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性暴力加害者(故人)関係者からの謝罪と二次加害防止の取り組みについて 

⚠️注意⚠️性暴力に関する内容です。被害経験のある方は、フラッシュバックの可能性があります。

2023年9月末、私は、性暴力被害者として初めて加害者(故人)の関係者から文書で謝罪を頂きました。加害者サイドが謝ったのは初めてです。報道現場やソーシャルグッド運動内で起きる性暴力性搾取が少しでも減るきっかけになることを願います。とても画期的な前代未聞の動きです。

加害者関係団体からの謝罪は、私が書いたnoteやSNSへでの告白がきっかけでした。私は、加害者への個人的な恨みで投稿したのではなく、ソーシャルグッド運動内性暴力、報道取材現場の性暴力の問題を改善したいという思いがありました。https://note.com/utss2020/n/n0555d6414bf7

私の思いを資料館の方々がご理解下さったことに感謝申し上げます。

私は、被害に遭ったことを明らかにしてから、ずっと無視され続けてきました。加害者たちからも、二次加害した労働組合からも記者団体からも、一度も謝ってもらったことがありません。むしろ厄介もの扱いでした。ですから、今回、謝罪して頂けたことが、本当に、希望に感じます。

ソーシャルグッド運動内性暴力を許さない、報道現場の性暴力を許さない、性暴力二次加害を防止するというあたりまえのことが、日本社会に浸透しますように。

資料館の謝罪は、とても大きな意味があります。日本の「平和団体」が「リベラル男性の性暴力の問題を反省した」ということが、とても重要です。性暴力で失脚したワインスタインもリベラル系でした。世界的にも男尊左翼、リベラル男性の性の問題を考える波が起きています。

資料館が2023年10月7日に、関係者向けの説明会を開きました。今後、公式発表で、加害者名がついた資料館の名称変更、展示内容の変更のために、年内休館することや被害者への謝罪について、発表するそうです。10月7日夕方から夜にかけて、長崎新聞から取材がありました。
翌朝10月8日朝刊に掲載された記事は、以下の通りです。

オンライン記事が消えてしまう可能性もあるので、引用しておきます。


 朝鮮人被爆者の実態調査などに取り組んだ平和運動家で元長崎市議の故岡正治氏(19947月死去)から「約30年前に性暴力を受けた」と証言する女性に対し、岡氏の遺志を継ぎ運営しているNPO法人「岡まさはる記念長崎平和資料館」(同市西坂町)が謝罪し、10日から一時休館する方針が7日、複数の関係者への取材で分かった。
 岡氏は牧師で、反戦反核運動などに取り組み、65年に「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」を結成。潜在化していた朝鮮人被爆者の掘り起こしなどに尽力した。同館は岡氏が死去した翌年の9510月に開館。市民有志が中心となり、戦時中の日本による強制連行や慰安婦問題、外国人被爆者などをテーマに、日本の加害責任に着目した展示を続けている。
 女性によると、94年に岡氏の自宅を訪れた際、突然抱きつかれるなどする被害に遭ったという。女性が2020年、インターネットの投稿サイトで岡氏の名前などを伏せて被害を告発。その後、投稿を把握した同法人は、関係者を通じて女性と接触して被害状況を聞き取った上で、文書で先月謝罪した。岡氏の名前を冠した資料館を運営する法人として、女性の告発から対応までに時間を要した点などを陳謝した。
 同法人は7日、非公開で会合を開き、会員や支援者に経緯を説明。複数の関係者によると、同法人は「いかなる性暴力も容認しない」として、資料館の名称や岡氏の活動に関する展示内容などを見直すため、10日から休館する方針を示したという。一連の経緯は資料館のウェブサイトなどで近く公表される見通し。
 被害を訴える女性は本紙の取材に応じ「性暴力の被害者の声が無視されることが多い中、国際的なテーマを扱う平和資料館が、著名な平和運動家による過去の性暴力を認めて反省し、二次加害防止に取り組む姿勢を示したことは画期的。女性蔑視や性差別をなくすきっかけになることを願っている」と語った。

長崎新聞2023年10月8日朝刊から引用

長崎新聞の記事は、共同通信社47ニュースにも掲載されました。
https://t.co/gsB8h42ch2


毎日新聞2023年10月9日
https://mainichi.jp/articles/20231009/ddl/k42/040/240000c

読売新聞2023年10月9日
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231009-OYT1T50066/

yahoonewsには、長崎新聞と読売新聞新聞の記事が掲載されました。このニュースが性暴力二次加害問題にとって、重要であることがわかります。



事件当時を知るブルースカイさんのX(旧Twitter)ポスト


https://x.com/54rzissqpjdrpvb/status/1710862341955526702?s=46&t=vy8wdKAUtyWvi5cBvdgmrw  

