聞いてみた#6 : 敬天愛人(縦書き)

一回目から非常に盛り上がっております。NHK大河ドラマ「西郷どん」。

オープニングが美しいとか、鹿児島弁が意外にマイルドだとか、ネット上でも様々な評価を目にしました。この盛り上がりが今年はどのように広がってゆくのか、ドラマの展開も含めて楽しみです。

自分の暮らす鹿児島県姶良市もロケ地になっていて、けっこう初回から登場していました。

ということで、今回はこちらにお邪魔してみました。

加治木郷土館。昨年で創立80周年を迎えました。ここはもともと加治木島津家の屋形があった場所であり、西南戦争の勃発した明治10年には鹿児島県の仮県庁も置かれました。そういう意味でも島津家や西郷さんと関連のある場所なんですが・・・

スタッフの折見信則さんに教えて頂きました。

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西郷さんに関連する展示で、加治木郷土館にしか無いものがあるそうですね?

「敬天愛人」の書はいくつか残っているんですが、たいていが横書きなんですね。縦書きの敬天愛人の書はここにしかありません。市の文化財になっています。

これがその縦書きの「敬天愛人」。レプリカではなく現物が展示されています。(※館内は撮影禁止につき写真は加治木郷土館パンフレットより)

この書がはどういう経緯で加治木に残っているのですか?

私学校の分校がこの加治木に設立されることになり、西郷さんから寄贈されたものです。この私学校分校は現在の柁城小学校で、柁城小学校の子どもたちは大河ドラマ「西郷どん」のロケにも参加したんですよ。
(※妙円寺詣りのシーン。撮影時の写真は館内にも展示されています。)

ドラマの初回、折見さんはご覧になりました?

郷土館に勤めているものですから、地元がどんなふうに出てくるか興味を持って見ていました。精矛(くわしほこ)神社や重富海岸などが登場しましたね。

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「敬天愛人」は西郷隆盛の信条を表した言葉として有名です。
初回では「この男が居なければ、新しい日本は生まれませんでした。」というナレーションがとても印象的でした。
直筆の書を見ると、何か訴えかけてくるものがあるように感じます。

明治維新から150年経って、政情としては不安要素も数多くあるこの現代を西郷さんが見たらどのように感じられるでしょうか。直筆の書が教えてくれるものは、西郷さんや大久保さんというのは架空のヒーローではなく、実際に激動の時代を確かに生きた方々で、歴史はひとりひとりの人が作るドラマであるということ。
そのお膝元に生まれ育った我々が、背筋を正さずにはいられません。

加治木郷土館では、現在「敬天愛人 西郷隆盛/もう一人の「篤姫」光蘭院貞姫」という企画展を開催中。貞姫は篤姫と同じく島津斉彬公の養女となり、その後、近衛家に嫁ぎました。後に内閣総理大臣を務める近衛文麿の祖母にあたります。この貞姫も加治木島津家出身なのですね。

明治維新150周年、そして大河ドラマというこのタイミングを単なるお祭りで終わらせること無く、「古きを温ね新しきを知る」機会としたいものです。

加治木郷土館には県外や海外からもお客様がいらっしゃるそうです。ドラマのロケ地巡りの際にはぜひ。

加治木郷土館
姶良市加治木町仮屋町250
TEL0995-62-0130
開館時間:9時~17時  休館日:月・祝


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