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無限にある別世界

在宅勤務をしていて夕方になると、かなり繁盛に飛行機が家の近くを低空で飛んでいくことに最近気づいた。昔からこんなに飛んでいたっけと疑問に思い調べてみたところ、1年と少し前に飛行経路が変更になったとのことだった。去年の今頃も家で仕事していたのに、ぜんぜん気がつかなかった。
しんと静かな森の中に住んでいるわけではないから常に何らかの音がしているし、多少騒がしいのは平気なたちなのだけど、それにしても無頓着すぎる。

週の半分くらい、だいたい15時すぎから飛行機はやってくる。住宅密集地の1階からは空がよく見えないけど、ストレッチや筋トレで床に寝転がっていると、家々の隙間から飛んでくる飛行機が見える。ベランダに出れば、尾翼についた航空会社のマークもなんとなく見える。赤いからJALかしらとか。っつーか仕事しろって感じですけど。

いったん気づくと気になる。うるさいというのではなく、どこから来た、あるいはどこに行く飛行機なんだろうということが気になって、そういうことが調べられるアプリをスマホに入れた。
全部チェックしたわけじゃないけど、我が家の付近を飛ぶのは羽田に向けた着陸機がほとんどで、それらは北海道方面からの飛行機が半分以上を占めているっぽい。ときどきワシントンなどアメリカから飛んできたものが混じる。
アメリカからの飛行機は、アプリを見ると13時間前に離陸したことがわかり、13という数字に座ってるの大変ねと思ったりする。実際に乗ってみればそれほど長くは感じないのだけど。

13時間前に搭乗したひとたちのことを考えるとちょっと不思議な気持ちになる。わたしの与り知らない場所があり人々がいるような、自分のいる世界と同時には知ることのないもう一つの世界があるってちょっと並行世界っぽい。
並行世界ということばは本来こういうことを指すわけではないけど、今自分が知覚できる範囲外のことは別の世界のように思え、これも並行世界なのではと思いたくなる。3次元ではなく2次元的に並行する世界。当たり前なんだけど不思議でもあり。
べつにアメリカじゃなくても、会っていないときの友人知人肉親などのひとたちが今どこに存在しているのかなんてほんとうにはわかり得ない。
知らない世界が無限にあるように思える。

今わたしは音楽を聴きながらこれを書いているけど、この音楽ができるまでのその過程、作曲したり演奏したりという過程が存在する世界にわたしは爪の先ほども足を踏み入れていない。
歌っているのは星野源だったり宇多田ヒカルだったりということになっているのだけど、それがほんとうかどうか、つまり彼らがほんとうに存在するかどうかはわからない。
だけど、こうして音楽が聴けているということは、細かいところが自分が知っていることとは異なっていたとしても、その音楽ができるまでの世界がたしかに存在したことはまちがいない。たぶん。

変な話になっちゃったので話を飛行機に戻すけど、アプリで見る限り貨物機も含めて想像していたよりもたくさんの飛行機が飛んでいて、それでも墜落事故が毎日あるわけじゃないから、車より安全と言われるのもまあそうなんだなと思った。
アフリカはあまり飛んでなくてそれは事情を考えればなんとなく理解できるけど、ロシアも空白なのはちょっと怖い。日本は夜になっちゃったので少なめ。昼間はもっとみっちりしている。北米は夜が明けてきましたね。

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オチが見つかりませんのでこのへんでさようなら。

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