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私の夢

人は常に夢を持って生きていると私は思う。
ほんの些細なことでも夢になり得る世界だから、本当にみんなの心は夢で溢れている。
少しズレているかもしれないけれど、またあそこのご飯食べたいなとかまたあそこ行きたいなとか、そんなことでも夢にだってできるのだ。

しかし私は、夢を持っていても確実にそれを叶えたいと思うほどの欲望を抱えたことはなかった。まぁ叶えばいいなくらいにしか思わなかったから、夢に向かってがむしゃらにもがいた事なんてなかった。

しかしつい先日、これは絶対に叶えたい現実にしたいと心を震わせた出来事があった。

それは恋人との会話の中で見つけたものだった。
それについて少し話そうと思う。
きっと長くなるので、楽にして聞いてほしい。

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彼とのドライブの最中、彼が不意に
「次のバイト何するか決めた?」
と問いかけてきた(今のバイト先が10月に閉店するのだ。)。
まだ決まってないことや迷っていることを話すと、「一人暮らししたら便利よね」というようなことを彼が口にした。

それはずっと前から私も考えていたことだったのだけれど、恥ずかしい話貯金もないし一人暮らしができるほどの強い心も持ち合わせてない。言い訳にしかならないものを並べて、なかなか行動出来ずにいたのだ。
実家は少し息が詰まるので、密かに一人暮らしがしたいとも思っていたのだけど。

「うちが一人暮らししたら遊びに来れるね」
と何気なく口にすると「そうだね」と当たり前のように答えてくれた。

「なんなら〇〇(彼の地元)だったら毎日行けるよ」
「一人暮らししたら来るの?」
「うん」
「ほぼ同棲じゃん笑」
「そうだよ」

衝撃だった。
どうしてこの人は本心でそんなことを言えてしまうのだろう。そんなこと言われたら本気で頑張ってしまうのに。

好きな人と同棲。
それは、私にとって絶対に叶うことはないだろうと思っていた夢のひとつでもあったのだ。
私の頑張り次第で、その夢が目の前に来る可能性が今充分にある。その可能性を揺らがない形で持ってくれている人が、隣にいる。

頑張らない理由がどこにあるのだろうか。

一日の始まりの挨拶も一日の終わりの挨拶も隣で言える。疲れて家に帰れば恋人がいる。恋人のことを考えながらご飯が作れる。
「自分が休みで相手が仕事の時お弁当作れるよ」
という彼の言葉も実現させたい。

最も近くて最も愛おしい夢を見つけたのだ。
頑張るしかない。

彼はいつも私に夢を与えてくれる。
ここに行こう。これをしよう。あれがしたい。今度一緒に行こう。
彼の言葉にはいつも私が住んでいる。
私に向けて言っているわけじゃないんだろうなと思っていても、「ん?一緒に行くんだよ?」と当たり前のように言うのだ。

私はそれが堪らなく嬉しくて愛おしい。
彼の生活に当たり前に私がいる。求められている。「俺がどこかに行く時は君も来てね。」なんて言われてないけれど、そう勘違いしてしまうほど彼の予定に私も仲間入りさせてくれるのだ。

今までの恋は私ばかりがそうだったけれど、今は彼も同じ気持ちでそれを口にしてくれるから私は毎日彼に恋をする。

「そのままの君でいて」
と包み込んでくれる貴方を
「おかえり」
と包み込める日を夢見て頑張るよ。

素敵な夢をありがとう。

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