岡正治は早くに死去しており、女性の訴えは後年のことだが、岡が残した岡まさはる平和資料館の名前は、記者にとっては重い響きがあった。加害の歴史に向き合いたいという記者たちの真摯な気持ちが逆手に取られる形で、真実解明の気持ち失われた。性加害の追及に時効はない、という認識も欠けていた。

ブルースカイさんXポストから引用


柴田優呼さんのXポストに勇気づけられました。
https://x.com/yuko_shibata_/status/1711015512640283006?s=46&t=vy8wdKAUtyWvi5cBvdgmrw

広島・長崎にとって衝撃。でも被害女性が資料館の対応を評価しているのは救い。被害者への謝罪の良い前例に !「性暴力の被害者の声が無視されることが多い中、国際的なテーマを扱う平和資料館が、著名な平和運動家による過去の性暴力を認めて反省し、二次加害防止に取り組む姿勢を示したことは画期的」

柴田優呼さんXポストから引用

https://x.com/yuko_shibata_/status/1711224801719939411?s=46&t=vy8wdKAUtyWvi5cBvdgmrw

ジャニーズ問題で思うに、2023年の日本が、1999年 (文春記事) や2004年 (裁判決着) にあるべきだった日本に、やっと追いついてきた感。2013年英サビル事件、2017年米ワインスタイン事件から、とんでもなく遅れることからは免れた。まだまだ足りないけど。特に女性の日常的な性被害はあまりに多い。

下記の記事の扱いは小さく、知らない人の方が多い。でも加害者の死亡後、資料館側が性被害を受けた女性に誠意ある対応。少しずつ変化が始まっている。訴えた女性被害者の勇気と、あきらめなかった強さに頭が下がる。

柴田優呼さんのポストから引用



資料館のHPでも公式発表されました。https://www.okakinen.jp/


謝罪と反省、性暴力二次加害防止への取り組みについて、被害者としてどのように考えているか

私に起きた性暴力被害は、加害者の属人的な問題だけでなく、取材現場で起きた性暴力であり、日本の報道機関や労働組合、社会における女性蔑視などの構造的な問題でもあります。

今回の資料館の謝罪と反省、二次加害防止への取り組みがモデルとなり、取材現場の性暴力問題や著名人による性加害、二次加害問題が溢れる日本社会が変わるきっかけになって欲しい。そのためにも、声をあげ続けます。

私に起きた性被害は、加害者の属人的問題だけでなく、女性蔑視、性搾取がやめられない報道現場や日本社会の構造的な問題です。日本に暮らす誰もがこの構造の一部であり、自身も地続きであることに気づいて欲しい。

性暴力被害者の会 郡司真子
https://reliefkids.wixsite.com/---------victim-surv

追記1  2023年10月10日
資料館との対話について、女性研究者の方々が尽力下さったこと、資料館が私の真意を汲み取って下さったことに、心より感謝申し上げます。

追記2  2023年10月11日
https://www.ncctv.co.jp/news/121111.html

取材の過程で起きた性被害であることが伏せられているのは、かなり無責任な印象ですが、私がかつて勤務していた長崎文化放送では、ニュースになっています。
ニュース映像あり。

追記3 2023年10月11日
NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20231011/5030019193.html

長崎放送(TBS系列ニュースサイトへの掲載)2023年10月11日
女性記者への取材中の性暴力であることを明記している。女性記者への加害の重大性を示すタイトルがついて、この記事は、ヤフーニュースにも掲載されました。https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/770766

共同通信も被害者は、女性記者であることを明記しました。https://x.com/kyodo_official/status/1711936298032971924?s=46&t=vy8wdKAUtyWvi5cBvdgmrw

各社さん、加害者の顔の写真は、被害者にとって、フラッシュバック要因になるので、加害者の顔をいきなりサムネイルに掲載するのは、考え直していただきたいです。

共同通信は、資料館会見当日10/11に、速報で、被害者は女性記者であり、取材中の性暴力であったことを伝えました。https://www.47news.jp/9973619.html

共同通信は、4本の記事を配信し、私が資料館関係者に提供した二度目の被害と加害者によるつきまとい行為についても記事にして、加盟社各社(地方紙やブロック紙)で記事になりました。


