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夜灯性タンポポ詩集

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【自作の詩だけを集めました】公開日順に並べてあります。
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テーマパーク   |詩

羊男の頬へキスをしたら後ずさりしたけど彼の手をつかんで テーマパークへ行くの 羊男は首を振るけどわたしの誘いは絶対だからテーマパークへ行くの あたしの車に乗せてあげるわ 羊男の頬にキスをしたからその手をつかんで車にひきずりこんだの 夜の道をドライヴしてるわ そうね あたしが笑うと歯が見えるものね こわいものね、リップだってまっ赤だもの あたしが笑うとこわいのよね 外に出して出してって、するわよね そうよね テーマパークなんか夜中に着いたってあたりまえだ

『透きとおる』  #54字の物語  #シロクマ文芸部

54字を原稿用紙にて。 最終改訂 令和六年一月三日

うつす  #シロクマ文芸部 #詩

詩と暮らすようになりました じぶんが なにかを作れるようなことなど ありません ただ 図書館のかたすみに ひと棚だけある 詩歌の たくさんの前にたち 一冊を手にとります たとえば夜 じぶんをゆるせなくなりくびに手をかけたときに その一冊をおもいだし かばんのなかから とりだすのです  写すのです  お気にいりの万年筆でも 昼につかったボールペンでも  なんでもいいから せんせいたちの詩歌をうつすのです せんせいたちは わたしの知らないことばも使って 詩を

夜のほしぞら瞬くそのとき | シロクマ文芸部

約1700文字 珈琲ともあれ口に含む爺が部屋の隅より観る 「またか御嬢」 ベッドのうえパニエで膨らませたドレスを着てすわる女の子がシーツを握りしめて泣きつづけてまったくうるさい 「こんどのひとほんとうに素敵だったの死にたい信じてすらっとして指がきれいで優しくて素敵で死にたい髪もふわっとしててすっごく撫でてあげたくてお願いしたら触らせてくれてくすぐったいよって言ってくれて死にたい素敵で」 爺がニコチンガムをガシガシと頬張る 「喫っていいわよこんなドレスなんてもう要ら

『スニーカーフェティッシュマイダーリン』   歌詞:かうかう

Hi !! スニーカーフェチなあんたがサイコー! Yeah !! 白でバッシュのローカットだけよね♡ Hi !! スニーカーフェチなあんたがサイコー! Yeah !! 夏でバッシュを素足に履かせて☆ Hi !! スニーカーフェチなあんたがサイコー! Yeah !! 白いバッシュのローカットだけよね♡ Hi !! スニーカーフェチなあんたがサイコー! Yeah !! 冬にタイツでバッシュ履かせて☆ でかいバイクに あたし乗せてて アクセル踏んでさ (ヤダ☆) 考えだして

或る花についての報告   |詩

研究室を閉じその中で照明を消し ひかるその花にぶ厚いガラス壜をかぶせる 待つ 時計は外に置いてきた ただ待つ 表示される時間のない暗闇のなかほど 退屈で長く 時間を感じさせる 眠くなると上司に持たされたアンプルから 注射器で腕の血管に刺す そしてもうねむくはないけれど長い 夜が長い けれど明けようにも 研究室の戸は開かない ずっと夜 ひかるその花の光が 黄から薄緑へ変わっていた 記録はどこかでモニターされてるから僕の問題じゃないよ じっと記録されている

[search : ("碧秋桜")]   |詩

壊れたディスクを格納したローバー『タイニー』が 向かいあう碧秋桜の状況を喫茶店で記録する 日没まであと2時間 碧秋桜は窓際の席で うなだれて椅子に置かれていた 『ポータルのカメラで記録された 30分前の状況』 "ポータル"の喫煙所で、次のようにタイニーは筐体正面のモニターで プロンプトを碧秋桜へ向け表示した [:BlueCosmos 投与(促進剤) & 行く 喫茶店 ] そして30分後 碧秋桜はみずからの車両で喫茶店に到着する そのあとをタイニーが追った 全速力

