何もなかったように
私が宝物としていた場所や、人からはもう、初めからいなかったかのように、何もなかったかのようになっていた。
みんな変わらず楽しそうな新しい繋がりがまた始まっている。
人はそこからいなくなると忘れられてくる。
それはそんなものだ。
わかっていても寂しいものだ。
ずっと大切にして温めてきたものや、大切にしていた人に、まるで初めからいなかったかのようにその場所で楽しんでいるのを見ると、
あぁ、
いなくなってもそこは何も、その人は何にも変わらないんだなと思い知らされる。
そんなものだ。
そしてやはりそこから去るべき時だったこともわかった。
私はいろんな人のスイッチになっていたり、誰かに何かを始めるきっかけになったと言われることが多いし、そのことを嬉しくも思うけど、空の上からその人たちを見送っていくようですごい孤独に感じることがよくある。
私はその輪の中にいなくて、外からスイッチを押したら去っていくべき人なのだと。
だからずっと孤独なのだと思う。
自分が勝手にそう思い込んでいるから。
誰かのスイッチじゃなくて、誰かの隣で一緒に進んでいきたかったと心から思う。
きっかけをくれた人と感謝されるよりも、一緒に進んで同じ場所にいたいと願う。
誰かのスイッチはもういいのに。
今日も何も無かったようにきっとその場所は楽しく新たな仲間たちで動いている。
楽しく声をかけあっている。
何もなかったように。
大切なものを手放すのは
とても痛い。
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