見出し画像

変わらないものと変わるもの

衣替えが始まり街ゆく学生が半袖になりつつあるこの時期。
私と恋人は離れ離れになる。

彼は土木の仕事をしていて、その関係で期間限定で私の地元まで来ていた。
出会った頃からそばにいて会いたい時に会えていたから毎日会うことだってあった。
そんな恋人の仕事が今月で終了を迎え、彼は地元に帰ってしまう。

彼の地元は私の地元から2時間車を走らせたところにある。遠距離というものを経験している人からしたら、なんだたったそんな距離かと思われるかもしれないけれど、毎日隣にいてくれた存在が突然居なくなってしまうのは本当に寂しい。

温もりを感じたいときに感じられない。
笑顔が見たい時に見られない。
抱きしめてほしいときに抱きしめてもらえない。
涙を拭って欲しいときに拭ってもらえない。
頬に触れてほしい時に触れてもらえない。
彼に触れたいと思ったときに触れられない。

今まで簡単に出来ていた事ができなくなってしまう。
今まで簡単に見たり触れたりすることが出来ていた存在が画面の向こうの存在になってしまう。

この先やっていけるのだろうかと思うけども、きっと涙を流しながら寂しさをぶつけながらなんとか歩いていくんだろうとも思う。

私は極度の寂しがり屋だから少し会えなかったり、会える日のはずなのに会えなくなったりすると、涙が止まらなくなる。
そのせいで昨日の朝も寝起きに漠然とした不安が襲ってきて、彼の前で号泣してしまった。
そんな私を抱きしめてくれ、頭を撫でてくれ、涙を拭いてくれた。
あぁ、この優しさも遠くなってしまうなと思うと涙が止まらなかった。

そして今日。
私と彼は9ヶ月を迎えた。
私は記念日になると彼にいつも動画と手紙は決まって渡していたので、今回も変わらずプレゼントした。
もちろん手紙は遠距離のこと。
彼は私の誤字脱字に笑いながら読んでいた。

読み終わって「ありがとう」と顔を上げた彼の目には、うっすらと涙が溜まっていた。
最初は眠たいのかなと思っていたけれど、話していくうちに彼の口から零れた「寂しいね。」の言葉でお互い涙が溢れた。
彼が泣くなんて思ってもなかったことで、とても驚いた。
いつも余裕で落ち着いている彼も「寂しい」と感じるんだと心が温まった。
彼は手紙に書いてある私の言葉がすごく心に沁みたらしい。

涙が止まらないお互いを笑いながら泣きながら抱きしめあった。
落ち着いた頃に彼がくれたキスで、また涙が止まらなくなった私を見て何度もキスをしてくれた彼も、涙を流していた。

「ずっと味方だよ」
「ずっとそばにいるよ」
「すぐに駆けつけるからいつでも呼んでね」
なんて綺麗事で在り来りな言葉を吐いたけれど、どれも本心で彼に覚えておいて欲しいことだった。

触れたい時に触れられない。そばにいたいときにいられない。
だけど、週末会えた時の喜びは今までとは比にならないものだと思う (別れ際の寂しさも比例するけれど) 。
それに、私たちにはバイクがある。
6月末に納車予定なので、もしかしたら想像しているより会えない日は少ないかもしれない。

少しの希望と未来の目標に向かってそれぞれ違う場所で、1番近くで支え合っていきたい。


貴方はとても頑張り屋さんだから、無理しすぎないか心配です。
本当にいつでも頼ってね。
今日はいいやなんて思わず、しっかりご飯食べてね。
いつもお腹を出して寝る貴方だから、ちゃんと暖かくして眠ってね。
ゲームのし過ぎには気をつけてね。
筋トレも無理のない範囲でね、でも楽しみにしてるね。笑

離れてるからこそずっとそばにいるよ。
遠距離を知らない貴方と遠距離が苦手な私だけど、頑張っていこうね。

私たちの温度感で遠距離乗り越えていこうね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?