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私を構成する42枚を語る 後編

後編です。今回は22位から。それではさっそくどぞ。

22. Modest Mouse - The Lonesome Crowded West (インディー・ロック、1997)

ジョニー・マーつながりで、モデスト・マウスは発見しました。遡っていくと、こんないいアルバムが。
ヒリヒリした緊張感が緩急自在に展開されるアルバム。ポスト・ハードコアとかエモとか言われますけど、中々独特で、形容し難い感じ。

ハイライト:Convenient Parking

21. The Libertines - リバティーンズ宣言 (ガレージロック・リバイバル、2002)

カール・バラ―とピート・ドハーティは00年代最高のデュオかもしれない。パンクで、Cheekyで、あとなんてったってメロディがいい。andymoriあたりから、日本のバンドにも影響大なのでは。
新アルバムもでますね。楽しみです。

ハイライト:Time For Heroes

20. Arcade Fire - Funeral (インディー・ロック、2004)

完全に名盤の地位を確立しつつあるアーケイド・ファイアのファースト・アルバム。コンセプシャルな最初のNeighborhood群からWake Up、Rebellion のアンセムまでなだれ込んでいく完璧すぎる構成美に震える。完成度が半端ない。

ハイライト:Neighborhood #2 (Laika)

19. Morrissey - Your Arsenal (インディー・ロック、1992)

ファースト・アルバムと迷ったけど、モリッシーはサードを選びました。モリッシーがアラン・ホワイトと組んで初めてのアルバムです。
キャリアの中でも特にグラム的なアルバムで、ロマンティック。歌詞も炸裂していますね。We Hate It When Our Friends Become Successfulとかタイトルだけで美味しい。

ハイライト:You're the One for Me, Fatty

18. 中村一義 - 金字塔 (ロック、1997)

デビュー前の中村一義がビートルズと同じ機材を買い揃えたってのは有名な話だけど、このアルバムはなんといっても音が楽しいです。温かみのあるギター、ピアノはもちろん、挿入される粋なセリフとかとにかく音が楽しくなるアルバム。宅録サウンドの頂点。好きっていうよりリスペクトがでかいかも。

ハイライト:天才とは

17. Radiohead - The Bends (オルタナティブ・ロック、1995)

90sが続きます。OK Computer、Kid Aとか訳わからなくなる前、正統派ギターロックを鳴らしていたレディヘです。ポップは正義。
ジョニー・グリーンウッドのギターとかもうなんか降りてきてますよね。このアルバムは特に。

ハイライト:Just

16. The Kinks - The Kinks Are the Village Green Preservation Society (ポップ、1968)

サイケ旋風が吹き荒れる中、イギリスの田園風景を歌った神バンド、キンクスの名盤。このアルバム聴いているとなんかめちゃくちゃ幸せな気持ちになるんです。もう全部ほっぽり投げて将来は農家にでもなっちまうかー、みたいな。最初から最後まで地味ーでいい曲が続く。

ハイライト:(強いてあげるなら)Big Sky

15. Franz Ferdinand - You Could Have It So Much Better (ガレージロック・リバイバル、2005)

ずるいくらいポップで、ダンサブル。パンキッシュにみえて、めちゃくちゃ練られて、削ぎ落とされて、洗練されている。頭をバカにしても楽しいし、批評的にも面白い。
あとあまり言及されているところを見たことないけど、ギター天才だろっ。

ハイライト:Do You Want To

14. Felt - The Strange Idols Pattern and Other Short Stories (ジャングル・ポップ、1984)

80sポスト・パンク最大の耽美派Feltからのサード・アルバム。ロマンティックでゴシックで最高に美しい。80s過ぎてあまり現代に伝わってこないのが悲しいですね。そこも含めて美しいのだけど。
くら-い詩とあかるいギターの音色のコントラストがぼくの人生に希望を与えてくれるのです。

ハイライト:Sunlight Bathed The Golden Glow

13. Joy Division - Closer (ポスト・パンク、1980)

ジョイ・ディヴィジョンはセカンド・アルバムのほうが好きです。
前作にあったパンキッシュな成分が少なくなってめちゃくちゃゴシックな雰囲気が全開に。サウンドも歌詞も絶望的すぎて、落ち込んでいるときに聴けないのが玉にキズ。

ハイライト:Colony

12. The Fall - Hex Enduction Hour (ポスト・パンク、1982)

今回のリストの中では最も難解なアルバム?な気がします。
永遠に同じフレーズを繰り返すベースと騒がしいツインドラムの上でマーク・E・スミスくんが吐き捨てるように歌う。このアルバムはぼくに「パンク」とはどういうことかを教えてくれた。
そう、I destroy romantics のアティチュードこそパンクなのだ。

ハイライト:The Classical

11. Lou Reed - Transformer (グラム・ロック、1972)

脂が乗りまくっているデヴィッド・ボウイとルー・リードが出会って完成した傑作。ルー・リードの現実逃避的な美学が全面に現れていて大好きです。一生このアルバム聴いて過ごしてたい! けど、それが実現しないところに『Transformer』の本質はある。

ハイライト:Satellite of Love

10. Talking Heads - Remain in Light (ポスト・パンク、1980)

いよいよtop10。トーキング・ヘッズはFear of Musicと迷ったけど、楽曲一つ一つののパワーがあるこっちで。こんなに変なことやって、なんでこんなにかっこいいのかわからない。
Stop Making Senseのリバイバル上映があるそうで、テンションが上っています。

