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"三鷹の森フェスティバル2023"猪狩翔一弾き語り感想

 三鷹の森ジブリ美術館の誕生を記念として始まった音楽フェスティバル。お祭りのように屋台が出店され、食べ物はもちろんのことながら、将棋体験やお茶立て体験など地域の交流の場のようでもあった。入場無料で晴天の過ごしやすい日であったためか老若男女多くの方が見られた。子供連れの方やペット同伴の方もおり、今までに体験したことのないような環境下でのライブだった。

感想① リハーサル

 12時40分から猪狩さんのステージということだったが、12時過ぎごろに一足早く登場。機材の搬入からボイステストやサウンドチェックを行っていた。リハーサルではsilent frogの演奏がされた。
予定通り12時40分から開始とのアナウンスがなされ、一旦舞台袖に。

感想② 初登場

 「今回初登場となります!バンドtacicaのGt. Vo.であり、独自の歌声と唯一無二のメロディと歌詞で熱烈な支持を集めております」
との司会者からの紹介から猪狩さんが登場。
いつも通り、手には水とコーヒーのペットボトル2本を持ちながら登場。
「猪狩翔一です。よろしくお願いしまーす」
挨拶そこそこに初めの一曲。ぼくらを演奏。
細胞からやり直して〜というフレーズが晴天の空の下に響き渡る。
ちなみに観客席というようなはっきりと区切られた場所はなく、各々レジャーシートや折りたたみ椅子などを持参して座りながら自由に聴くスタイル。もちろん立ちながらという方もいらっしゃった。
間奏部分にて「あっ、ぼくらという曲です」とトリッキーな紹介を挟む。

感想③ 初の野外弾き語り

 ぼくらが終わると大きな拍手が起こる。周りを見渡すと前の方にはtacicaのライブシャツを着た方が多かったものの後ろの方を見るとおよそtacicaを知らないようなご高齢な方も拍手をしており、なんだかこちらまで嬉しくなる。
「思ったよりもお子さんが多くって……。でも別にいつも通りにやるので」
普通のライブでは考えられないが、子供達が自由にはしゃぎ回るということも見受けられた。こういったイベントならではの面白みがあった。
いつも通りということでギターチューニングに時間をゆっくりと使う。
「こんな晴天の下で歌うような曲が無くって……
でも、目を瞑れば真っ暗になるので必要に応じてぜひ」と自虐をかます。

個人的には弾き語りでは難しいのかもしれないけれど「新しい森」の曲たちはわりとこういった野外でも映えるのかなと思う。

そして冒険衝動
初めて猪狩さんの曲を聴いた方々もいらっしゃるであろうが会場が一体となってその演奏に飲み込まれているような気がした。
ordinary dayは何でもない普通の一日という意味です、と紹介の後に演奏された。青空の下の広場に集まって聴くという中々ないような一日ではあるものの、こんな日がまたあることを願う。でもこんな一日があるのは何でもない毎日があるからこそより輝くのだと思う。

感想④ バンドは100倍カッコいい

「普段はtacicaというバンドで演奏してて、並行してこういった弾き語りをしている。バンドの方が100倍格好いいのでもしよければ遊びに来てください」

 今回の弾き語りで猪狩さんの虜になった方はぜひともtacicaのライブにも参加していただきたい。
ロックバンドのライブとかちょっと怖いと思っている方でもぜひ行ってほしい。この時と同じようなもしくは更に緩い(?)mcからのバチバチに格好いい演奏が繰り出されるあの光景を是非体感してほしい。そして、願わくばそのままtacica沼に引き摺り込まれてほしい。

 「このステージ終わりに即売会やります。
去年CDを出したんだけど、実はお店には無くて。会場と通販でしか販売をしていません。まあ、今はサブスクとかあるからね。覗いていくだけなら無料なので。
これだけ言えば、ね」
 そのおかげか後に行われた即売会には長蛇の列が出来ていた。ちなみにもちろん猪狩さんも立っており、手売りをしていた。
「あと時代に逆行してカセットテープを作りました。これは弾き語り限定で。だからそれなりのクオリティなんだけど。今買うとうちで飼ってるたぬきちっていう犬のシールがつきます。僕が自腹をきって作ったものです。というより、シールを買えばカセットがついてくる感じ」
 たぬきち効果もあって(?)どうやらカセットテープは売り切れになったらしい。近くにいた方がたぬきちシールだけ欲しいなと呟いていた。

感想⑤バンド内再生回数一位


 長めのチューニングからLEO。ラスサビ部分の"又 笑えるだろうか"をマイクから少し離れて繰り返して歌う。そこの力強さは圧倒された。
「LEOという曲です。バンドの中で一番再生回数があります。……まあどうでもいいか」

YouTubeの再生回数は現在およそ340万回。
次点はaranami、人鳥哀歌と続く。

「去年出したアルバムに入っているダンスという曲を。今日はどうもありがとうございました」との締めくくりでダンスの演奏で終了。演奏中に風が吹き木々がざわめく音がした。しかしそれすらも演奏の一部であるかのように溶け込んでいた。
 
最後に司会の方が今後のスケジュール等を発表されているその間に猪狩さんは即売会のテントへ移動していた。 

セットリスト

  1. ぼくら 「YUGE」

  2. 冒険衝動 「singularity」

  3. ordinary day 「panta rhei」

  4. LEO 「LOCUS」

  5. ダンス 「singularity」 

※「」内はアルバムタイトル

終わりに

 主催者のsnsによると猪狩さんには熱烈なオファーをかけていたそう。初めてで緊張するとは語っていたもののいつも通りの圧巻なステージだった。青空の下で聴く弾き語りというのは中々に最高な体験だった。今度はぜひ人間賛歌を聴いてみたい。
どうかまた次回もありますように。


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