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ネットスーパーで泣いた

初回限定で1,000円引きになるというので、試しにアマゾンフレッシュを使ってみた。一人暮らしなうえに、冷蔵庫に食材がたっぷり入っていると落ち着かないので、まとめ買いはしたくない。なので、最低注文金額の4,000円分買い物するってけっこう大変だった。
玉ねぎ1個、トマト2個、ベビーリーフ1袋、みたいな感じで、ピックアップするひともめんどくさかろう。重い米とか日持ちする食材やお菓子をいくつか買ってなんとか4,000円にたどりついた。
シャウエッセンが半額で買えたのと、近所のスーパーでは見かけないクワルクが買えたのはうれしい。

ネットスーパーはずいぶん前に1度だけ使ったことがある。ネットスーパーが出始めた頃で、一定の金額以上買えば配達料無料というプロモーションを大手スーパーがやっていたので使ってみた。

そのときは仕事の関係で、群馬と言ってもいいくらい北寄りの埼玉に住んでいた。冬は赤城おろしが身にしみるし、夏は最高気温を誇るようなところだった。だけど、畑ばかりでさえぎるものがないから花火大会の花火が自宅からよく見えたし、カエルがゲコゲコ鳴いているのも風情があったし(最初なんの音かわからなかった)、7万円台で2LDKが借りられちゃうし、けっこういい所だった。今でもまた住みたいとたまに思う。

当時仕事は忙しく、朝8時から夜11時まで連日働いていて毎日へろへろだった。
その忙しさは本社の判断タイミングの遅れによるとばっちりだったけど、なぜか一言も文句を言わずにいた。
わたしは文句を言ってもいいような状況や、明らかに相手が勘違いしてるときに限って何も言わない癖がある。不思議。

そんな感じだったので、休みの日は泥のように眠り、最低限の家事しかできなかった。
住んでいたところは駅から徒歩5分くらいのところだったけど、地方あるあるで、駅前にはかろうじてコンビニが1件あるのみ。買い物は線路の向こう側まで徒歩15分のコープか、国道を隣駅方面に自転車を10分くらい走らせたところにある地場のなんとかっていうスーパーに行くしかなかった。

もう歩いたり自転車を走らせたりして買い物に行く気力もない。そんなときに、2駅先にある大手スーパーが配達料無料で配達してくれるっていうチラシが入ってたので頼んでみることにした。
このときも最低注文金額に達するまでベッドの中であれこれポチポチとポチり、生理用品とかをぶちこんで金額のかさ増しをした記憶がある。
ネットスーパーを嫌がるひともいるけど、なるべく新しいのを選んでくれるらしいので(日本って素晴らしい)、あんまり心配はしていなかった。

頼んでから数時間後には配達された。初老の礼儀正しい男性が届けてくれた。
大きなお世話だけど、役職定年か雇用延長かでこういう業務になったんだろうかと思わせる。業務にすれた感じがないというか。
必要以上のことは言わないけど、あたかも近所の知り合いか親戚が、適度な距離を保ちつつ「忙しそうだから買ってきたよ」って届けてきてくれたような、そんな空気感を漂わせるひとだった。

んで、今回10年以上ぶりにネットスーパーで注文したわけだけど、もう少しカジュアルな感じだけど、今回も初老の男性が届けてくれて、やはり業務的すぎない感じで、当時を思い出して懐かしさでドバーッとなりそうになった。

お忙しいひとがリゾートなどに行ってなにもしないで休む気持ちが少しわかる。お金を払ってサービスを受けるとその瞬間心が休まるから。
まっ、わたしはネットスーパーで同じ思いができるから安上がりです。

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