tacica TOUR 2023 “ソコハカ”at 福岡DRUM SON 感想
概要
2022年11月の三大博物館ファイナル公演にて、ツアー日程のみが発表され、2023年の2月にツアータイトルが発表されていた。実に5ヶ月も空いたこととなる。しかし、この間にもフェスや弾き語りなど精力的に活動を続けていた。また、4月5日の結成記念日にはティザー映像にて一部公開されていた新曲「金糸雀」の配信リリース、さらに6月30日におよそ1年ぶりとなる2度目のビルボード公演も発表された。
そして、満を辞しての2023年初となるtacicaとしてのワンマンツアー。期待値がぐんぐんと上がる中でのツアーであった。
感想①
17時半、定刻通りに照明が暗くなり、登場seが流れ始める。御三方登場。
小西さんのベースが前に出ながら始まったのはvase。意表をつかれた。ツアーでやるのは久しぶりな気がした。間を空けずに発熱へと繋ぐ。
「ありがとう。tacicaです。福岡2年ぶりです」
aranamiツアー以来となった福岡公演。やる気がこちらにも伝わってくる。
感想② 土砂降りとラーメン
けたたましいサイレンのような音から始まるはaranami。この曲ももう三年前の曲になるのかと思うと月日の流れの速さを感じる。それとともに未だに出口の見えない荒波のような日常がまだまだ続いてるとは思ってもいなかった。
ツイッターのリハーサル映像で公開されていたサイロへと繋げる。少しクールダウンさせるようにミドルテンポのJADITEを演奏。
猪狩「みんなも振動伝わってる?」
下の階ではFANTASTIC◇CIRCUSがライブを行っており、それが上にも伝わっていた。
中畑「好きなんでしょ?」
猪「はい。振動を感じてます」
猪「昨日、福岡前乗りしてラジオ出て、ラーメン食べて、土砂降りの中だったんだけど美味しかった」
中畑さんがそれを受けて笑う。
猪「ドラム中畑大樹」と紹介。
感想③ ハードル上げる小西さん
そんな緩いmc後には新曲の金糸雀を披露。mvさながらのトンネルに光が差し込むような演出。小西さんが割とノリノリに動いていた。ボルテージも上がる中、猪狩さんのギターが響き、スポットライトが当たって始まるのはデッドエンド。ラスサビでは猪狩さん、小西さんにスポットライトが当てられ、その後のドラムソロでは中畑さんにスポットライトが当たる演出はだんだんと光が見えていく感じがした。
猪「ここ三年くらいはあっという間に過ぎていった。みんなもそうだと思うんだけど。だからその三年を取り戻していきたい」と意気込んだのだが、すぐに「こんなこと言う場じゃなかったな」と後悔をしていた。しかし、そこで小西さんが
口を挟もうとする。猪狩さんが話を譲るが、小西さんも譲り、譲り合いが起こる。
小「いや、あの後で言います」
猪狩さんが驚きでほぉという声を漏らす。
猪「凄いね。自分でハードル上げてるじゃん」
感想④ グッズ紹介
猪狩さんが何でもない日常を歌った曲で、年々沁みると語ってからordinary day、ハイライトとアコースティックセットで続ける。
その後恒例のグッズ紹介へ。いつものように小西さんがパネルを持ちながらの紹介。
小「今回tシャツは白と黒の二色作りました。トレーナーは所謂、裏起毛ではない普通のサラサラの生地なので、6月くらいまでは着れるかなと。タオルに関しては初めてのガーゼタオルです。吸水性高いです。これから暑くなると思うんで吸水性の高いガーゼタオルにしました。トートバッグはいつもとは違う形です。自分でヒモの調整ができますので、短く持ちたい方はそれも出来ます。あとフライトタグ作りました。キャリーケースとかにつける自分の荷物を判別するためのタグです」と今回製作したグッズについて語っていた。
小「去年、singularityっていうアルバムを作りました。ダウンロードは出来るんですけど、CDは流通してなくて会場限定販売なので、福岡2年ぶりに来てるので持っていない方は是非」
これが後で話す、と言っていた内容のようだった。
紹介後、猪狩さんがガーゼタオルで汗を拭う。
中「吸水性高い?」
猪「今回のガーゼタオル提案したのは僕です。何か小西が提案したかのようになってたけど」
小「あ、うん……」
