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強みとか弱みとかイノベーションとか

強みとか弱みとかイノベーションとか、ちょっと定義が曖昧だよねってお話を伺ったので、その辺りを自分なりに整理してみることにします。

まず、自社ができること、他社ができること、顧客のニーズという3つの円を書きます。

顧客のニーズ×自社ができること

「顧客のニーズ」と「自社ができること」だけが重なった部分は、自社にしか満たせない顧客のニーズ。いわば、独壇場。ここはしっかり確保しておく必要があります。「強み」と言い換えてもいいかもしれません。

顧客のニーズ×他社ができること

「顧客のニーズ」と「他社ができること」だけが重なった部分は、逆に弱み。ただし、敢えてこのニーズは狙わないという選択肢もあると思います。

自社ができること×他社ができること×顧客のニーズ

三つの円すべてが重なっている部分は、自社と他社が顧客のニーズを奪い合ってバチバチ戦う激戦区。
もともとは自社だけができることだったのに他社が入り込んできた、あるいはその逆のパターンが考えられるので、市場が成熟するにつれてこの部分は大きくなっていきます。

自社ができること×他社ができること

「自社ができること」と「他社ができること」だけが重なっているこの部分。顧客のニーズがないので、もしこの領域で他社と競うようなことがあれば、無意味な消耗を強いられることになります。
日本市場のガラパゴス化などと称される現象は、ここで頑張りすぎた結果起こったとも考えられます。

自社ができなかったこと×既存の顧客のニーズ

「自社ができること」が増えて、これまで誰も満たすことができなかった「顧客のニーズ」に食い込めるようになった状態です。

「こういうサービスがあれば良いのにな」「この商品の性能、もっと良くならないかな」といった顧客の声に応えた状態。他社もできるようになるまでは独壇場です。

『イノベーションのジレンマ』で有名なクリステンセンさんがいう「持続的イノベーション」、あるいはネスレの高岡さんがいう「リノベーション」がこれに該当します。

自社ができなかったこと×まったく新しい顧客のニーズ

「自社ができること」が「顧客のニーズ」と関係ないところで増えたけれど、後から「顧客のニーズ」が追い付いてきた状態。

分かりやすい例でいえば、iPhoneです。
iPhoneが発表される前は、顧客の誰も「音楽が聴けて写真が撮れて電話もできる手のひらサイズの情報端末がほしい」なんてニーズを持っていませんでしたが、いざ実物を見ると「それほしい」となる。

クリステンセンさんが言う「破壊的イノベーション」、あるいは高岡さんが言う本当の「イノベーション」です。
図には表しきれていませんが、新しいニーズが生まれたことで、既存のニーズの一部が「破壊」されています。
(iPhoneの例でいえば、カメラ、ポータブルオーディオ機器、フィーチャーフォン、パソコンのニーズのうち、少なからぬものがiPhoneに持って行かれたはずです)

まとめ

以上をすべて盛り込んだ図がこちらです。

現在、自社が取り組んでいるのは、どの領域のことなのか。
これからやろうとしていることは、どの領域のことなのか。
一度立ち止まって、考えてみるのはいかがでしょうか?

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