聞いてみた#16:伴走ランナーについて
マラソン大会などに出たことある人なら、このビブス見たことあるんじゃないでしょうか。
伴走ランナーさん、視覚障害のある方と並走してサポートする人が着けています。先日まで行われていた平昌パラリンピックでも様々な競技で選手をサポートする人がクローズアップされていました。選手並みに、ときには選手以上にトレーニングも気遣いも必要なんじゃないか。そんなふうに見ていましたので、大会で時折見かける「伴走ランナー」という役割には興味をもっていたのですが、そういえば身近な人が最近伴走ランナーをやってるのをSNSで見かけていたのでした。
のせさん。能瀬博之さんです。ランナーでもあり、ブロガーでもあり。
のせさんのブログはこちら(ランナー必見)。
で、「うちの番組で伴走について教えてくれませんかー?」とお願いしてみたところ、こんな格好でスタジオに来てくれました。のせさん、ラジオです、ラジオ。
まあ、見た目とノリは大事ですからね。
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ーランナー歴どれくらいですか?
2010年からですね。8年くらい。
ータイムもぐんぐん伸ばしてるイメージがあります。
実はメンタルが弱くて、なかなか伸び悩んでたんですよ。それで小出監督の本を読んで、本のとおりのトレーニングをしてみたり。
ーどれくらい練習したんですか?
一時はもう、ひどかったですね。早起きして、出勤前に30km走ったりとか。
ーフルマラソンのベストタイム、サブ3.5(3時間半以内)でしたよね?
第2回の鹿児島マラソン2017で3時間20分台を出して、それでなんか燃え尽きちゃった感というか、(いずれサブスリーというのもあるんですけど)次のなにかにチャレンジしてみたくなって、伴走をやってみようと。
ー伴走ランナーって、すぐなれるものなんですか?
鹿児島市にある団体があって、そこの連絡先は調べたんですけど代表の方個人の携帯番号だったんで、半年くらい躊躇しました(笑
それで思い切って練習会に参加してみたところ、じゃあ走ってみましょうって。いきなり道路に出て伴走したんです。
ーそんないきなりできちゃうものなんですか!?
できちゃいましたね。それから練習会に出たり、大会に出るようになりました。
ー具体的には、伴走ランナーってどういうことをやってるんですか?
パートナーさんとロープを握って(長さも決まってるそうです)、並走しながら声掛けをします。カーブとか、アップダウンとか。下り坂では、下りはじめも大事ですが意外と「下り終わり」が危なかったりするんですよ。突然平地になって転ぶこともあるので。あと、あくまで伴走なので、前に出て引っ張ったりとかはできません。常に横にいる感じですね。
ー先日の第3回鹿児島マラソンでも、伴走ランナーとして4時間20分台の完走、さすがです。やっぱりかなりの走力が求められるのでは?
パートナーさんの目標が4時間ぐらいだったのでそのペースに合わせるつもりだったんですが、やはり暑かったですね。
ただ、必ずしも早い方ばかりではないので、その方のペースに合わせて走ることができれば伴走はできます。やってみてわかったことですが、視覚障害のある方はお一人だと外出するのも難しい部分があるんですね。それが伴走ランナーがいることで、大会に出て走ることができる。横にいるだけでも安心感を持ってもらえるんです。
あと、意外とレース中は気を張っているのかそこまで疲労を感じないんです。終わった瞬間にものすごく疲れに襲われますが(笑
ー我々、一般のランナーがレース中に気をつけられることはありますか?
例えば追い抜くときに、パートナーさん側から突然前に出てこられると怖い思いをすることもあったりはします。できれば伴走側から追い抜いてもらったほうがいいのかも。ただ、お互い様だと思っているんですよ。私達はふたり分の場所を取ってたりもしますし。
伴走ランナーって、記録も残らないし大会プログラムにも載らないんです。参加賞もありません。二人で走ってますけど、あくまでパートナーさんの記録なんですね。
ー伴走ランナーさんが増えると、よりパラスポーツの環境も良くなっていきそうですね。
そうですね。いま県内では鹿児島市を中心にやってますが、視覚障害をお持ちの方は各地にいらっしゃるので。練習会などに気軽に参加してほしいです。
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ランナーとしてもストイックな部分がすごいなーと思っていたのですが、さらに伴走ランナーの世界の奥深さを感じさせてもらいました。
記録にも名前も残らないけれど、パートナーさんを一人の選手としてゴールまで支える伴走という役割。カッコいいなあと思いました。障害の有無に関わらず、同じランナーですもんね。タイムだけじゃないけど、ほんとに早い方も多いですし。
のせさん個人のランナーとしての目標を聞いたところ、「47都道府県フルマラソン制覇」だそうです。やっぱのせさん、すごいわ。
自分も負けないように頑張ろうと思います。とりあえずもういちどサブ4で走れる身体を作ろう・・・
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