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【ギターの音作り】歪(ひず)みを理解する

こんにちは。音楽制作をしているUTATANE(ウタタネ)のWataruです。

さてさて音作りの話が出たところで、今日は「歪み(ひずみ)」についてお話しようと思います。

ギターを始めたばかりの頃、私はギターアンプを持っていませんでした。
古いレコードプレーヤーにマイク端子があり、そこにシールドを挿してみると音が出たので、ずっとそれで練習していました。

コードをチャラーンと弾いているうちはそれでも良かったのですが、どうしてもレコードで聴くような音にならない・・・なんだろう。。。
レコードの中のギターは『ジンジンジン・・・ジャーーー』って音なんだけど、私のギターの音は「ポンポンポン・・・ポローーー」となってしまう・・・。
どうにかして『ジャーー』って音にならないものだろうか・・・。

音がダサい・・・ポローンって音しか出ない・・・

そこで、りんごのダンボールに入ってた発泡スチロールの網をもらい、レコードプレーヤーのスピーカーにくっつけてみました。
その状態で大きい音で鳴らすと、網が揺れて「シャーーーー」といいます。

「ジャーーーー」ゲット!

「こ・・・これだ・・・!俺、超あたまいい・・・!」

しばらくそれで弾いてました。

それからしばらくして、レコードの中のギタリスト達は「オーバードライブ」または「ディストーション」というものを使っている、ということを知ったときは衝撃でした。

こういうの使ってると知った!


翌年のお年玉を全て投入して、ギター雑誌の広告に載っていた楽器店から通信販売でギターアンプとオーバードライブ、そして何故かワウペダルも購入!
届いたときの感動は、今でも覚えています。


さて、前置きが長くなりましたが、この「歪み」の正体は一体何なのでしょうか。
それは「音量」と密接な関係があります。

「音が出る機器に許容範囲を超えた音量を入れると、音は歪む」

たとえば、電話などで声が大きいとちょっと音が割れたりするように、機械が想定している音量より大きい音が入ってくると、そこで音が歪むのです。

ギターアンプもボリュームを最大にすると、スピーカーの許容範囲を超えてしまって音が歪みます。
昔のギタリストたちが録音のときに、音が大きすぎて歪んでしまった・・・
それが「なにこれ!カッコいい!」となったのです。

でも、うまく歪ませるには大音量にしないといけない・・・
音量をそこまで上げずに歪ませるには・・・

「許容範囲を超えたら歪むのなら、許容範囲を下げれば良いんじゃない?」

そうやって歪みを意図的に作り出すように作られた機械が「オーバードライブ」などの歪み系エフェクター、というわけです。

エフェクターがなくても、アンプにボリュームが2つついている場合、スピーカーから出る音量を上げずに歪みを作ることができます。
1つ目のボリュームを上げて音を歪ませます。
それだと音が大きすぎるので、2個めのボリュームでスピーカーから出る音の音量を下げます。

「大きい音を入れると歪む。小さい音を入れるとクリーンになる。」

まずこの感覚をもつのが、歪みの音作りをする上でとても重要なのです。

その感覚があれば、例えば

  • ギター本体のボリュームを下げると歪んでいた音がクリーンになっていく。

  • エフェクターの「LEVEL」を上げることでも、その後ろの音量が上がるので歪む可能性がある。

  • 強いピッキングで弾いたら音量が上がるので歪むことがある。

  • スタジオのマイクをつなぐミキサーのフェーダーも、上の入力ツマミを上げすぎると音が歪む。

  • 出力が高いギターはそもそも歪みやすいので、歪みすぎてしまう場合はギターのボリュームを少し絞っておくとコントロールしやすい。

と言ったことが自然と分かってきます。

ただ漠然とペダルを踏んで、ゲインツマミを上げる!というのではなく、

ギター→エフェクター→アンプのボリュームツマミ→(録音の場合は録音機器の入力ツマミ)まで通して、歪みのコントロールをしなければいけない!

ということが、その感覚を持っていれば分かってくるのです。

歪みに限らずエフェクターなどを使う際、少しだけ仕組みを理解しておくと音作りの精度が上がります。

歪みが気に入らないと、次々とペダルを買い替える前に、一度その辺から考え直してみると、いい歪みを手に入れることができるかもしれません!

ということで、歪みについてでした。最後まで読んでいただいてありがとうございます!

他のエフェクターについても今後お話していければと思います。

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