杉本 雄太 Yuta Sugimoto

西村邸 主宰。1986年 奈良県奈良市生まれ。整理収納アドバイザー。2019年、祖父母…

杉本 雄太 Yuta Sugimoto

西村邸 主宰。1986年 奈良県奈良市生まれ。整理収納アドバイザー。2019年、祖父母が暮らした築100年の古民家を再利用して、カフェとレンタルスペースを備えた宿をはじめました。これからの世代に「永く付き合える、もの と ことを愛する」喜びを届けるため、日々お店作りをしています。

マガジン

  • クラフトマンシップとの語らい

    西村邸に関わってくださった奈良のアーティストに、主宰の杉本がインタビューする対談記事。個性豊かなクラフトマンシップ=「おだやかな生産の中に濃厚につまった、誇りと願い」をお伝えします。

  • 西村邸のこと

    2019年、奈良町にオープンした【西村邸】にまつわる、主宰 杉本雄太のエッセイです。

最近の記事

クラフトマンシップとの語らい―第5編 漆作家・阪本修さん③

漆作家 阪本修さんへのインタビュー、その③です。 その①はこちら その②はこちら 自分が注いできた技術とか時間を肯定して欲しい 杉本 ―先ほど、日々の製作の中で次にやりたいことが見つかるという話が出ましたが、今後の長期的な目標はありますか。 阪本 「気持ちとしては、そろそろ公募展に出す一点ものを作ってみたいという思いはあります。 今まで、手に取ってもらえる値段の中で表現してきたことも面白いけど、『いまの自分の時間と技術と神経を全部注ぎ込んで作ったら何ができるんやろう。』

    • クラフトマンシップとの語らい―第5編 漆作家・阪本修さん②

      漆作家 阪本修さんへのインタビュー、その②です。 その①はこちら 自分が作るなら、身の回りで使うものを作りたい 杉本 ―奈良に帰ってきてからは、すぐにご実家の仕事を手伝われたり、自分の仕事を始められたんですか。 阪本 「いえ、恥ずかしながら、何の伝手もない状態で帰ってきて、最初の頃は何をしていいのかわからなくて。 技術を持っているという自負はあったので、とりあえず気合いを入れて作品を作って、公募展にエントリーしたんです。ありがたいことにそれで賞を頂けて、『俺、この世界で

      • クラフトマンシップとの語らい―第5編 漆作家・阪本修さん①

        こんにちは。西村邸の杉本です。 西村邸に関わってくださる作家さんへのインタビュー不定期連載【クラフトマンシップとの語らい】。第5回は、漆作家の阪本修(さかもと・おさむ)さんにお話を伺いました。 阪本さんは、奈良市出身で、いまも奈良で活動を続ける漆作家さんです。(プロフィールやお仕事は、こちら↓からどうぞ) 4月2日,3日に西村邸で開催する【工藝合宿】と題したイベントに、ワークショップ講師兼お茶会の亭主としてお越し下さいます。 当日は、漆に触れてお箸塗りを体験するワークショ

        • 工藝合宿 -第3回・漆工 阪本修- 開催のご案内

          4月2日(土)、3日(日)に西村邸にて、工藝合宿 -第3回・漆工 阪本修- を開催します。 これまで2回、工藝ワークショップ+古民家宿泊体験を、クローズドな形式で開催してきた工藝合宿ですが、より広く気軽にご参加いただける複数のプランをご用意しました。 また同日、西村邸のカフェにて、阪本修さんの工藝作品、デザインプロダクト【Urushi no Irodori】を展示販売いたします。イベントに参加されない方も自由にお買い物いただけます。ぜひお立ち寄りください。 心地よい陽春

        クラフトマンシップとの語らい―第5編 漆作家・阪本修さん③

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        • クラフトマンシップとの語らい
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        • 西村邸のこと
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        記事

