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隗より始めよにまつわる勘違い

「まず隗(かい)より始めよ」

ということわざがあります。

「物事は言い出した奴が率先してやれ」

という使われ方をするケースが多いようですが、もともとはこんなやり取りから生まれた言葉です。

ある日、人材不足に悩む王様が

街に住む隗という賢人を招いて問いました。

「隗さん、なかなか優秀な人材が集まってこないんだけど、どうしたらいいと思う?」
「でしたらこの私を雇って、先生と呼んで敬って、立派な屋敷に住まわせて、高い給料をください。
 私なんかせいぜいこの街一番の人材でしかありません。
 が、そんな私程度でもそこまで優遇してもらえるという噂が広まれば、他国からも優秀な人材が集まってくることでしょう」
「なるほど……?」
「これすなわち、"まず隗より始めよ" です」

王様が隗の進言通りにしたところ、思惑通り天下の逸材が次々と士官に訪れたのでした。

つまり言い出した奴がやれなんて意味合いは元々なかったようで、どちらかといえば隗さんのしたたかな交渉術と、人材採用の要諦を学ぶことができる逸話であると考えます。

魅力的な環境を作れば人は集まってくる

昨今は多くの企業が「人がいない」「人が採れない」と嘆いています。
就職・転職市場は「売り手市場」になっており、中小企業にとっては特に厳しい状況です。

こうした状況で有効になりうるのが「まず隗より始める」作戦。
すなわち、今いる従業員の待遇を良くすることです。

とはいえ給料を無制限に上げることなどできるはずもありませんから、まずは「やりがい」「働きやすさ」といった要素を改善していくところから始めるのが良いのではないでしょうか。

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