【歌詞考察】back number「怪獣のサイズ」〜大人になれなかった僕の恋〜

新曲〜〜〜〜〜!!!こういう可愛い片思いソング大好き。居ても立ってもいられず書きました。
以下注意事項

  • 全て個人の解釈であり感想であり妄想に過ぎません。なんの責任も負いかねます。

  • 誰の考えを否定するつもりも、肯定するつもりもありません。これが正解だとも思っていません。

  • SNS等でこの記事や題材の楽曲について言及される際には、本家アーティスト様にご迷惑がかからないようご配慮をお願いいたします。


それでは、はじまりはじまり。


1.歌詞分析

歌詞を引用しつつ箇条書きで解釈していくよ。
脳内で全ての文末に「〜かも。知らんけど」を付けて読んでね。

ああそりゃまぁそうだな
僕じゃないよな
そして君は運命通りに
どうか そいつと不幸せに

▶︎好きだった人="君"が、僕では無い"そいつ"と付き合うところからスタート。なんとも希望がない。
▶︎"そりゃまぁそうだな"は、僕の自信のなさの表れ。もしくは自分が選ばれないことになにか心当たりがあったのかな?
▶︎僕にとっては立派な失恋なので、素直に君の幸せを願えない="どうかそいつと不幸せに"
▶︎"運命通り"は何を指しているかと言えば、"そいつと不幸せに"なること。つまり、「ほらね、そいつを選んだのが間違いだったんだよ。そいつを選んだら不幸せになる運命だったんだよ。」=「僕を選んでほしい」という気持ちの裏返し。

ってそれは冗談でも
いつかどっかで
やっぱり僕にしとけばよかったな
なんて思う日は来ないだろうな

▶︎慌てたように"そいつと不幸せに"なんて言う呪いのような言葉を"冗談"だと取り繕うのは、素直に君の幸せを願えない気持ちもあるけど、でもやっぱり好きだから不幸せになって欲しい訳じゃない、という葛藤があるから。
▶︎自分に自信が無いから、きっと未来永劫"やっぱり僕にしとけばよかったな なんて思う日は来ないだろうな"と予想しちゃう。今だけじゃなくて未来の可能性すら否定してしまうのはなかなかこじらせてるな〜と思います。

どうせならもっと自分勝手に
君を想えばよかった

▶︎"どうせ"他の人のところへ行ってしまうなら、大人ぶったり我慢したりなんてせず"もっと自分勝手に君を想えばよかった"という後悔。

僕の胸の中にいる
怪獣のサイズを
いつだって伝え損ねてしまうけど
君が見たのは ほんの一部だ

▶︎"怪獣"は言わずもがな育ってしまった恋心の暗喩。暴れて手が付けられないこともあったんでしょうね。
▶︎"いつだって伝え損ねてしまう"のは臆病な僕の性格が原因?自信のなさも手伝って、伝え損ねているうちに他の人に取られてしまったのかな。悲しいね……
▶︎"君が見たのはほんの一部だ"からは、想いを伝えきれなかったことの悔しさが見える。僕が腹の中に抱えていた思いはそんな程度のものじゃないのに。もっと知って欲しかったのに。

何も壊す事が出来ずに立ち尽くした怪獣が
僕の真ん中に今日も陣取って
叫んでるんだ
嫌だ!嫌だ!君をよこせ!って

▶︎"何も"=僕と君の間にある壁や心の距離やその他諸々
▶︎関係性を変えることはできず、君は他の人のものになって、もはや"立ち尽くす"しかないような状況だけれど、それでも恋心はすぐには消えてくれなくて、その事ばかり考えてしまう=" 僕の真ん中に陣取って"
▶︎立ち尽くすしかないのがすっごく切ない。
▶︎やり場のない恋心、悔しさと自分に対する情けなさや怒りの噴出を、"叫んでる"と表現してるのかな、と思う。