性暴力2回、付きまといも、長崎の平和運動家、記者に 

 平和運動家の故・岡正治(おか・まさはる)氏の名を冠した長崎市の「岡まさはる記念長崎平和資料館」が、生前の岡氏による性暴力を認めたことを巡り、当時記者だった被害女性に聞き取りをした同館の関係者が11日、取材に応じ、岡氏から二度の性暴力や付きまとい行為があったと明らかにした。
 関係者によると、岡氏による性暴力が起きたのは、当時20代前半だった女性が長崎市政担当をしていた頃で、1994年に取材先の岡氏宅で催された懇談会の後、下着姿の岡氏に突然羽交い締めにされるなどした。
 後日、岡氏から「謝罪したい」と申し出があり、さらに平和活動に関する新事実を提示され、取材の義務を感じた女性は岡氏宅を再訪。キスをされるなど再び性暴力を受け、その後も付きまといの被害に遭った。
 女性は2020年、ブログで「聖職者であり平和と人権の活動家。何を信じていいのか分からなくなった」と当時の被害を告発したが、同館は放置し、今年9月に謝罪した。
 女性は、謝罪や館名変更といった対応を受け、「取材現場の性暴力問題や著名人による性加害、2次加害問題があふれる日本社会が変わるきっかけになってほしい」とコメントした。

共同通信2023年10月12日付朝刊配信


西日本新聞は、3本の記事で報じています。
まず、資料館関係者のみの説明会後の10月10日の記事https://www.nishinippon.co.jp/item/o/1135022/

10月11日は、資料館公式会見当日朝刊に2本の記事  https://www.nishinippon.co.jp/item/o/1135334/

被害者は、女性記者であり、取材中に起きた性暴力であったことが、明記されています。

NCC長崎文化放送(テレビ朝日系列)は、10/11の放送では、「女性記者」が取材中に性暴力に遭ったことを報じました。

KTN西日本テレビ(フジテレビ系列)は、女性記者であることは書いていない。https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20231011010

NIB長崎国際放送(日本テレビ系列)は、KTNと同様の内容です。http://www.nib.jp/nnn/news106a4n0l400inh9rb59.html

長崎新聞は公式会見前にも記事を出していますが、会見では、資料館側からも明らかにされている事実として、女性記者が取材対象から性暴力に遭ったことを明記して頂きたかったです。報道現場の性暴力に新聞社として社長から管理職まで、しっかり向き合って頂くために。


この問題では、女性記者が取材中に権威ある取材対象から性暴力に遭ったことを記事には明記して欲しいと、被害者として、もっと主張すべきだったと、今、私は、反省しています。

あらゆる報道機関が、足もとで起きている報道現場での性暴力に真摯に向き合って欲しいと考えて、被害について声を上げ続けてきたのですが、なかなか伝わらないもどかしさがあります。

それでも、女性記者が取材中に著名な平和運動家から性暴力に遭ったことが重大であり、故人となった後でも、加害者の関係者が、ことの重大さに気づき、反省して謝罪し、二次加害防止の取り組みを始めたことが、社会を変えるきっかけになると、気づいて記事を書いて下さった記者の方々もいます。

朝日新聞は10/12の記事で被害に遭った元記者のコメントを掲載しました。

故・岡正治牧師の「性暴力」謝罪 30年前の被害訴えた元記者に「対応遅れた」 活動伝える資料館
https://www.asahi.com/articles/DA3S15764459.html

西日本新聞によるこの件に関して4本目の記事。記者がどのように被害に遭ったのか、なぜ資料館が謝罪したのか、丁寧に取材しています。

キリスト教新聞社は、被害者のコメントを掲載しています。


マイノリティリポートでも取り上げられていました。

正論チャンネルも取り上げていた。


何度も強調していますが、私に起きた性暴力は、加害者の属人的な問題だけでなく、女性蔑視だらけの日本の構造の問題であり、誰しもその構造の一部です。

この問題を報じてくれた記者の方々も地続きの女性蔑視による性暴力と二次加害だらけの社会を変えるために、自身は何ができるのか、考えて続けていただきたいです。

資料館との話し合いにあたり報道機関にも取材対応して下さった研究者の方が、各社記事にアップの加害者顔写真が掲載されている問題で、被害者がフラッシュバックを起こす可能性があると、交渉下さり、加害者顔写真掲載が順次削除されるとのこと。お心遣い感謝申し上げます。

私はこれまで、複数の性暴力被害についての取材を受けてきましたが、今回、報道対応にあたって下さいました女性研究者によるサポートが素晴らしく、性暴力二次加害防止のモデルとして、報道現場で、継承していっていただきたいです。

真摯に性暴力二次加害防止に取り組む姿勢を示して下さった資料館、被害の聴き取りや報道対応に協力下さった女性研究者の方々、この問題を報じた記者の方々、報道機関、読んで下さった皆さんに感謝申し上げます。

https://x.com/relieftokyo/status/1712177976295772220?s=46&t=vy8wdKAUtyWvi5cBvdgmrw

今回の資料館との話し合い、謝罪反省、性暴力二次加害防止への取り組みでは、乗松聡子さんにとてもお世話になりました。
心より感謝申し上げます。


郡司真子
@Koiramako
@relieftokyo
komaken602@gmail.com

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