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マインドフルネス瞑想、実践方法、マインドフルネスストレス低減法、Widom2.0 Japan初開催などについての解説

マインドフルネスとは

マインドフルネスの始まりは、テーラワーダ仏教にあるといわれています。西洋にわたり、宗教性を排除して、シリコンバレーのIT企業にも導入されるなど、実用的なメソッドとしての地位を確立しました。また認知行動療法(*)にも取り込まれ、科学研究の対象ともなっています。

*アメリカ人精神科医アーロン・ベックが1963年代にうつ病の治療として開発したカウンセリング手法。不眠、パニック障害、拒食症などに応用され、その効果が実証されています。

さて、マインドフルネスといって真っ先に名前があがるのが、マインドフルネスストレス低減法(Mindfullness-based Stress Reduction)を開発したジョン・カバット・ジン氏でしょう。カバット・ジン氏の功績なくして、今現在のマインドフルネスは語れません。

また、グーグルの社員研修プログラムSIY(Search Inside Yourself サーチインサイドユアセルフ)がマインドフルネスの知名度を上げました。

マインドルネスの歴史

マインドフルネスの潮流を調べると、レディー・サヤドーという人物にたどり着きます。

レディ・サヤドー

レディ・サヤドー(英: Ledi Sayadaw、1846年12月1日 - 1923年6月27日)とは、ミャンマー出身の上座部仏教僧侶・学者・指導者。

イギリス統治下にあったミャンマー(ビルマ)で、自国の仏教文化を守るため、レディー・サヤドーは瞑想センターを設立し、庶民に瞑想を広めました。同時に指導者育成にも力を入れました。

レディー・サヤドーの弟子には在家のためのヴィパッサーナ瞑想を確立したサヤ・テッジがいます。そして、マハーシ瞑想センターを設立して、ミャンマーの瞑想法を世界中に広めたマハーシ・サヤドーも、彼の弟子の1人になります。

レディー・サヤドー系の瞑想は、マサチューセッツ州のインサイト・メディテーション・ソサエティ(1975年設立)の創始者たちも伝わりました。そしてジョン・カバット・ジン氏がここでの瞑想の実践経験をきっかけに、マサチューセッツ大学にマインドフルネスセンターを起ち上げることになりました。

ちなみにアンダーザライトのヨガ哲学講師である向井田みお先生がマハーシ・サヤドーの瞑想をミャンマーで学んできました。
YouTubeでその体験について少しお話しています。



また向井田みお先生自身もYouTubeチャンネルを始めました。


ヨガ哲学に挫折してしまった人、やさしく学ぶYOGA哲学シリーズの復習をしたい人、地方でみお先生の講座に参加できない人、ぜひチャンネル登録お願いします。

マインドフルネス・ストレス低減法

1979年、慢性の痛み、乾癬、ホットフラッシュなど様々な身体の問題にマインドフルネス・ストレス低減法が有効だと主張してきました。ジョン・カバット・ジン氏はマインドフルネスを

「意図的に、今この瞬間に、価値判断をすることなく注意をむけること」“the awareness that arises from paying attention, on purpose, in the present moment and non-judgmentally”

と定義しています。

ヴィパッサーナ瞑想

レディー・サヤドー系の瞑想はヴィパッサーナ瞑として、サヤ・テッジ、ウ・バ・キンへと引き継がれ、S.N. ゴエンカによって広められました。ゴエンカは世界中に120以上の瞑想センターを設立しており、日本国内は千葉県と京都府に瞑想センターがあります。

また、「サピエンス全史」「ホモ・デウス」の著者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏は、S.N. ゴエンカの弟子であり、ヴィパッサーナ瞑想の実践者であることを 最新著書「21LESSONS」の中で語っています。

ティク・ナット・ハン

レディー・サヤドー系の流れとは別にマインドフルネスを広めた人物がいます。皆さんご存じのベトナム出身の僧、ティクナットハンです。フランス南部ボルドーに瞑想センター「プラムヴィレッジ」を設立し、世界中にマインドフルネスを広めました。

マインドフルネスの実践

アーナーパーナ・サティがおすすめです。

安那般那念

長く息を吸っているときには「私は長く息を吸っている」とはっきり知り(pajānāti)、長く息を吐いているときには「私は長く息を吐いている」とはっきり知る。短く息を吸っているときには「私は短く息を吸っている」とはっきり知り、短く息を吐いているときには「私は短く息を吐いている」とはっきり知る。「私は全身の感覚を把握しながら(paṭisaṃvedī)息を吸おう」と訓練する(sikkhati)。「私は全身の感覚を把握しながら息を吐こう」と訓練する。「私は身行(=吸う息)[5]を静めて息を吸おう」と訓練する。「私は身行(=吐く息)[5]を静めて息を吐こう」と訓練する。

つまり、脚を組んで背骨を真っすぐにして座り、気をつけて息を吸い、気をつけて息を吐く、ことを繰り返すのみです。

これではちょっと大雑把すぎると感じる方は以下の4段階で行ってみてください
1)10カウントしながら息を吐く
2)10カウントしながら息を吸う
3)今度はカウントはやめて、息を吐く、吸うを繰り返す
4)鼻孔と上唇の間にのみ焦点を当てる

アーナーパーナサティが自分にあっていると感じたらアーナーパーナサティの経典である「アーナーパーナサティ・スッタ」で学んでみてください。

注意点は「呼吸をコントロールしようとしないこと」。アーナーパーナ・サティとヨガの呼吸法はその点で大きく異なります。

マインドフルネスの今後

・ビジネス
マインドフルネス系のスタートアップへの投資が少し前から盛んになり、そのうちいくつかは順調に成長しています。先日行われたCESでもMUSE Sが発表されました。

眠りを誘う瞑想を促すヘッドバンド「Muse S」が登場

日本では三菱地所が南青山に「Medicha」をオープンしたのがニュースになりました。

三菱地所の新事業「Medicha」 マインドフルネスを新たなビジネスに

・科学的なエビデンス

脳科学の分野でマインドフルネスに関する研究報告が発表されています。
ベストセラー「世界のエリートがやっている 最高の休息法」で論文が紹介されているので興味のある方はぜひ読んでみてください。
ちなみに久賀谷先生にはアンダーザライトでもワークショップを開催していただきました。

・Wisdom2.0 Japan

2009年に世界最大のマインドフルネスカンファレンスWisdom2.0が開催されました。そのWisdom2.0が10年の時を経て、今年3月日本に上陸します。

Wisdom2.0 Japanには Wisdom2.0 創設者ソレン・ゴードハマー、SIY創設者チャディ・メン・タンなどが登壇します。

Wisdom2.0Japanウェブサイト

Wisdom2.0は、 "Living Wisely in the Digital Age.” (デジタル時代の叡智ある生き方)を探求するカンファレンスであり、登壇者と参加者の距離が近いのが特徴です。登壇者もステージから降りたら、いち参加者として他の人の講演を聞いている、みたいな風景がみられると思います。


ディスカウントコード「UTLinvite」の入力で、現在ラストチャンスチケット59,000円を5,000円引きの54,000円にて購入頂けます。(一人チケットでの適用となります。ペアや3人チケットでの適用はなし)
購入は、Wisdom2.0Japanチケット販売サイトにて。

【2月24日追記】Wisdom2.0 Japanの開催は延期になりました。

参考:行動、思考から注意へ : 行動療法の変遷とマインドフルネス (Mindfulness)



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