大人の反抗期

もう10年くらい前に書いたものなのですが。ありがたいことに、未だに読んでもらえているらしいコラム、こちらでリライトします。
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私のカウンセリングを受けられる方は、「類友」で私と似たタイプが多いです。

そんな類友の皆さまに、よくお話しすることがあります。
それが、「大人の反抗期」です。

あなたは、反抗期を終えていますか?
「俗に言う”反抗期”なお年頃を過ぎたかどうか」をきいているのではなく、「その時期に、しっかり反抗らしい反抗をしましたか?」という質問です。

反抗期って、大事なんです!

反抗期は、自我を確立し、「”それでも”愛される」という体験をするための時期。どんな自分も、変わらず愛してくれるのだ。自分の居場所、帰る場所はここにあるのだ。そんな安心安全な「感覚」を培う時期。

安全基地があるから、安心して外の世界へ冒険に行けるようになるのです。

でも、そんなこと学校では教わらないので。お年頃になった時、反抗される親の気持ちを考えてしまうようなやさしく繊細な方ほど、戸惑ったままその時期を通り過ぎてしまいがち。

また、同じく知らずに親となる方がほとんどですから。
知らず知らず、本来の目的が果たされずに自分もお子さまも年を重ねてしまった、ということもよくあるのですね。

「知らなかった」わけなので、「それじゃダメです!」と言いたいわけではけしてないのです。

親として子育てをしていない身で、そんなことを語るのはおこがましいので、子どもだった立場から申し上げると。
うちの親も、知らなかったと思います。私も、反抗期をちゃんと過ごせなかったクチです。

でも、大人になって心の整理整頓が済んでますので、「知らなかっただけ」「余裕がなかっただけ」の親に対して、わだかまりはありません。
ひとりの人間として、育てあげてくれたことは、本当にすごいと尊敬しているし、感謝しています。

私がお伝えしたいのは、「とにかく、目的が果たされればいいんじゃないか」ということなのです。

子どもの頃は、何となく通り過ぎてしまったとしても。大人になって、「自分らしさ」に意識が向き始めると、どうしてもそれを一番わかってほしい人である、安心安全を与えて欲しかった存在である親に、今からでも認めてもらいたくなるんですね。

でも、それでは過去をほじくり返して、不毛なケンカになりがちです。
知らずに悪気無くしてしまっていたことを責めても、過ぎた時間は元に戻せないのですから。

そして、気持ちのやり場を失い、親に満たしてもらえなかった欲求を、無意識にパートナー(恋人、配偶者など)へ埋めてもらおうとしてしまいます

愛してくれているのでしょう? だったら、これくらい受け入れてくれるでしょう? それが当然でしょう?と。(無意識ですが)
でも、それでは関係性が破綻してしまうのは、言わずもがなです。

反抗期は、大切な時期。心に安心安全を培うという、必要な目的が果たされなければ、心の時間は止まったままなのだ。まずはそう認識すること。

そして今、
自信がない。
罪悪感がある。
自分を価値ある存在だと思えない。
自分らしさがわからない。
人と健全な人間関係を築けない。

など、形を変えて表面化してしまっている。

それが、今の状況ですよね。

だったら、今からでも宿題をやればいい。
もちろん、今から親に反抗しましょうという意味ではありません。あくまでも、成人したひとりの人間として、自分の心を育て直しましょう、という提案です。

ただ、ひとりきりで取り組むのは難しい。
心の発達という視点から見ると、反抗期は誰かとのキャッチボールで成立するものですから。

受け容れられた経験があるから、受け容れることができる。この順番を、逆行することはできません。
やっぱり、人はひとりでは生きていけないのです。

自分の中にわいてくる気持ちを、たとえ自分本位なものであっても、とにかく尊重し大切に扱ってもらえる、という体験をする。(ここが、カウンセラーの役割になります)
そんな時期を経て、今度は自分らしさを大切にし、それでも周囲と適切な形で調和する道を切り開いていく

それが、大人の反抗期です。

ちなみに、反抗期はリアルタイムな子どもの時期だと、足掛け何年もになりますが。大人の反抗期は、それに比べるとかなり短いです。
私の体感値ですが、しっかりやれば、長くとも”年”ではなく”月”単位ですね。

目的とやり方が明確だから、効率が良いのでしょう。
大人になった今は、子どもの頃にはなかった選択肢があるし、自分の意志で自分自身に成長を促し行動できるから。

今日という日は、これからの人生でいちばん若い日。
「今だからできること」なのだから、今日から始めれば良いのです。

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