          奈良と東京のみんなでお芝居を作って”家族”になりました~ココ・デ・テアトル第1回公演まとめ

          9月30日~10月3日の4日間、【ココ・デ・テアトル】と題した演劇の新プロジェクトで、西村邸を舞台に公演をしていました。 (フライヤーデザイン サトリデザイン) 「町に眠る“記憶”と“場所”を借りて創作し、その土地だけの新しい表現を目覚めさせるプロジェクト」を掲げてスタートした【ココ・デ・テアトル】。2021年の4月に、西村邸を偶然見つけて東京から泊まりに来てくださった、俳優であり脚本・演出家でもある秋草瑠衣子さんと意気投合して立ち上げたプロジェクトです。そこから半年足ら

          奈良と東京のみんなでお芝居を作って”家族”になりました~ココ・デ・テアトル第1回公演まとめ

          8年間言いたかったこと~ありがとう東京オリンピック

          ‐ ぼくはアーティストが好きです。音楽系エンタメだのアイドルだのが、自分自身も舞台に上がることもあるくらい好きです。スポーツ観戦はほぼしませんが、アスリートも好きな方だと思います。自己の心身と毎日対話を続け、そこから生まれる「パフォーマンス」を最良のものにする、という生き方を送る人たちが好きです。 ですが、彼ら、彼女らの「パフォーマンス」のすばらしさと、政治がそれを政治自身の『パフォーマンス』のために活用すること、予算を割くことの是非には、全く関連がありません。全くです。

          8年間言いたかったこと~ありがとう東京オリンピック

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん③

          奈良団扇(ならうちわ)の池田含香堂(がんこうどう)6代目・池田匡志さんへのインタビュー、完結編です。(前回までの記事はこちら→ ①、② ) 手づくりの団扇の良さを知ってもらうために、奈良に在る実店舗を盛り上げ、実際に手に取ってもらいたいと語る池田さん。 さらにその先、奈良、工藝全体へ向ける視点についてお話しいただきます。 新しい事って、失敗するまでやらないと、どれが正解なのかわからない 杉本 ―実店舗への注力の他に、これから力を入れて取り組まれたいことはありますか。

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん③

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん②

          奈良団扇の池田含香堂6代目・池田匡志さんへのインタビュー、2本目です。(前回の記事はこちら→① ) 「家業を継いで間もない頃よりも、いま現在の方が、ある種のプレッシャーを感じる」と語る池田さん。そんな現状の中で、大切にされているポリシーについて伺います。 「僕が好きな奈良団扇への評価ではなくなってしまいますから。」 杉本―いま、お仕事をされている中で、一番大事にされていることは何でしょうか。 池田さん「そうですね…これは、中学生の頃、6代目を継いだ頃、そしていまもずっと

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん②

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん①

          こんにちは。西村邸 主宰の杉本です。 西村邸に関わってくださる、職人さん/作家さんへのインタビューを記事にする「クラフトマンシップとの語らい」。 ゆったりとした不定期連載ですが、4回目になりました。 今回は、2020年夏に西村邸で開催した制作体験&展示販売会【工藝合宿】にて、奈良団扇(ならうちわ)づくりのご指導をいただいた、池田含香堂(がんこうどう)6代目・池田匡志(いけだ ただし)さんへのインタビューです。 池田さんのお父様、お祖父様、さらにはその先代から連綿と続く

          クラフトマンシップとの語らい―第4回 池田含香堂6代目・池田匡志さん①

          『明日、奈良を旅するボトル』を手に、西村邸から奈良を巡ってみませんか

          こんにちは、奈良町の小さな宿―もとい、奈良町暮らしの体験施設 西村邸の杉本です。 このたび、西村邸に『明日、奈良を旅するボトル』というプロダクトを置かせていただくことになりました。 「プロダクト」と書きましたが、そう呼んでいいのか少し悩ましいところです。いわゆるモノとして買っていただく商品ではあるのですが、実際は1本のボトルが奈良町のツアーガイドをしてくれるような… 一言では説明できない奥深さを持った商品なので、今回はこの『明日、奈良を旅するボトル』について、じっくり解説

