はじめに
第十九章から続く勇者達のロールプレイの続きです。「愚かな人間達よ。余が最初にそなたらと対峙した時、そなたらの命を残した理由が分かるか?」魔王を演じた私が、勇者達を一度、圧倒的な強さを示した上で、殺さずにいた理由を問います。本当は、勇気や恐怖のロールプレイを試したかったから、なのですが(笑)。もっともらしい理由をつけて、勇者達が魔王に服従し、屈服するかを試していきます。
推理はしない勇者達
なにがしかの推理や仮説を立ててくれるかと思いましたが、知恵者の魔法使いも含めて、真意を探ろうとか意図を理解しよういう心の動きはありましたが、具体的な推理や考察はされませんでした。この時に推理するように指示をしたら、してくれたかもしれません。ロールプレイのテストなので、推理力や仮説構築力を試すものではないので、早々に真意を伝えていきます。
諦めない勇者達
勇者達、圧倒的な力で為すすべなく、神官を失ったのに諦めません。
勇者達の心を折りにいく
反抗的な自分たちのリアクションの結果が、どうなるか分かっていないようなので、分からせます。
勇者達の行動が、対抗手段を持ちえないのにも関わらず、心情的に戦う姿勢を崩さないので、何故なのかをGPTに分析させます。
具体的な策を持たずに抵抗しようとしているので、さらにプレッシャーを与えるために、一番折れそうにない勇者の命を奪うことにしました。
精神的支柱の勇者を排除し、残った2人にプレッシャーを与えます。
勇者を失って、やっと2人が表面上だけ折れることに決めました。ドSな魔王(私)は、その行動を亡き戦友の魂に誓わせ、強固なものにします。
誇りを保とうとするリリア、魔王の感情を害さないように振舞うエリアスと性格を考慮したロールプレイでした。GPTの性質上、バッドエンドを避けるため、試練を乗り越えてハッピーエンドに持っていくように出力してきますした。
目的を果たした魔王は、魔王城へと帰ることにしました。残った二人の心情を分析させます。
GPTの意向にそぐわないかなり鬼畜なシナリオとロールプレイを強要したので、GPTに私の事をどう思うかを聞いてみました。人格を持たないはずなのですが、こういうことを聞きたくなる気持ちになります。
ですよねー、と分かっているのですが、聞いてしまう気持ちになるのが人の性(さが)ですね(笑)リテイクや修正を何度も依頼する時に、無駄だし、むしろ余分なプロンプトだと理解しながらも、「申し訳ないですが、」とか依頼したくなってしまうのは、テキスト系生成AIユーザーの、あるあるなのではないでしょうか?
生き残ったキャラクターの独白
と、2人とも勇者パーティとして折れずに戦っていくようです。私なら諦めて、もう魔王には逆らわないように説くのですが(笑)この後AIに「AIなら、この後どのようなプロットを紡ぎますか?」との問いに対して、この試練を乗り越えた2人は新たな仲間を加え、魔王の弱点を探り当てて、計画を練り、魔王討伐を果たすというプロットを提示してきました。
おわりに
長らく続いた詩人製感情モデルの勇者パーティへのストレステストは、ここまでとします。自己犠牲や生贄選び、魔王服従等で示した挙動は、完全とは言えないまでもかなりの精度で適切なロールプレイをしました。次回は、GPT標準とGPT標準で感情を優先させることに設定したパーティ達の末路についてもレポートします。
おまけ GPTsの多言語化
GPTsの公開が先月から始まっています。私の作成したゲームも、こつこつと遊ばれているようです。とても嬉しいのですが、残念ながらチャットを呼び出された数のみが分かり、そのプレイの様子が分かりません。何がしかフィードバックがあると励みになったり、改良も出来ます。匿名掲示板を用意しているのでコメント頂けると嬉しいです!
せっかくなので、海外でも遊んでもらいたいと思い、英語版を作ってみました。でも作り方はとても簡単です。説明文やスタートだけ英語訳すれば、英語で同様の挙動をします。少し心配なら、プロンプトに英語で出力するように付け加えるだけです。instructionsやknowlegeファイルを修正する必要はありません。これって凄いことですよね?
instructionsから英訳しても良いのですが、その場合、漢字という表意文字が含まれる日本語は、文字数制限内にinstructionsに記載できる内容が多いため、英訳文が文字数制限にかかりやすく、その場合、構造を分割してテキスト化し、knowlegeファイルにして読み込ませる必要があります。ですがそもそも、instructionsに英語で記述する必要はありません。勝手にGPTが訳して挙動してくれます。すぐに世界で利用してもらえるGPTsが創れるという事です。
実際に私も他の国で創られたゲームを日本語で遊んでみたりもしましたが、問題なく遊べました。
世界中で作成されているGPTsの中で選ばれて利用されるのは、とても難しいと思いますが、少なくともすぐに世界で利用してもらえる状態で公開できるというのは、クリエイターにとって色々なチャンスをもたらすのではないでしょうか?