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そこに山があるから(準備万端で)登るのだ

複数の人間でなにかをやろうと盛り上がっているときに、だいたい一人ぐらい「こういうことが起きたらどう対処するの?」などと水を差すようなことを言うひとがいる。

それはまさにわたしである。だっていろんなケースが頭のなかで浮かんじゃうんだもの、しょうがない。

みんなで盛り上がって、さあ動こう! というときにネガティブなことを言うのは気が引ける。
「それもそうだね、じゃあ対策を考えよう」と納得してもらえる場合もあれば、「そんなこと言ってちゃなにもできない」と反感を買う場合もある。

でも、わたしだってただ脅かしてるだけでもなければ、リスクがあるからやめようと言っているわけでもない。
リスクを無視して突っ走るのでもなく、やろうとしたことそのものを取り止めるのでもなく、その起こりそうなリスクを乗り越えようと前向きに考えているのだけど、その思いが伝わらないことが時々ある(たぶん効果的な言い方ができていないのだと思うのだけど)。

登山家は、そこに山があるからといってぴゅーっと登るわけじゃない。山には危険があるから、彼らは万全の準備をして挑む。
危険があるから登らないでおこうと思うひとは、登山家にはならない。

パソコンで入力した文字は修正したり消したりできるし、ソフトウェアに「戻る」ボタンがあるからこそ、こんなのんきな気分でnoteを書けるのだし。
取り消しできないパソコンだったら、すべてが一発勝負ですごく怖く、パソコンは使わなくなるだろう。

不測の事態が起きたら考えようっていうのも、ひとの命にかかわることでなければ、それはそれでありだと思う。勢いが必要な場合もあるから。
だけど事前にわかっているのなら、リスクを減らす策を講じておくか、なにかが起きたときの対策方法を考えておいたほうがいいと思っている。
だから、勢いを削がないような言い方をわたしはしないといけない。

「そんなこと言ってちゃなにもできない」と想定される事態を見て見ぬふりをしたまま突っ走ると、事が起きたときに関係するひとたちが余計なストレスを抱えることになる。

個人の生活でも同じことが言える。
たとえば忘れっぽいひとってだいたい根性論で乗り切ろうとしているから、やっぱりいつも忘れてばかりいる。
忘れるというリスクがあるんだから、スマホのリマインダーをセットしておくとか、可能なら今すぐやっておくとかすればいいのにと思う。
忘れっぽいことを見て見ぬふりをするから、いつまでたっても忘れっぽいひとのままで、「忘れちゃいました!」「えー、忘れたの?」という不毛なやりとりをしなければならない。お互いに大なり小なりストレスになる。

嫌われるけど、いろんなことを想定しちゃうこの習性は大事にしておこうと思う。

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