(うときゅういっきの「これから」同調圧力 弊害1)。

2021/11/28
(うときゅういっきの「これから」同調圧力 弊害1)。
以下はマーケティングのお話し。
同調圧力の良い面(と言うのも変ですが)は「同質の大きな塊」が出来る事です。
簡単に言うと少ないリソースで数が稼げる。
一方同質圧力の悪い面は「同質競争」なかんずく「価格競争」に陥り易い事です。
狭い処に集中して混み合い限られたπを巡ってお互いがお互いを食い合う事になり競争も激化し勝ち。
又、余り差がないので「ハイコストパフォーマンス」という名の「低価格の中に機能を寿司詰めする競争」に走り易くなります。
低価格の中に無理矢理いろんな機能を詰め込む結果、自社にも業者にも負担や無理が掛かる事になります。かの有名な「利益なき繁忙」の世界。
その姿勢は他方大差無いものを恰も大きな差があるかの様に装う「誇大宣伝」の元になります。
そして又、更に商品を企画している当の本人すら「小さな差」を「大きな差」だと勘違いし勝ちです。
単なるグレードアップを「差別化」といい、同一フィールドで行われる「差別化」を違ったフィールドで行う「差異化」と言ったりする様になります。挙げ句の果てに最近では「今迄してこなかった方がおかしいレベルの当たり前の改善」をイノベーションといい、その言葉を連発する事態に。
イノベーションがそんなに頻繁に起こる訳がないにも拘わらず恥ずかし気もなくその言葉を連呼する事態に迄発展している有様です。
結局この同質圧力が革新の芽を摘み、低価格競争に走らせ、30年以上に渡る我が国のデフレを引き起こしている様な気がしてなりません。
平たく言えば上から下まで「右へ倣え」の「横並び」が革新の芽を後方同列に引き戻し、殆ど差のない似たり寄ったりの癖に誇大な宣伝文句が付いただけの商品を生む結果になっている様な。
消費者であると同時に生産者でもある我々は既に「舞台裏を知っている」ので他社のそういったまやかしを鼻から見抜いて信じず、うんざりしながら結局価格を選んでしまう訳です。
そして又消費者であると同時に生産者でもある我々は生産現場に於いては「横並びを重視」して、自らは革新の声をあげたりせずむしろ「皆と同じである事を優先」して異を唱えるよりも低いままの給与を貰い続ける安定性を選んでしまう。
この悪循環の元は何かと言えば最初に申し上げました「同調圧力」に他なりません。
他社が値上げしないなら当社も値上げしない。
他社が給与カットなら当社も倣う。
「赤信号、皆で渡れば怖くない」
反面、デフレ回避策として値上げ(=給与アップ)をしようにも一人負けするリスクを恐れて革新的なものを他に先んじて出す意欲に欠けるので他社比較が出来る物ばかりを作り出し、結果デフレ解決の重要手段である「全く新しい値立て」も立てる事が出来ない。
「赤信号、一人、先にはご勘弁」
ではこういった同調圧力がどこからやってくるのか?
どうやらお上のせいとばかりは言えない気がしております。 

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