猪「いや別に責めてないよ。責めてないからね。タオルでゴシゴシするのって肌悪くしちゃうんだって聞いて。ガーゼの方がいいらしくて。赤ちゃんとかは特に」
中「まあ、小西くん、赤ちゃんみたいなものだしな」
猪「小西を思って作りました」
猪「小西のフライトタグの紹介聞いて思ったけど海外旅行のことは考えてなかった。海外の人が見たら『ソコハカ??』『命の松明を??』ってなんかヤバいやつに思われるよね。なので国内のみで使ってください」
感想⑤鹿の仔
猪狩さんが曲の演奏に入ろうとするなか、小西さんがラジオのことはいいの?と話を振る。
しかし、猪狩さんはポカンとした顔の後に思い出したかのように会場限定ラジオについて語る。
猪「会場限定のラジオやってます。一人で来てる人も多いと思うし、会場までの暇つぶしにでも楽しんでいってください。これって鹿の仔だけだっけ?」とスタッフに確認。
「あっ、鹿の仔限定です。でももうみんな鹿の仔だもんね」というmcで笑いが起きて演奏へ。
ここからは連続して演奏。タイルのラストでは雄叫びのような猪狩さんの声がとても印象的だった。
「最後にDANという曲をやります。どうもありがとう」
本編ラストとは思えないような声の伸び。歌詞にもある通り"残り全部の命を使って"いるかのような歌唱だった。力を振り絞ったかのように力強い演奏はまさにラストにふさわしい。御三方が各々こちらに向けてお辞儀をして退場。
感想⑥アンコール
猪狩さんはソコハカの白tシャツに着替えて登場。
猪「今回tシャツ白と黒でデザイン違うんですけど」
中「えっ?そうなの?」
猪「知らなかったんですか」
中「あとで確認します」
猪「ボディも拘ったので、サンプルもあるから触るだけ触ってください」
猪「福岡に来れて良かったんだけど、2年ぶりとかダメだよね。もっとちゃんと来ないとね。でも絶対っていう確約はできないけど。ラーメンも美味しいしね」と昨日福岡に着いてからの話をする。
猪「すごい土砂降りの雨のなかの移動だったんだけど、立体駐車場入れば別に濡れずに済むだろうと思ったら屋上しかなくてずぶ濡れになった。けど、ラーメンは美味しかった。でも、不味いラーメンって無いか……」
小「自分で作るラーメンなら……。一から作るとなると……。タレとか、骨割ってとか」
猪「流石に一からは俺作らないよ。でもさ考えてみたら髄って凄いよね。漢字もさ、骨に随って書くでしょ。本当骨の髄までって感じだよね」
「あとさ、骨といえばさ、ギターのナットは牛骨から作られてるんだよ」
小「豚骨でも作ってるのあるよね」
猪「うん。ラーメン作って、ギターも作れる」
福岡にもっと居たい、帰りたくないと名残惜しそうにしながらアンコール曲のウソツキズナミダを演奏。曲間を空けずにバク。ここ最近のツアーでは割と定番になってきている気がする。
「最後にアースコードという曲をやります。どうもありがとう」
ありがとうという言葉を猪狩さんはよく発するが、それに合わせて小西さんも必ずお辞儀を深々とする。
アンコールは何とparallel parkから三曲という選曲。しかも一本目の新横浜ではアースコードは演奏してなかったらしい。セトリ色々と変えていくのかなと期待。
セットリスト
vase
発熱
aranami
サイロ
JADITE
金糸雀
デッドエンド
BROWN
ordinary day
ハイライト
From the Gekko
不死身のうた
タイル
SUN 太陽
DAN
en.ウソツキズナミダ
en.バク
en.アースコード
新旧織り交ぜられたセットリスト。しかし、LOCUSからは演らず、またpanta rhei曲も相変わらずシングルのordinary day以外は演らず……。
本編終わったのは19時ごろ、アンコール含めて19時半終了。二時間ほどの濃厚なステージであった。
猪狩さんの声がいつにも増して出ている気がしたし、小西さんが割と自分から発言するようになったり、それを微笑ましく中畑さんが見守っていたり、18周年を迎えて変わらない部分がありつつもまだまだ進化する彼等に2023年も目が離せない。
きっと今日を忘れないし、また彼等を待つ。いつまでも。
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