工芸、上の空。(takenaka kinsai)

「金彩」という伝統工芸技術で、ものづくりをしています。会社勤めしている頃は包材関係のデ…

工芸、上の空。(takenaka kinsai)

「金彩」という伝統工芸技術で、ものづくりをしています。会社勤めしている頃は包材関係のデザイン職でした。 が、仕事とは全然関係ない事、もしかしたら関係するかもしれない程度の事も扱います。マンガ、アニメ、デザインなども。書きたいままに。

マガジン

最近の記事

文様よもやま話①さくら

花、満開です。 4月5日、京都地方気象台はソメイヨシノが満開になったと発表しました。 (↑の写真は枝垂れ桜です。) このタイミングで 工房の中にある型紙などを振り返りつつ、「さくら」にまつわる蘊蓄などを アレコレ書いていきます。 画像の文様は、線画で描かれた(糸目の)桜です。 鋸歯のない若葉も顔を覗かせているので 品種としてはヤマザクラになるでしょうか・・? すみません、わかりません・・。 日本の桜の7~8割はソメイヨシノらしいのですが 桜の品種自体は300以上にも及

    • glassmarker-彩- 私達らしい祝い方

      りんごはニュートンの足元にしか落ちなかった。 万有引力はニュートンの生き様があってこそ発見された、と思うのです。 私たちtakenaka kinsaiには、glassmarker-彩-(グラスマーカー彩)という代名詞的商品があります。これも「私たちの元にしか落ちようがなかった」商品だと考えています。 というか、私たち自身の有様があまりに色濃く反映している、トランプのポーカーで例えるなら、私たち自身が役の一部を担っている、と思えるような商品なのです。 私たち自身とグラスマ

      • ボスキャラ募集「ロックマン」はデザインの深淵を垣間見せた。

        ロックマン。子どもの頃、沢山遊びました。ゲーム史に燦然と輝く不朽の名作です。でも私にとってのロックマンは、それだけじゃないんです。 ロックマンは、私に初めて「デザイン」の深淵を示唆し、模範となったゲームなのです、多分。 そして、私と似た感覚を覚えた方が、世の中にはたくさんいるのではないかと思います。察しの通り?ボスキャラ募集がその理由です。 これのおかげで、図らずしもロックマンは、チビッコ向けのクリエイティブ練習帳として、めっちゃくちゃ有効に機能していたんじゃないか、と

        • 技術は受け継げない。

          伝統工芸の技術に関して軽い誤解が蔓延ってないか? とちょっと心配になりましたので書きます。 技術の継承とか、つい言っちゃいますが、 基本、技術って、受け継げません。 各々が、頑張って身に付ける、それだけです。経営基盤みたいなものとは事情が違っています。 (ロマサガ2みたいな感じだと楽なんでしょうが・・。) スポーツ、サッカーでいうと、中村俊輔のフリーキックって受け継ぎようがないものですよね。だから、サッカー日本代表にとっては、これはもうずっと10年くらい「失われた技術」

        マガジン

        • マンガ系
          0本

        記事

          「職人と作家の違い」内なる声に耳を傾ければ自ずと分かる説

          デザインとアートの違い、 アーティストとクリエイターの違い、 工芸と民芸の違い ・・・ インターネット上には、この手の「〇〇と××の違い」を伝えようとしてくれるテキストが溢れていて素敵です。 デザインを学んできた人間なので、「デザインとアートの違い」は、昔からよく目にしてきました。デザインの門戸を叩く者は皆、一度は通る道(Y字路?)かもしれません。この違いが分からないと、間違った人生を歩むかもしれない分岐点で、当事者、関係者にとっては大事なのです、この違いは。 「〇〇と

          「職人と作家の違い」内なる声に耳を傾ければ自ずと分かる説

          マンガは工芸品

          かなり変なのは承知していますが、クラフト的魅力とか言われて真っ先に連想するのがマンガだったりします・・。正直、陶芸とか、漆器とかではない・・。(なんかスミマセン・・。) 自分にとって、最も親しい工芸品。印刷物、マスプロダクトなのだけれど手仕事の味わい、人間臭さがプンプン感じられます。ザラッとした漫画雑誌の紙質や印刷の粗もむしろ良い。 読むと、それだけでちょっと癒されます。作り手が感じられるのです。漫画家のインクで汚れた手先や筆を強く握った痕などが想起され、本当にこんな面倒

          未来は心と脳ミソで決める。

          ウチ、金彩工房takenaka kinsaiでは、父と私2人で「これからの金彩(工芸)」を模索する、をお題目に伝統工芸に勤しんでいます。が、その関係はご期待?に沿うような「師匠」と「弟子」というものではありません。言うなれば「心臓」と「脳ミソ」に当たると考えています。 いきなり言うと「なんのこっちゃ」かもしれませんが自分達では、そう理解しているという事です。(そして、そのように言葉にできてからは、少し仕事がやりやすくなったように思います。今回はそんな話です。) 事件前夜私

          未来は心と脳ミソで決める。

          伝統を守りたいから、伝統から離れた。

          はじめまして。竹中金彩(takenaka kinsai)と申します。 この度、note始めました。 父子2人で金彩という伝統工芸に携わっています。 工房は今年で47年目。at京都。私はボンの方で6年目です。 生まれた時から、自宅の一室は父の仕事場。耳をそばだてれば カタカタカタと小気味好く金箔粉を振るう音が聞こえる、 そんな環境で育ちました。 「楽しそう」「知ってほしい」。だからnote始めます。 noteを始めた理由は、偶然noteで見かけた記事が「とても面白かった」か

          伝統を守りたいから、伝統から離れた。

          『鬼滅の刃』は、ジョジョと似て非なる所にこそテーマが詰まっている。

          大人気、鬼滅の刃。とても面白い。少し読めば「なるほど、これは、ジョジョ(第一部)だな・・笑」と思うのですが、だからいけない、と言いたい訳でなく 、似て非なるところがあり、そこにこのマンガの美味しいところ、 テーマみたいなのがぎゅっと詰まってるという感じがします。(だから、パクリとか言って済ますのは、一番勿体無い、と思います。) 多分、鬼滅の作者は、描きたい事を上手に展開できるようにジョジョの骨格を変形しつつ採用したのだろうと思います。 ジョジョ好きにはとても読みやす

          『鬼滅の刃』は、ジョジョと似て非なる所にこそテーマが詰まっている。