          『明日、奈良を旅するボトル』を手に、西村邸から奈良を巡ってみませんか

          ‐ちょっと不自由なホテル‐ume, yamazoeには、ぼくたちの手放した自由があった

          こんにちは。奈良市で「西村邸」という宿をやっています、杉本です。 普段は自分の施設のことを書いていますが、今日は、同じ奈良のホテル ume, yamazoe の体験記です。 あまりによかったので、頼まれてもないのに書きたくなりました。よければ最後までおつきあいください。 「ぼくがいままで入ってきたサウナは何だったんですか!?」冒頭からぶっちゃけますが、サウナ苦手なんですよ、ぼく。 禅とか瞑想が好きなぼくは、「サウナはどうやら『トトノウ』らしい」と聞いて銭湯にあれば試したくな

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          春日大社の参道を走った日の夜は、いい小説が読みたくなる。

          こんにちは。 西村邸の前を通る観光っぽい装いの方も、少しずつ多くなってきたかな…そんな折の梅雨入りで、また少し静かになりそうです。 もともと6月の奈良はイベントも少なく、落ち着くシーズンではあります。明るい夏に向けて、もうひとふんばりといったところでしょうか。 ぼく自身もまだまだ、西村邸の中にとどまって仕事をする日が続いていますが、天気がいい日の夕方には、東大寺の方まで30分ほどランニングに出ることにしています。トレーニングというか、身体をチューニングするような感覚でのラ

          春日大社の参道を走った日の夜は、いい小説が読みたくなる。

          映画の台詞が教えてくれる「本当に大切なもの」と歳を重ねること

          こんにちは。5月も最後の週末です。 この気持ちのいい季節に、西村邸を多くの人に感じていただけなかったことは本当に残念ですが、変わらずここに在れば、来年またその日が来るでしょう。 さて私事ですが、今日2020年5月29日で34歳になりました。 友達には冗談めかして「22歳で精神年齢止まってるんだよね…」と言ったりしますが、そこからさらに一周り歳をとったことになります笑 身体の変化について言えば、それこそ20代の頃と変わった感じがありません。もう15年以上、体重の大きな増減

          映画の台詞が教えてくれる「本当に大切なもの」と歳を重ねること

          西村邸裏庭を盛り上げてくれる、ゆかいな仲間たちを紹介します。

          こんにちは。 今日は、先週書いた畑の話の続きをします。 育てているものの話がほとんど。初心者家庭菜園トークばかりになってしまうんですが…読んでくれるかな笑 「いいよ~」って人は、ゆっくりお楽しみくださいね。 1.ひもとうがらし 今回植えたメインはこれです。 聞いたことありますか?インゲンマメのような細い身をした、ししとう/ピーマンの仲間で、奈良の在来品種―伝統野菜です。 「何を育てようかな~」と「家庭菜園 簡単」とかで検索しているときに、「ししとうが育てやすい」と

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          感染症騒動のおかげで、宿屋は畑を始めることになりました

          こんにちは。 前回の記事の最後に少し書きましたが、西村邸の裏庭で小さな畑を始めました。 裏庭はこれまで、改修の時につかった資材を置いていたりして、活用できていない最後の空間でした。 今回の感染症拡大による営業縮小で、時間ができて片づけを終えられたのと同時に、いろいろと思うところがあり、野菜づくりに挑戦してみたくなりました。 今週は「なぜ始めたのか」を少し書いていきますね。 まず一つに、“自給自足”に関心が向いたこと。 今回の混乱の初期、「いろいろな物資や食料の供給がスト

          感染症騒動のおかげで、宿屋は畑を始めることになりました

          ウイルスと地球と生きるために、やっぱりぼくは“数”を超えなくてはいけない

          主要都市の緊急事態宣言が発令されてから3週間が経ちました。 マスクをして、家に篭って。インターネットには自由な世界が広がっているかと思いきや、そこにもやっぱりデマと同調圧力をブンブンに振り回している人がたくさんいて。何につけても息苦しい日々が続きますが、心身の健康は保てているでしょうか。健康第一です。 ぼくはもともと家にいること、人と会わないことが、そこまで苦にならないタイプなので、いたって平穏に過ごしています。 流行りのオンライン飲み会もしていない。そもそもお酒をほとん

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