花種を蒔き常の日を新たにす 岡本眸

種を蒔けば必ず芽を出す。生命の神秘である。先ずもって雄蘂と雌蘂と分かれているところから奇跡である。そのおかげで多種多様な新しい生命が生まれる。一粒の種はやがて数えきれないほどの種を作る。この循環によって命は受け継がれていく。その循環に自分の手が加わる。その意識が、日常生活に潤いをもたらす。命の誕生に手を貸す自分の行為が、まるで神の手のように見えてくる。花の一生を夢見る宇宙が豊かな暮らしを育む。

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