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行列STと行列TSの0でない固有値は同じであること

本日は、「行列STと行列TSの0でない固有値は同じであること」を示しましょう。例えば行列Aの特異値分解などで、S = A, T = Aの転置行列という形でお目にかかる事実です。この定理は証明がたのしくて

det( Em - ST ) = det( En - TS )

という面白い等式にもつながっていたりします。(ここで、Enはサイズnの単位行列です。)

問題

解答

いかがだったでしょうか。ブロック行列は数理統計でも大活躍するものの一つですが、こういうパズルチックなところが僕はちょっと好きだったりします。

なお、小問3にて λ = 1 とすれば先述の恒等式 det( Em - ST ) = det( En - TS )を得ることが出来て、Weinstein-Aronszajnの恒等式と呼ばれています。

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