ハイライト:Born Under Punches (The Heat Goes On)

9. Echo & the Bunnymen - Porcupine (ポスト・パンク、1983)

サイケでドリーミーなポスト・パンクバンド、エコバニの3rd。これもまた耽美的な作品です。
正直、エコバニは最初の四枚からだったらどれでも良かったのですが、ストリングスを導入し始めた3rdを今回は選出。ここまでくるともう、その日の気分で変わります。

ハイライト:The Cutter

8. Car Seat Headrest - Teens Of Denial (インディー・ロック、2016)

急に現代に飛びます。インターネットナード的な感性をインディーロックの文脈にブレンドしたCar Seat Headrestの名盤。次作Twin Fantasyとどっちを選出するか迷ったけど、やはり曲単体のパワーが高い(と思う)本作を。ぼくはあんまりアルバム単位で音楽を評価しません。
ウィル・トレドは歌の使い方がすごく巧みですね。この言葉を尽くしてストーリーをつたえようとしてくる感じ。

ハイライト:Vincent

7. Television - Marquee Moon (アート・パンク、1977)

NYパンクの雄、テレヴィジョンからマーキー・ムーンです。
まず、ギターがすごい。ユニークなフレーズが絡み合うツインギター。
で、詩もすごい。文学的な象徴詩ですね。そもそもマーキー・ムーンというフレーズを思いついたことがすごい。
世紀の神作。自分で書いていて、まだ6作品上にいることが信じられん。

ハイライト:Venus

6. The The - Soul Mining (ニューウェイヴ、1983)

このアルバムはちょっと過小評価されすぎだと思う。最初から最後まで素晴らしい、史上最高のシンセ・ポップアルバムです。
詩もいいです。How could anyone know me when I don't even know my selfとかパンクな自問に基づくキラーラインが複数。
やっぱ後にジョニー・マーが加入するだけのことはあるな(?)

ハイライト:Giant

5. David Bowie - Station to Station (アート・ロック、1976)

デヴィッド・ボウイはキャリアを通じて好きだけど、一番はこのアルバム。ベルリン三部作に入る一つ前のアルバムです。ファンクの影響が色濃いのに、病的に洗練されていて汗臭さを一切感じさせないのはさすがボウイ。
ちなみにぼくは、小学生の頃から Stay が大好きなんですけど、今思うと中々渋い嗜好ですね。

ハイライト:Stay

4. The Stone Roses - The Stone Roses (マッドチェスター、1989)

みんな大好きストーン・ローゼズのファースト。ギター良し、ベース良し、ドラム良しの三方良し。もちろんボーカルもいい。四方良し。
聴いただけで体が動き出すビートって時点ですごいと思うのだけど、ストーン・ローゼズはしっかりメロディーで聴かせてくるところも好きです。
ぼくの躁なところは大体このアルバムで「構成」されている。
実はコンピ版Made of Stoneのほうが好きなのは内緒。

ハイライト:She Bangs the Drums

3. 神聖かまってちゃん - つまんね (ノイズ・ロック、2010)

このアルバムは本当に「神」がかってますね。ドロッドロで鬱々した精神の中から差し込む光。の子のスピリットが叩きつけられている。
彼らのディスコグラフィーでもここまでシューゲイザー、ドリームポップ、ノイズに接近したものはないし、実は異色のアルバム。最近は下手なJ-POPソングばっか作っているかまってちゃんだけど、この作品がある限りぼくはファンです。
ぼくが神聖かまってちゃんを好きな理由。

ハイライト:芋虫さん

2. The Velvet Underground - The Velvet Underground (ロック、1969)

すべてのオルタナ、インディーはヴェルヴェッツに通ず、ということでヴェルヴェット・アンダーグラウンドなんですけど、バナナアルバムじゃありません。White Light, White Heatでもないです。サード・アルバムじゃないとだめなんです。
ポップで美しくも温かさを感じるA面、Begging to See the Lightの危なっかしい光明から始まり、After Hoursで優しく占めるB面。中では、殺人ミステリーのような狂気をのぞかせながら進行していく大名盤。珠玉の名曲揃いです。

ハイライト:What Goes On

1. The Smiths - The Queen Is Dead (インディー・ロック、1986)

1アーティスト1枚の縛りがなければスミスだらけなっていたリストでした。42枚の中でもこのアルバムは頭一つ、いや頭ニつ抜けている気がする。
ビッグマウスの裏に隠された繊細さと絶望を希望に昇華する華麗なアイロニー。最初から最後まで神曲がぼくに寄り添ってくれています(スミスの曲は全部そうだけど)。
こんなに素晴らしいアルバムは後にも先にもないんだろうなぁ。まさしくぼくを「構成する」一枚。

ハイライト:全部!だけどとりあえず人生で一番聴いたであろう「心に茨を持った少年」をおいておく


以上、どれも素晴らしいアルバムばかりの私を構成する42枚でした。ハイライト選ぶのが結構楽しかった。価値観がでるとおもいます。
あと、note を書くのって大変なんですね。こんな文でも書くのに時間かかっちゃいました。

振り返ってみるとやっぱり80sが多いですけど、現代のアルバムもまあまあ入ってきたかなと。
今年はインディー、オルタナだけじゃなくていろんな音楽が聴ければいいな。

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