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秋が来た、でもまだ来てない

いつもは猫が起こされて、明け方に目が覚める。
だけど、今日は寒くて自ら目が覚めた。暑くて目が覚めたんじゃない。
猛暑でひーひー言ってたのが信じられない。
傍らには、うすっぺらくてサイズも小さい肌掛けしかない。
布団がほしい。タオルケットでもいい。だけど、それらは押入れの奥の奥にある。
しかたがないから、バスタオルをかけて身をちっちゃくしてそれにくるまる。
「立秋」ってこういうこと?

いつもは見ない時間帯に犬の散歩をさせているひとが結構いる。真夏の真昼のお散歩は厳禁らしいけど、涼しい今なら大丈夫ってことなのね。
犬たちは雨に濡れるのが苦じゃないのか、るんたるんた♪と飼い主の顔を見ながら嬉しそうに歩いている。
一方で飼い主たちは皆さんやや気怠げなご様子。気温の変化や低気圧のせいで、体調が悪いのかしら。

カフェに行くと、コールドドリンクを飲んでいるひとが少なくなり(おじさんたちはあいかわらずアイスコーヒー! だけど)、アイスやかき氷じゃなくて、ケーキや焼き菓子を食べているひとが結構いる。
ビアガーデンは涼しさと台風とで、お商売的にちょっと残念な状況のかもしれない
人間の体って正直なんだなと思う。

立秋の1、2日くらい前から、夜になると虫が鳴くようになった。
暑いけど、むっちゃ暑いけど、8月もまだ前半だし、こんなに汗だくだけど、夏も終わりに向かっている。

自然って意外に予定をぴっちり守るみたいだ。自然と暦がちゃんと事前打ち合わせしているとしか思えない。
「立秋2日前になりました。秋の虫さん、そろそろご準備をお願いします!」
「らじゃー!」

猛暑様は再び登場すると思うけど、裏では秋がじわりじわりと乗り込んできている。
そうして猛暑様が追いやられ去って行くのは、まだあと1カ月くらい先のことか。

#エッセイ #平成最後の夏

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