調査調査結果」についてどう考えるか-若年棄権層に関する考察⑤-|宴は終わったが (note.com)

(※2) 若年層の棄権の性質とは-若年棄権層に関する考察⑥-|宴は終わったが (note.com)

(※3) (※2)同

(※4) 若年層の棄権傾向にどう向かい合うべきなのか(後編)-若年棄権層に関する考察⑧-|宴は終わったが (note.com)

(※5) 三春充希さんへの謝罪及び今後の対策について|宴は終わったが (note.com)


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