ああ君に恋をしてさ
嫌われたくなくてさ
気付けばただの面白くない人に
違ったそれはもとからだった

▶︎この卑屈さ!!!!!!back numberだなーーー!!馴染みの店で「大将いつもの!」って言って出てくるやつじゃん。

馬鹿な僕も優しい僕も
傷も牙もずるいとこも
全部見せなくちゃ駄目だったな

▶︎"傷"は弱いところ、"牙"は怖いところや醜いところ? そういうダメなところとか嫌われそうなところを隠していたことの後悔

僕の胸の中にある
君宛の手紙は
最後まで渡しそびれ続けたけど
本当は傑作揃いなんだよ

▶︎めっちゃ個人の感想ですがここすごく好き。胸が締め付けられる。
▶︎"君宛の手紙"=伝えたかった想い。渡せなかったけれど、こんなにも卑屈な僕が"傑作揃い"だと言えるほどに、君のことを大切に思っていたし、好きだったんだなって思うと涙がちょちょぎれる。

僕の腕の中に誘う
ただ唯一の合図は
ゴジラもカネゴンだって僕だって
違いは無いんだ
嫌だ!嫌だ!君をよこせ!って
言えばよかった

▶︎答えはシンプルで、心は目に見えないのだから、言葉にして伝えなきゃダメなんだってこと。敗因がわかってるのできっと次は上手くいくでしょう。

2.考察と感想のようなもの〜「怪獣」の正体〜

負けヒロインならぬ負けヒーロー曲

これまで「パレード」や「秘密のキス」「はじまりはじまり」「ゆめなのであれば」など数多の拗らせ片思いかわいそかわいいソングが生まれてきましたが、その系譜を継いでいて、あまりにも私の好みドンピシャな歌詞でした。
今回は「片思い」で尚且つ曲の冒頭でヒロインが他の人と付き合った(と思しき)描写があり、なんとも哀愁漂うスタートです。ここまで堂々と負けました!って感じの敗北から始まる恋愛ソング、パンチが強い。

主人公の幼稚さと「怪獣」

さて、タイトルにもある「怪獣」ですが、歌詞分析でも指摘した通り、これは主人公の心の中で大きく育ってしまった「恋心」の比喩表現です。
が、私は加えて、「主人公の幼稚さ」のメタファーでもあるのではないかと思います。

なぜ主人公が幼稚かと言うと、嫌われるのを恐れて、自分の弱さを隠し、大人ぶるような描写があるからです。
大人ぶるというのは、大人のふりをするということで、じゃあなぜ大人のふりをする必要があるのかと言えば、自分が子供だから、ですよね。
元々大人な人は大人のフリする必要ないですから。
で、ふりをするってのは自分を偽ってるってことなので、誠実じゃないじゃないですか。
主人公がどこか、自分が選ばれなかったことに納得しているような節があるように見えるのは、自分が彼女に対して誠実じゃなかった、という自覚があるからなんじゃないでしょうか。逃げ腰だった自覚があるからこそ、"ああそりゃまぁそうだな"と言えてしまうのではないでしょうか。
以上のことから、この曲の主人公は、素の自分で勝負する勇気が持てない弱さとか未熟さ、幼稚さを持った人物だ、と考えました。

そして、主人公の幼稚さがどう「怪獣」と関連するのか、という話。

私は、なんでこの曲のモチーフに「怪獣」が選ばれたのかな〜って考えたんです。
大きさで言うなら、他にも高層ビルとか、ジャンボジェットとか、ウ〇トラマンとか、ガ〇ダムとか、なんかこう、色々あるじゃないですか。
じゃあなぜ怪獣だったのか。それは、「怪獣」がまさしく「子供のような」生物だという共通認識があるからではないでしょうか。

あの超絶キュートなアー写に若干引っ張られてはいますが、「怪獣」というと子供の頃にアニメや子供向け番組で見ていた、ちょっとチープで可愛らしい、けれども情動で全てを破壊していくキャラクターが想起されます。曲中に出てきたゴジラやカネゴン(※ごめんなさいカネゴンはよく知らないです)にも、少なからずそういった性質があるはずです。
「怪獣」という生物の持つ、欲望や情動を制御できず、手当り次第破壊し、時には叫ぶことしかできない不器用さと不完全さは、あたかも人間の子供のようで、まさしくこの曲の主人公の未熟さや幼稚さにピッタリのイメージではないかと、そう思います。

長々と書きましたが、曲を聴いたらきっと印象が変わると思うので、また思うことがあれば追記したいな〜と思います。8/4がとっても楽しみです。

以上、「怪獣のサイズ」の考察と感想でした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
それでは、またいつか。


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