Not sure anymore   |詩

あくまで 夢 の はなし もう 誰もいない 建物 のなかを ふらふらと歩いていて. 薄暗いなか むこうに あかり が 見えたから. そっちのほうへ 天井が破れていて. たまたま 光の柱が ぼうって あく まで 夢の はな し ひかる が 射す あかり のなかを 無数 に きらめき 粉々に ただよう 塵 両手を差しだし  目 を 閉じる 温度 日 が かげり 薄く ,なり  消える. 破れた 天井 のむこう に  おおきな 空 が あって 雲が

対歌 措置は収容とする   |詩

話を聴いててあたまにきたのでお前の顔を齧った 驚いていたので面白い やっぱり これは わたしがむかついていたのを初めて知りましたって顔か そうだよ 何十分かかってんだよ 何ヶ月かかってんだよ 何年かかってんだよ わたしの知らない女の話で頭がお花畑なのはお前だ馬鹿野郎 呻き声をあげたので 中身に舌をいれてかきまわす お前の首にそえたわたしの手から お前の脈が さらに早く強くなったのがよくわかる わかりやすさはむかしからだね それは わたしうらやましい そういうのわた

あらあら、具合のお悪いことで。   |詩

その子の顔を思いだそうとすると花束になってしまう。まっかなバラの花束とかそんな大げさなものじゃなくて、 ブーケというか、そう、結婚式でほうり投げるようなそんなかんじの、そう、ちんまいかわいいやつ。カラフルな、いろんな明るい花でできた、ちいさなそれ。 いや彼女を別にぽーんと段の上からみんなの頭上へ放り投げたいとか、いますぐなんか、その結婚式をあげたいとか、そんなことはまったくなくて。 いつものふんいき地味めなワンピース姿、たまに長いスカートでブラウス(そういえばパンツルッ

わがままなお茶   |詩

たとえばこの角砂糖に 青いインクを垂らすの それなら韃靼から手にいれた このお茶を淹れるね あなたの指、 ほんとうに白く透きとおってきた あなただって、じっとみつめたら、 わたしだってたまらなくなったくらいの 虹の膜をぷるぷる潤ませた、 その奥の、琥珀の眼 ねえ意外、いれてみたらお茶、 赫かったわ 駱駝の足あとだけしか 見あたらないような、 沙漠の砂の色をおもっていたのに ほら、ミルクいれてよ…… やだ、これ新鮮すぎるの? 匂うわ でも、カップに注いだら、 ほら消

玉梓   |詩

詩をねらう/希うなんてそんな下卑た畏れ多いことを 詩は賜るもので願ってぐずりねだるようなことは許されないよ ━ 死をねらう/希うなんてそんな下卑た畏れ多いことを 死は賜るもので願ってぐずりねだるようなことは許されないよ ━ 師をねらう/希うなんてそんな下卑た畏れ多いことを 師は賜るもので願ってぐずりねだるようなことが許されないよ ━ 舌なめずりした君は夜の犬やまいにかかって狂れて抑えられないからこの銃で撃ってあげよう八千代の王国は御前に在らまし此のときすべて

「休んじゃった日」を公開したんですが……。(紙のノートに書いた原文をこっちに載っけさせてください)

おはようございます。灯油めっちゃ高い。ストーブ17℃設定ってのは高めなんですか低めなんですか? 加湿器がんがんかけてるとぬくい感じが気のせいかします。 そうじゃなくて、 休んじゃった日というぽえみーをさっき公開したんですが web用に体裁を整えていたら、ついつい手入れしてしまって、紙のノートにペンで書きつけたそのままの文章ではなくなってしまったんですね。 で、なんかそれもったいない気がしていて、紙のノートの原文もこちらにのっけさせてもらえたらと。どっちが良いただしいとか

休んじゃった日   |詩

あのね、って言う はあい、って聞こえる あのね、って言う はあい、って聞こえる あのね、って言う はあい、って聞こえる あたしソファのなかで ぐちゃぐちゃにうずくまって 彼はソファのうしろで ゆかにべたってすわってて あのね、って言う はあい、って彼はまた言うから またあたしは泣き出してしまう あのねって、あたしは こころのなかで言う、  君はぜんぜんつかえないひと  なんで結婚したかなんて  もうわかんない  あなたなんて  ほんとにただの  バカな